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第一部
10.疑い 3
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陽向さんは、いつも黒いハイネックのシャツを着ていた。練習用のスカートもスパッツも黒だった。フィットした衣類の上から体の線がきれいに見えた。腕や足は形よく膨らみ、形よく締まっていた。手袋は着けず、いつも袖をまくっていた。遠くから滑っているのを見ると物凄い存在感と貫禄を感じた。近づいた時の小柄で可愛らしい様子が嘘のようだった。そばに立つとフルーツのような香りがした。
僕たちの練習は、ハンドインハンドから始まった。僕が手の平を上に差し出すと、陽向さんはその上に手を置いた。まるでバイオリンの弓でも持っているかのような何とも捉えがたい不思議な動きだった。体育祭の時につないだクラスの女子の愛想のない手つきとは全然違っていた。最初のうちはこんな手を握っていいのだろうかと困惑した。息苦しかった。こんな人と向かい合って滑ったり、腰に手を回したりできるのだろうかと、想像しただけでどぎまぎした。深呼吸をして、息を整えて滑り出したら、何のことはない、そんな気持ちは一瞬で吹き飛んだ。僕はただ、自分の目の前の課題に夢中になっていた。
陽向さんとの練習が認められるようになったのは、僕がアイスダンスの練習を始めてから二週間ほど経った日のことだった。
夜遅い貸し切りだった。僕は相変わらず一人で退屈な練習をさせられていた。
きれいなフォームを意識して滑るという見た目のためだけのつまらない練習。姿勢を保ち、ただ延々と大きな円周をクロススケーティングで走り続ける。
フォームを保つため体を自由に動かせず、そのせいでスピードが思うように出ない。この練習で自分はむしろ下手になっているのではないかという思いさえ湧き、僕は鬱屈としていた。ここのところ何度かいい感じで滑れそうになったこともあったのに、そのつかみかけた何かさえ失ってしまいそうな気がした。
僕のまわりでは、みんなが自由に動き回っていた。何を練習しているのかは僕には分からなかったけれど、僕にはみんながとても楽しい練習をしているように思えてならなかった。
「あなたねえ」
ふっと先生が近寄ってきて、滑っている僕の腕だの足だのを持ち上げては姿勢を矯正し、厳しい調子で言った。
「あれだけ滑れるくせに、姿勢を正しただけでスピードが出せなくなるなんて、どうかしてるわよ」
そして僕にもう少し頭を使って滑るようにと言った。
「いい? 氷は蹴るんじゃなくて、押すの。最後まできれいに足を伸ばしてね。あなたは無駄な動きが多すぎるから、自分がいつ氷を押しているのか自分でも理解できていない。だからフォームを変えられた程度でスピードが出せなくなるのよ」
僕は言われた通りに良い姿勢を保ち、きれいに足を伸ばすように心がけた。だけど言葉の表面しか理解できていなかった僕には、それは苦痛な「作業」にしかならなかった。
先生は僕の回っている円の内側に入り、僕にそちらを向かせ両手を前後に開かせた。そしてその両方の手をつかんで言った。
「このまま滑って」
両手を動かせなくなった僕は、滑る勢いをつけるため膝を伸ばす瞬間に腰を浮かせた。
「腰は浮かさないで。もう一度膝をしっかり曲げて」
先生は僕の両手をしっかり押さえたままそう言った。僕は膝を曲げ空気椅子のような感じで腰を落とした。
「そう、この深さ。腰はこの高さのままで。このまま『ぐっ』て感じで滑って。前より上手く滑れるようになるまで、これだけを続けてらっしゃい」
そう言い残すと先生は他の子の指導へと去って行った。
僕は手も腰も動かせず、足だけしか動かせない状態で滑ることになった。足の長さには限界がある。そんなに遠くまでは蹴れるわけがない。反動もつけられないとなると、力いっぱい蹴っても出せる力は限られていた。実際僕のスピードは歩く程度にまで落ちていた。
こんな滑り方で前よりも速く滑れるなんてことはありえない。僕は心の中でそう決めつけていた。
それともこれはある種の筋トレだろうか、そういう疑問もよぎった。もしかすると力をつければこれでも速く滑れるようになるのかもしれない。
そんなことを考えながらしばらく練習していると、陽向さんがやって来た。
「私も練習しよ」
そう言って彼女は僕と同じ練習を始めた。彼女は腰の高さも変えず、上半身も身動きさせずに、すごいスピードで僕を追い抜いた。
目の前に現れた陽向さんの後ろ姿。ひらひらとした短いスカートからきれいな足が伸びる。
その姿が僕の目を奪った。
きれいに伸びた足は、伸びきったところから今度はきれいに曲がっていく。2本の足がきれいにそろう。そして氷に着くと同時に彼女はその足の上にしっかりと乗り移り、ぐっと氷を踏み込んだ。それは衝撃的瞬間だった。小さな一歩からものすごい推進力が生まれるその光景は、まるで帆いっぱいに横風をとらえて力強く進んでいくヨットのようだった。
これまでバラバラに分かりかけていたことが、僕の中で次々とつながり始めた。流斗と滑った時に感じたあの感覚。一人でそれを再現しようと試みてきた時の感覚。これまでどうでもよいことに思えていた先生からの指示の数々。
僕は陽向さんの後ろについた。氷を押している足は、次の足が戻ってくるのを待っている間じっくりとしっかりと彼女を運んだ。彼女を運ぶ役目を終えると、鳥が羽を伸ばすかのようにきれいに遠くまで伸びていった。そこには美しいリズムがあった。
いつの間にか戻ってきた先生が、僕たちを見て「あら、いいじゃない」とやわらかな声を出した。
「どうやら最低限のラインはクリアできたみたいね。ハンドインハンドでのスケーティングくらいからなら、始められるかしら」
先生の言葉に、陽向さんが得意げにほほえんだ。
すごく小さかった頃、自転車の補助輪が外れた時の気分を思い出した。
この日のことをきっかけに、ずっと気になっていたエッジという言葉の意味も徐々に分かっていった。
スケート靴の刃には、中央に溝がある。その溝から体の外側にある刃をアウトエッジ、内側の刃をインエッジという。僕が先生から借りた靴を履いた時、ピタッと氷をつかんだように感じたのは、貸靴よりしっかり研がれたこのエッジが氷に当たっていた感触だった。けれど、それだけでは単に物の名前を理解したにすぎなかった。本当に重要なのはそこから先だった。
陽向さんが氷を押す直前、一本の足の上に彼女がしっかりと乗ったように見えたあの現象。あれがエッジに乗るということだったのだ。とても傾いていたのに彼女は倒れることなく、あるエッジにしっかりと乗っていた。そこから体重を移動させエッジの深さを上手く変えることで推進力を得ていた。
このエッジの持つ働きをすっきりと理解できていて、これを意識して滑ることのできる人間は、無駄な動きをせずに、効率よく氷に力を伝えることができる。
エッジの大切さは、スケートにおけるすべての動きに存在した。どのエッジにしろただ乗っただけの状態をキープしていれば、慣性によりぐるっと円を描いて戻ってくるほど安定して進める。その際きれいに乗れていないと、途中で軌跡がゆがんだりどんどん失速してしまう。意図的に乗り具合を変えると、ターンなどの動きを生み出すことができる。ターンの前後にももちろん何らかのエッジに乗っているわけだけれど、どのエッジからどのエッジへどう乗り換えるかでターンのバラエティーが生まれる。
エッジを理想的に使えれば面白い動きをきれいに決められるし、そういったことができるかどうかで氷上で思ったように動けるかが決まってくる。日頃練習しているコンパルソリーも、その能力を高めるためのものだったのだ。
僕は少しずつ、自分の変化を感じられるようになっていった。いい感じで滑れる時がずっと増え、出来ることも増えていった。だけど、それでどれだけ流斗との差が詰められただろうと考えると、きっとそれほど縮んでいないだろうという気が虚しくもした。
流斗はどうしているだろうとたまに気になった。時間の取れる時には、モミの木を覗いてみたりもした。相変わらず果歩はいつでも滑っていた。流斗がいるようには見えなかった。アイスダンスのことをあきらめないと言っていたのに、一体どうしているのだろう。
本当はこの話は流斗に譲ってやった方が良かったのかもしれないと考える時もあった。僕はあまりにも流斗に不親切だ。もし僕がいい奴だったら、何の苦労もなくあっという間に超上手いカップルが出来上がっていた。陽向さんにとっても、きっとその方が良かったに違いない。
だけど、僕はもう後には引けなかった。もしこれから陽向さんたちが流斗のことを知ったとしても、僕は負けるわけにはいかなかった。
僕たちの練習は、ハンドインハンドから始まった。僕が手の平を上に差し出すと、陽向さんはその上に手を置いた。まるでバイオリンの弓でも持っているかのような何とも捉えがたい不思議な動きだった。体育祭の時につないだクラスの女子の愛想のない手つきとは全然違っていた。最初のうちはこんな手を握っていいのだろうかと困惑した。息苦しかった。こんな人と向かい合って滑ったり、腰に手を回したりできるのだろうかと、想像しただけでどぎまぎした。深呼吸をして、息を整えて滑り出したら、何のことはない、そんな気持ちは一瞬で吹き飛んだ。僕はただ、自分の目の前の課題に夢中になっていた。
陽向さんとの練習が認められるようになったのは、僕がアイスダンスの練習を始めてから二週間ほど経った日のことだった。
夜遅い貸し切りだった。僕は相変わらず一人で退屈な練習をさせられていた。
きれいなフォームを意識して滑るという見た目のためだけのつまらない練習。姿勢を保ち、ただ延々と大きな円周をクロススケーティングで走り続ける。
フォームを保つため体を自由に動かせず、そのせいでスピードが思うように出ない。この練習で自分はむしろ下手になっているのではないかという思いさえ湧き、僕は鬱屈としていた。ここのところ何度かいい感じで滑れそうになったこともあったのに、そのつかみかけた何かさえ失ってしまいそうな気がした。
僕のまわりでは、みんなが自由に動き回っていた。何を練習しているのかは僕には分からなかったけれど、僕にはみんながとても楽しい練習をしているように思えてならなかった。
「あなたねえ」
ふっと先生が近寄ってきて、滑っている僕の腕だの足だのを持ち上げては姿勢を矯正し、厳しい調子で言った。
「あれだけ滑れるくせに、姿勢を正しただけでスピードが出せなくなるなんて、どうかしてるわよ」
そして僕にもう少し頭を使って滑るようにと言った。
「いい? 氷は蹴るんじゃなくて、押すの。最後まできれいに足を伸ばしてね。あなたは無駄な動きが多すぎるから、自分がいつ氷を押しているのか自分でも理解できていない。だからフォームを変えられた程度でスピードが出せなくなるのよ」
僕は言われた通りに良い姿勢を保ち、きれいに足を伸ばすように心がけた。だけど言葉の表面しか理解できていなかった僕には、それは苦痛な「作業」にしかならなかった。
先生は僕の回っている円の内側に入り、僕にそちらを向かせ両手を前後に開かせた。そしてその両方の手をつかんで言った。
「このまま滑って」
両手を動かせなくなった僕は、滑る勢いをつけるため膝を伸ばす瞬間に腰を浮かせた。
「腰は浮かさないで。もう一度膝をしっかり曲げて」
先生は僕の両手をしっかり押さえたままそう言った。僕は膝を曲げ空気椅子のような感じで腰を落とした。
「そう、この深さ。腰はこの高さのままで。このまま『ぐっ』て感じで滑って。前より上手く滑れるようになるまで、これだけを続けてらっしゃい」
そう言い残すと先生は他の子の指導へと去って行った。
僕は手も腰も動かせず、足だけしか動かせない状態で滑ることになった。足の長さには限界がある。そんなに遠くまでは蹴れるわけがない。反動もつけられないとなると、力いっぱい蹴っても出せる力は限られていた。実際僕のスピードは歩く程度にまで落ちていた。
こんな滑り方で前よりも速く滑れるなんてことはありえない。僕は心の中でそう決めつけていた。
それともこれはある種の筋トレだろうか、そういう疑問もよぎった。もしかすると力をつければこれでも速く滑れるようになるのかもしれない。
そんなことを考えながらしばらく練習していると、陽向さんがやって来た。
「私も練習しよ」
そう言って彼女は僕と同じ練習を始めた。彼女は腰の高さも変えず、上半身も身動きさせずに、すごいスピードで僕を追い抜いた。
目の前に現れた陽向さんの後ろ姿。ひらひらとした短いスカートからきれいな足が伸びる。
その姿が僕の目を奪った。
きれいに伸びた足は、伸びきったところから今度はきれいに曲がっていく。2本の足がきれいにそろう。そして氷に着くと同時に彼女はその足の上にしっかりと乗り移り、ぐっと氷を踏み込んだ。それは衝撃的瞬間だった。小さな一歩からものすごい推進力が生まれるその光景は、まるで帆いっぱいに横風をとらえて力強く進んでいくヨットのようだった。
これまでバラバラに分かりかけていたことが、僕の中で次々とつながり始めた。流斗と滑った時に感じたあの感覚。一人でそれを再現しようと試みてきた時の感覚。これまでどうでもよいことに思えていた先生からの指示の数々。
僕は陽向さんの後ろについた。氷を押している足は、次の足が戻ってくるのを待っている間じっくりとしっかりと彼女を運んだ。彼女を運ぶ役目を終えると、鳥が羽を伸ばすかのようにきれいに遠くまで伸びていった。そこには美しいリズムがあった。
いつの間にか戻ってきた先生が、僕たちを見て「あら、いいじゃない」とやわらかな声を出した。
「どうやら最低限のラインはクリアできたみたいね。ハンドインハンドでのスケーティングくらいからなら、始められるかしら」
先生の言葉に、陽向さんが得意げにほほえんだ。
すごく小さかった頃、自転車の補助輪が外れた時の気分を思い出した。
この日のことをきっかけに、ずっと気になっていたエッジという言葉の意味も徐々に分かっていった。
スケート靴の刃には、中央に溝がある。その溝から体の外側にある刃をアウトエッジ、内側の刃をインエッジという。僕が先生から借りた靴を履いた時、ピタッと氷をつかんだように感じたのは、貸靴よりしっかり研がれたこのエッジが氷に当たっていた感触だった。けれど、それだけでは単に物の名前を理解したにすぎなかった。本当に重要なのはそこから先だった。
陽向さんが氷を押す直前、一本の足の上に彼女がしっかりと乗ったように見えたあの現象。あれがエッジに乗るということだったのだ。とても傾いていたのに彼女は倒れることなく、あるエッジにしっかりと乗っていた。そこから体重を移動させエッジの深さを上手く変えることで推進力を得ていた。
このエッジの持つ働きをすっきりと理解できていて、これを意識して滑ることのできる人間は、無駄な動きをせずに、効率よく氷に力を伝えることができる。
エッジの大切さは、スケートにおけるすべての動きに存在した。どのエッジにしろただ乗っただけの状態をキープしていれば、慣性によりぐるっと円を描いて戻ってくるほど安定して進める。その際きれいに乗れていないと、途中で軌跡がゆがんだりどんどん失速してしまう。意図的に乗り具合を変えると、ターンなどの動きを生み出すことができる。ターンの前後にももちろん何らかのエッジに乗っているわけだけれど、どのエッジからどのエッジへどう乗り換えるかでターンのバラエティーが生まれる。
エッジを理想的に使えれば面白い動きをきれいに決められるし、そういったことができるかどうかで氷上で思ったように動けるかが決まってくる。日頃練習しているコンパルソリーも、その能力を高めるためのものだったのだ。
僕は少しずつ、自分の変化を感じられるようになっていった。いい感じで滑れる時がずっと増え、出来ることも増えていった。だけど、それでどれだけ流斗との差が詰められただろうと考えると、きっとそれほど縮んでいないだろうという気が虚しくもした。
流斗はどうしているだろうとたまに気になった。時間の取れる時には、モミの木を覗いてみたりもした。相変わらず果歩はいつでも滑っていた。流斗がいるようには見えなかった。アイスダンスのことをあきらめないと言っていたのに、一体どうしているのだろう。
本当はこの話は流斗に譲ってやった方が良かったのかもしれないと考える時もあった。僕はあまりにも流斗に不親切だ。もし僕がいい奴だったら、何の苦労もなくあっという間に超上手いカップルが出来上がっていた。陽向さんにとっても、きっとその方が良かったに違いない。
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