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第2章 ドワーフの国〈イルーヴァタール〉

第22話:鉱石採取の旅【後編】

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「いやー、まさか優勝しちまうとわな~」

洞窟に足を運んだ俺たち。そんな中緊張感がないトーリンさんの声が洞窟内に響く。

「安心しな。この洞窟に出てくるのはゴブリンか、あるいはそれ以下の魔物くらいだよ」

行き慣れた場所なのか、軽々しいというか、不穏な空気を漂わせるトーリンさん。

「それにしてはこの洞窟熱くないか?」

「ん?ああ、それはこの先に行けば分かる」

ロビンが手をパタパタして暑さを現わす。

確かに少し熱いが、沖縄県民には普通かもしれない。沖縄はいつ行っても暖かいから羨ましい。夏は暑すぎるけど。

それにしても奥に進むほど暑さが増していく。

そして、ようやく俺たちの目的地に着いた。

目の前に広がるのは鉱石の山。その鉱石から熱が出ている。
確かに熱は出ているがそれ以外にも原因があった。

「ド、ド、」

ロビンは目の前の光景に動揺し、その単語を言うだけで何回も噛む。

そして、目の前の魔物が俺たちに気が付いて目を開ける。

頭から尾まで真っ赤で、角は黒く、青く綺麗な目。皮膚は何百、何千もの数で覆われた鱗。

そして、何十年、いや何百年も生きただろう、その体の大きさに俺は驚きを隠せなかった。

「ド、ドラゴンじゃないか!」

ロビンは声を荒げる。

「どういう事だよ!鉱石採取に来たんじゃないのか?」

「そうなんだが、こいつがいるから採取が出来なくて困ってたんだよ。だから頼む」

トーリンさんは両手を合わせて頭を下げる。

「報酬は弾ませるからさ」

「ほ、報酬~!」

ロビンは報酬と言う言葉に、ドラゴンを退治しようとするつもりだろうか。

しかし、報酬と言ってもさっき俺が優勝した賭けで大金を稼いだ金を渡すつもりなのか?

それはそれでどうなんだろうか・・・・・・。

「しょ、しょうがない!タクミ、頑張れ!」

丸投げされた。

「いや、これはさすがに一人では無理だ。ロビンも手伝え。幸いにもここには鉄が沢山ある」

ロビンは俺の言葉を聞いて、全てを理解した様子だった。

作戦の全てを・・・・・・。

俺は即座に鉄を抽出して、加工し、鋭利な刃物を作り出す。大量に。

その大量の鉄はロビンの魔法によって、宙に浮き、ドラゴンを貫く。

磁力で動いているからドラゴンも目で追えていない様子だった。

「極力、傷をださないでくれ!」

トーリンさんが俺たちの戦闘を見ながらそう言った。

俺は考えた。極力、傷を付けず、ドラゴンを根を止める方法を。

俺は試しに鉄を大量に抽出し、加工する。

横に長く、熱さは薄く、刃先は鋭く、加工して出来上がったのは三日月形の刃物だった。

「ロビン、これで首元を狙え」

「任せておけ!」

大量の刃物から、三日月形の刃物に魔法を移す。

宙に浮いた三日月形刃物はドラゴンの首をはねた。

そして、ドラゴンの息が絶えたから暑さが弱まる。

「よし、帰るか」

俺達がドラゴンの相手をしている間にオリハルコンを採取したトーリンさん。

俺はドラゴンに時空間収納魔法に収納して、元々、収納されていた物を創時空間収納魔法に収納した。

ドラゴン一匹で容量全てを奪われてしまうなんて、もっと容量を増やそう。

今後の目標が出来たことにより、魔法の道を奥に進む俺。

俺の額はどのような物になるのだろうか。
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