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『──記憶が戻った、と言えば、話の内容は理解してもらえるかしら』
エルシーの科白に、スペンサーは目を見開いた。かと思えば、ふっと頬を緩めた。
「……それは、本当?」
「ええ」
「本当に、本当?」
「本当よ」
スペンサーは涙ぐみながら「良かった……っ」と、エルシーを抱き締めた。エルシーが眉をひそめる。
「……良かった?」
「うん、本当に良かったよ。実を言うと、限界がきていたんだ」
「……何の、かしら」
スペンサーはエルシーから離れ「それは、色々だよ」と、肩をすくめた。
「ぼくの全てを受け入れてくれるのは、やっぱり本来のきみしかいない。優しいきみの傍でしか、ぼくは安らげないんだ」
「…………」
沈黙するエルシーに、スペンサーが首を傾げる。
「どうしたの? せっかく本来のきみに戻れたのだから、笑って見せて?」
「……その前に、わたしに言うべきことはない?」
「言うべきこと?」
「──わたしが記憶喪失になってしまったことへの、謝罪はないの?」
エルシーとスペンサーの視線が交差する。真剣な双眸に、スペンサーは「……ああ」と、視線を下に向けた。
「あれは、不可抗力だった……ぼくも肝が冷えたよ。軽く突き飛ばしただけのつもりだったのに……あんなことになるなんて」
でも。と、スペンサーは顔をあげた。
「あれは、きみも悪いよ。だって、次に浮気したり、暴力をふるえば、別れるだなんて……ありのままのぼくを受け入れてくれるきみだからこそ、ぼくはきみを愛してあげていたのに……ひどい裏切りだ」
そう言って、スペンサーはにっこりと笑った。
「でも、許してあげる。ぼくはきみを愛しているからね。けど、二度目はないよ」
エルシーの科白に、スペンサーは目を見開いた。かと思えば、ふっと頬を緩めた。
「……それは、本当?」
「ええ」
「本当に、本当?」
「本当よ」
スペンサーは涙ぐみながら「良かった……っ」と、エルシーを抱き締めた。エルシーが眉をひそめる。
「……良かった?」
「うん、本当に良かったよ。実を言うと、限界がきていたんだ」
「……何の、かしら」
スペンサーはエルシーから離れ「それは、色々だよ」と、肩をすくめた。
「ぼくの全てを受け入れてくれるのは、やっぱり本来のきみしかいない。優しいきみの傍でしか、ぼくは安らげないんだ」
「…………」
沈黙するエルシーに、スペンサーが首を傾げる。
「どうしたの? せっかく本来のきみに戻れたのだから、笑って見せて?」
「……その前に、わたしに言うべきことはない?」
「言うべきこと?」
「──わたしが記憶喪失になってしまったことへの、謝罪はないの?」
エルシーとスペンサーの視線が交差する。真剣な双眸に、スペンサーは「……ああ」と、視線を下に向けた。
「あれは、不可抗力だった……ぼくも肝が冷えたよ。軽く突き飛ばしただけのつもりだったのに……あんなことになるなんて」
でも。と、スペンサーは顔をあげた。
「あれは、きみも悪いよ。だって、次に浮気したり、暴力をふるえば、別れるだなんて……ありのままのぼくを受け入れてくれるきみだからこそ、ぼくはきみを愛してあげていたのに……ひどい裏切りだ」
そう言って、スペンサーはにっこりと笑った。
「でも、許してあげる。ぼくはきみを愛しているからね。けど、二度目はないよ」
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