最恐家族は本日も無双中 ~ギルモア家と愉快な人々~

Rohdea

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ギルモア家と愉快な人々の日常

準備万端!【ジョシュア&ガーネット】

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「あうあ~~」
「ジョシュア、疲れていないか? 無理はするな」
「あうあ!」

 がんばっておにわをほっていたら、おじーさまがボクのことをしんぱいそうにみています。
 でも、ボクはだいじょーぶです。
 ギルモアけのりっぱなおとことして、さいこーにおーきくてふかいあなをほってみせるです!

(そして、あのまっくろなカスおをうめてやるのです!)

 ザク、ザクザク……
  
 いま、ボクたちは、まっくろなカスおをしまつするべく、じゅんびをすすめています。
 ボクのだいすきなかぞくみんなをわるくいったことはゆるせません!
 もちろん、うぇーんとないてあやまってきてもボクはゆるしたりしません!
 いしゃりょーせーきゅーするです!
 これは、ばんしにあたいする! と、おばーさまもいっていました。

(ばんし……)

 むずかしくてボクにはなんのことかはわかりませんが、とにかくおいしくてすごそうです。

「はっはっは! どうしたんだ? なんだかギルモア家が騒がしいじゃないか」
「あっぷぁあ……うあうあうぁ」

(ん? このゆかいなこえは……)

 ききおぼえのあるこえがきこえたので、スコップをじめんにおいてふりかえると、そこにはゆかいなおにーさんと、ベビーちゃんがこっちにむかってあるいてきます。
 いつのまにきたのでしょう?
 おにーさんは、ニッコニコのおかおで、ベビーちゃんはギラギラのおかおをしています。

「あうあ!」

 ───こんにちはです!

 ボクがニパッとわらっててをふってごあいさつすると、おにーさんは、はっはっは! とわらいました。

「おお! 相変わらず、今日もジョシュアは丸々していて元気そうだな」
「あうあ!」

 ───ついでにボクはきょーもとってもかわいいです!

「はっはっは! 違いない! だが、ナターシャのほうが可愛いぞ!」
「あうあ」
「うぁばぶぁぁあ……」

 ───まけませんわぁ……

 ベビーちゃんとぼくのおめめがパチッとあったので、ニパッとしたらジロッとされたです!  
 やっぱり、ゾクゾクするです~

「ところで、ジョルジュ様だけじゃなく、ギルモア家総出で庭に穴を掘ってるみたいだがどうしたんだ?」
「あうあ!」

 ───これは、まっくろなカスおをうめるじゅんびです!

「真っ黒なカス男? これまた新しいな。誰だそれは」
「あうあ!」

 ───だらーんとしたかんじのおなまえのまっくろなカスおです!

「だら? はっはっは! ますます分からん!」
「あうあ~」

 ───とにかく、おばーさまがプンプンなのです~

 ボクもプンプンしていますが、あまりつたわっていないよーです。
 なぜでしょう?

「ガーネット様が? まさか喧嘩でも売ったのか? ……そんな猛者がまだこの世に居るとは驚きだ」
「あうあ」
「そうか、本当に売ったんだな。それで、その気の抜けた感じの名前を持つ真っ黒なカス男を始末して埋めるべく穴を掘っているということか」
「あぷぁぁう! あばばばばばぁ……!?」
「どうした、ナターシャ?」

 おや?
 おにーさんにだっこされているベビーちゃんがてあしをパタパタさせてあばれています。

 ───ちょっと! ほ、ほほんとーにヒトをおにわにうめるんですの……!?

 ベビーちゃんはボクにそうきいてきます。
 だから、ボクはニパッとわらってうなずきました。

「あぶぁあぁあ!」

 ───えがおでうなずきやがりましたわぁあ!

 おやおや、ベビーちゃんはきょーもげんきです。

「……はっ! 分かったぞ、ナターシャ。君もジョシュアと一緒に穴を掘りたいんだな!?」
「ぷぁ?」
「あうあ」

 ───そうみたいです~

 ボクはニパッとわらってこたえます。

「ぅばぁ!?」

 ベビーちゃんのおめめがまんまるになりました。

「やはりそうか。大丈夫だ、ナターシャ。ここは父様に任せろ。こんなこともあろうかとナターシャ用の小さなスコップを特注して製作させ、すでにギルモア家に預けてあるんだ!」
「……ぷぁ?」 
「あうあ~」

 さすが、ゆかいなおにーさんです。
 じゅんびばんたんってやつです!

「よし、ナターシャ。ガーネット様への挨拶ついでにそれを取りに行こう!」
「……ぷぁ? うあうおぉ、ああだばぁあーー!?」

 ───んあ? どういうことですのおぉ、はつみみですわぁあーー!?

「はっはっは! これでナターシャも庭掘りデビューだな!」
「うあう、あっぱぁあーー」

 ───おとうさま、ヒトをうめるのはんざいですわぁあーー

「おお! そんなに喜んでもらえて嬉しいぞ~、はっはっは!」
「あうあ~」

 ───いってらっしゃいです~

 ボクがおにーさんとベビーちゃんにおててをフリフリすると、ベビーちゃんがキッとしたおめめでボクのおなまえをよびました。

「あっぷぁあーー!」

 ───こんの、ジョシュアァアーー!

「あうあ~~」

 ───はい、です~~

 ボクはニパッとわらってちゃんとおへんじしました!

「あっぷぁあ~~~~……」
「そうか、そうか、そんなに嬉しいか! はっはっは!」

 こうして、おにーさんとベビーちゃんは、おばーさまのもとにいくことになりました。
 でも、なぜかベビーちゃんは、おにーさんにだっこされて、ボクからとおざかっているのに、チラチラチラチラこっちをみてボクのことをよんでるです。
 どうしたのでしょう?
 もしかしたら、ボクといっぱいあそびたいのかもしれません。
 それにしても……やっぱりベビーちゃんはきょーもげんきで、じんせーたのしそーです!

「エドゥアルトの娘は今日も元気だったな」
「あうあ!」

 ───はい!

 おじーさまが、さっきボクがじめんにおいたスコップをひろってわたしてくれました。
 ボクはそれをうけとります。

「いいか、ジョシュア。ガーネットは今、カス男を徹底的に潰すべく動いてくれている。俺たちに出来ることは庭を掘ることだ、頑張るぞ!」
「あうあ!」

 ───はい、おじーさま!

 ザクッ、ザクッ……
 おじーさまのことばに、ボクはげんきにうなずいてザクザクとおにわほりをつづけました。


✲✲✲✲✲


「ああ、ナターシャ用のスコップね。ちょっと待ってて」

(本当に使うのね……)

 抹消リスト第1位の男、ダレンを始末する手配を整えていたらエドゥアルトがいつもの調子でナターシャを抱えて邸にやって来た。

(ホホホ、ナターシャ涙目!)

 どうせまた、遊んでる最中のナターシャを突然誘拐してきたに違いない。
 そんなことを考えながら私は預かっていたナターシャ用の特注スコップを取り出すとエドゥアルトに手渡した。

「はい、これよ」
「小さいな! ありがとうございます!」
「あぷぁ!?」

 ナターシャの目はスコップに釘付け。

(気のせい? なんか動揺してない?)

 もしかしたら、エドゥアルトはナターシャ用のスコップがあることを話していなかったのかもしれない。

「ところでジョシュアに聞いたのだが、“気の抜けた感じの名前を持つ真っ黒なカス男”を始末するそうですね?」
「あ?」

 気の抜けた感じの名前を持つ真っ黒なカス男?  
 一瞬、誰それ? と思ったけれど、ダレン・ウィンスレットのことだとすぐに理解した。
 おそらく名前をちゃんと覚えられなかったジョシュアが色々混ぜたせいで、何かの化け物みたいになっちゃっている。

「ガーネット様。一応聞きたいのですが…………人間ですか?」
「…………人間よ」

 私の返答にエドゥアルトはホッと胸を撫で下ろした。
  
「よかった。ついにガーネット様が未知の生物の始末にまで手を出したのかと……」
「あばぁ!?」

 エドゥアルトの阿呆な発言にナターシャが驚いちゃってる……

「エドゥアルト! あなたジョシュアの発言に踊られすぎよ。少し冷静になりなさい!」
「!」

 私が強めに叱るとエドゥアルトは失礼した、と頭を下げた。
 どいつもこいつも、私を何だと思ってるのかしら?

「ターゲットは、ダレン・ウィンスレットよ」
「だらーんとはそういう……コホンッ、ウィンスレット家ということは、相手は侯爵家ですか?」

 さすがエドゥアルト。
 人脈が広い彼はスラスラと正解が出て来る。
 ジョルジュやジョエルではこうはいかない。

「そうよ~。この男、この間の我が家のパーティーでカス男たる片鱗を見せてはいたんだけど」
「ど?」
「ぷぁ?」

 何故かナターシャまで真剣な目で私を見てくる。
 父娘そっくりね!  

「先日、この私と愛する家族、ギルモア家の面々をバカにした発言をしてくれたのよ」
「「!」」

 エドゥアルトとナターシャがハッと息を呑む。
 その表情までもが同じで私はうっかり吹き出しそうになったのを必死に堪えた。

「それでね、彼にたっぷりお礼をすべく今、準備をしてるってわけ」
「なるほど……」
「手始めにまず、レッドマン子爵家とやってる事業の侯爵家の分を奪ってあげようと思ってるわ」
「え? レッドマン子爵家の事業というと…………もしかしてあの高級繊維の……?」

 エドゥアルトの言葉に私はフフフと笑う。

「そうよ~。とっても希少価値の高い繊維の生産をしてる子爵家よ」
「ガーネット様……」

 ウィンスレット侯爵家がどの程度、子爵家の事業に関わっているかはすでに調査済み。

「ホーホッホッホッ! それでね明日は子爵家の当主とそのお嬢さんを我が家に呼んでるのよ~」
「令嬢まで?」

 エドゥアルトが不思議そうに首を傾げた。

「ええ。だって彼女もカス男に困らされてる様子・・・・・・・・だったもの……」
「……ひっっ」
「ぴぁっ」

(あら?)

 私は“笑顔”でそう言っただけなのに、なぜかエドゥアルトとナターシャは青い顔して仲良く震えていた。

 
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