最恐家族は本日も無双中 ~ギルモア家と愉快な人々~

Rohdea

文字の大きさ
2 / 3
シリーズ紹介

すとーりーしょーかい【ジョシュア】

しおりを挟む

「───あうあ!」
 
 ────さて、じんぶつしょーかいをおえたので、つぎは“すとーりーしょーかい”するです。
 
「あうあ、あうあ~、あうあ!」
 
 ────こんかいも、かわいくてまるくてプニプニでプリチーなボク!
 ジョシュア・ギルモアがしょーかいしていくです!
 
「あうあ~……」

 ────では、さっそく…… 
 
「ジョシュア!   お待ちなさーーい!」
「あうあ! あうあ、あうあ……あうあ~!」

 ────どうしたのでしょう!
 おばーさまがうつくしいかみをふりみだしながら、ボクのところにかけてきました。
 そんなおばーさまは、きょーもわかわかしくてキレーです……
 とくに、あのスラリとしたあしにはふみふみされたいです~!
 
「あうあ」
「ホーホッホッホ!   ジョシュアだけじゃ、まともな紹介が出来ないと分かったから私も手伝うことにするわ」

 おばーさまは、たからかにわらうとボクをみおろしながらそういいました。
 そのことばに、ボクはびっくりです。
  
「あうあ!   あうあ、あうあ!」

 ────なんということでしょう!
 おばーさま、かほごすぎるです。
 ぜんかいのボクはかんぺきでした! それなのにしんぱい?

「……ガーネット。ジョシュアは前回は完璧だったのに心配するなんて過保護だと文句を言ってるぞ?」

(……はっ!   このこえは、おじーさま!)

「あうあ! あうあ~」

 ────さすが、おじーさま!   ボクのことばをきっちりつたえてくれているです!
 いつも、ありがとうです~
 
「あ?   完璧だったですって?」
「あうあ!」
 
 おばーさまがきれーなおかおでボクのことをじっとみおろしてきます。
 ボクはしってます。
 こういうときは、ニパッとわらっておくといいです。
  
「あうあ~」

 ニパッ!

「またヘラヘラして! 登場人物紹介する場でアイラ以外の名前言えなかったくせに何を言ってるわけ?」
「あうあ~」

 ────おばーさまったら、おかしいです~
 ボクはちゃんとみんなをしょーかいしたですよ?

「ガーネット。ジョシュアがちゃんと皆を紹介したのにおかしいと言ってる」
「ホ~~ホッホッホ!   つ・ま・り、ジョシュアは私も含めて皆の名前を覚えてないってことよね!   ホホホ、さすがギルモア家の男だわ」
「あうあ~~!」

(わーい!   ボクやりました、おばーさまにほめられたです!)

 だって“ギルモアけのおとこ”は、ボクにとってさいこーのほめことばなのです。

「まあ、いいわ。それで? ストーリー紹介っていうのは具体的に何を話すわけ?」
「あうあ、あうあ~」

 ────どんなおはなしだったかをふりかえるのです~ 

「話を振り返るそうだ」
「ふーん?」
「あうあ……あうあ~!」

 ────たとえば、おばーさまのおはなし、たんじょーびとーじつ、なんちゃら……は、おさけをグビグビしたおばーさまがゴロゴロしてたおじーさまをふんだのです~!

「ふむ。例えば、俺たちの話だとヤケ酒したガーネットが庭で寝ていた俺を踏んだと言っている」
「まあ……間違ってはないわね?   それで?」
「あうあ!」

 ────おわりです!

「終わりだ」
「は?」

 おやおや?   おばーさまがおめめをほそくしてボクをみてくるです。
 おかしいですね?
 どうしたのでしょう。

(……あ!)

 そこでボクはきづいたです。

「あうあ、あうあ~」

 ────ああ、いけません。だいじなことをわすれてたです~

「安心しろ、ガーネット。ジョシュアは大事なことを忘れていたそうだ」
「ホホホ! でしょうね! それで?」

 おばーさまが、バサッとうつくしいかみをかきあげながらボクにたずねてきます。
 だから、ボクはニパッとわらって、りょーてをあげてげんきいっぱいにこたえます!

「あうあ!!」
 
 ────かわいいかわいいボクがたくさんでてます!!
 
「……可愛い可愛いジョシュアがたくさん出ているそうだ」
「あ?」
「あうあ!」

 ────ですです!

「……」

 あれ? きのせいでしょうか?
 おばーさまのうつくしいおかおが、どんどんあかくなっていくです?
 
「……ジョシュア」
「あうあ!」

 ────はい、です!

 おなまえをよばれたボクはげんきよくおへんじしたものの、なぜか、くうきがピリッとしたです。

(た、たたたたたいへんです!)

 ボクのほんのーが、いますぐにげるべし! といってるです!
 ほんのーにしたがってボクはそのばからかけだすことにしました。

「あうあ~~!」
「は? 逃げ……ちょっ、こら! ジョシュアーーーー!」
「あうあ!」

 さすがおばーさま。
 すぐさまボクのあとをおいかけてきます。

「ははは、ガーネット。今日もいい走りっぷりだな!」
「ジョルジュ! 笑ってる場合じゃないのよ!」
「あうあ~~」

 ────やっぱり、おばーさまとのおいかけっこはたのしーです~~

 こうして、ボクとおばーさまは、にんむの“すとーりーしょーかい”をほったらかして、なかよくおいかけっこをたんのうしたです────……
 
 

※ジョシュアとガーネットが解説を放棄したので補足。


 ■『結婚式当日、婚約者と姉に裏切られて惨めに捨てられた花嫁ですが』

 結婚式当日に、姉と婚約者に駆け落ちされて捨てられたセアラ(おかーさま)と姉の婚約者で同じく駆け落ちされた被害者ジョエル(おとーさま)が出会う話。
 シリーズ1作目のため唯一、ベビーたちがいない。


 ■『誕生日当日、親友に裏切られて婚約破棄された勢いでヤケ酒をしましたら』

 親友と婚約者の王子に嵌められたガーネット(おばーさま)がヤケ酒して、庭園で寝こけてたジョルジュ(おじーさま)をうっかり踏みつけて運命的に出会う話。
 本編終了後も愛息子ジョエルの幼少期、結婚式当日~の裏側、可愛い孫たちの誕生とおまけ話がたくさん。
 好き勝手書いてたら終わり所を見失ったため、完結設定に出来ずにいる。

 
 ■『記念日当日、婚約者に可愛くて病弱な義妹の方が大切だと告げられましたので』

 ジョエル(おとーさま)の親友、エドゥアルト(おにーさん)の恋の話。
 婚約者の自分より病弱な義妹を優先し、ついには記念日も忘れたカス男と婚約破棄するためにレティーシャ(おねーさん)が奮闘。
 なぜか脇役出演のジョシュアが大活躍し、影の主役か? ってくらいのベビー無双状態に。

 
 ■『婚約発表前日、貧乏国王女の私はお飾りの妃を求められていたと知りまして』

 エドゥアルト(おにーさん)の両親の馴れ初め話。
 王女のウェンディ(おにーさんのおかーさま)と護衛騎士エリオット(おにーさんのおとーさま)が悪びれずに堂々と浮気宣言してきた婚約者をボッコボコにする話。
 若かりし頃のガーネット(おばーさま)も登場。
 エドゥアルトの幼少期も!
 本編終了後のおまけでは、ウェンディ目線により、外から見たギルモア家の面々のヤバさがよく分かる仕様。
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

〈完結〉八年間、音沙汰のなかった貴方はどちら様ですか?

詩海猫(8/29書籍発売)
恋愛
私の家は子爵家だった。 高位貴族ではなかったけれど、ちゃんと裕福な貴族としての暮らしは約束されていた。 泣き虫だった私に「リーアを守りたいんだ」と婚約してくれた侯爵家の彼は、私に黙って戦争に言ってしまい、いなくなった。 私も泣き虫の子爵令嬢をやめた。 八年後帰国した彼は、もういない私を探してるらしい。 *文字数的に「短編か?」という量になりましたが10万文字以下なので短編です。この後各自のアフターストーリーとか書けたら書きます。そしたら10万文字超えちゃうかもしれないけど短編です。こんなにかかると思わず、「転生王子〜」が大幅に滞ってしまいましたが、次はあちらに集中予定(あくまで予定)です、あちらもよろしくお願いします*

愛していました。待っていました。でもさようなら。

彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。 やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

処理中です...