探偵主人公

アズ

文字の大きさ
7 / 124
1章 始まりの街ロンドン

07 007号室

しおりを挟む
「それで、どうやって秘密の金庫を探すつもりだ?」
「モルダーさん、このホテルの見取り図はありますか」
「はい。ご用意しますのでロビーの方でお待ち下さい」
「ありがとうございます」



 そして、ロビーでジーク達が待っていると、モルダーが見取り図を持って現れた。
「こちらが見取り図になります」
 そう言ってテーブルの上にそれを広げた。
 全員がホテルの見取り図を覗いた。
「これといって隠し部屋がありそうな場所はなさそうだな。何か気になる場所とかありそうか?」
 ホルトはそう自分に訊いた。
「あるとしたら、やはり気になるのは幽霊が出る部屋なんですが」
「幽霊か」
「そこは普段から鍵がかかっております。犯人がそこへ逃げ込むのは無理かと思いますが」
「確認の為にその部屋を見せていただくことは出来ませんか?」
「大丈夫です。では、こちらへ」
 そう言って今度は007号室へと向かった。
 階段をのぼっていく最中、ジークはモルダーに質問する。
「幽霊ってどんな噂なんですか?」
「声が聞こえると言うんです。それが子どものような声だと」
「声? 見たとかではなく?」
「ええ、そうです」
「原因は分からないのですか?」
「あの部屋事態は分かりませんが、その前の主人のことなら。ドーソン家の事業では安い労働者として子どもが使われていました。しかし、労働環境は悪く、事故とかで亡くなった子どももいたとか。その霊ではないかと」
 そう言いながら007号室に到着した。
 モルダーはその部屋の鍵を開ける。
「どうぞ」
 モルダーは扉を開けた。その中にジークが先に入った。
 続いて入ったホルトは部屋を見て「俺達の部屋と大きな違いはなさそうだな」と言った。
「幽霊が出ると言って期待したが、なんもなさそうだな」とソニエールは言った。
 その時だった。


 ピューー


「何の音だ?」とウォーカーは言った。
「さぁ……分かりません」
「風の音だな。どこか、この部屋に隙間風があるんだろう」
「なんだ、幽霊ってそれが原因か」
 ソニエールは呆れた様子で「もうこの部屋はいいだろ? 寒いだけだ」と言った。
「そうですね」とジークも同意した。
 どこか仕掛けのありそうな場所もなく、手掛かりと呼べるものはなかった。
「あの、モルダーさん。因みに被害者の胸に刺さっていた凶器なんですが、あれはホテルにある物ではないんですよね?」
「はい、その通りです。見たことはありません。このホテルの物でないことは確かです」
「ありがとうございます」
「それでジーク様、この後どうしましょうか?」
「あの、秘密の金庫探しの前に事件の方も進展させておきたいので、出来れば事件のあった部屋の両隣003号室と005号室の宿泊客から話を訊きたいのですが、可能でしょうか?」
「訊いてみます。少々お待ち下さい」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

道化たちの末路

希臘楽園
ファンタジー
母亡き後、継承権もない父と愛人母娘が公爵家を狙い始めた。でも私には王太子という切り札がいる。半年間、道化たちが踊るのを、私たちは静かに楽しんで見ていた。AIに書かせてみた第3弾。今回も3000文字程度のお気楽な作品です。

妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

木山楽斗
恋愛
公爵家の妾の子であるクラリアは、とある舞踏会にて二人の令嬢に詰められていた。 彼女達は、公爵家の汚点ともいえるクラリアのことを蔑み馬鹿にしていたのである。 公爵家の一員を侮辱するなど、本来であれば許されることではない。 しかし彼女達は、妾の子のことでムキになることはないと高を括っていた。 だが公爵家は彼女達に対して厳正なる抗議をしてきた。 二人が公爵家を侮辱したとして、糾弾したのである。 彼女達は何もわかっていなかったのだ。例え妾の子であろうとも、公爵家の一員であるクラリアを侮辱してただで済む訳がないということを。 ※HOTランキング1位、小説、恋愛24hポイントランキング1位(2024/10/04) 皆さまの応援のおかげです。誠にありがとうございます。

英雄の番が名乗るまで

長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。 大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。 ※小説家になろうにも投稿

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

婚約破棄ですか?あなたは誰に向かって口をきいているのですか!?

ゆきりん(安室 雪)
恋愛
私、マリアンヌ・バークレーは王宮の誕生日パーティーでいきなり婚約破棄を言い渡された。は!?婚約破棄ですか?あなたは誰ですの?誰にモノを言っているのですか?頭大丈夫ですか?

【完結】たぶん私本物の聖女じゃないと思うので王子もこの座もお任せしますね聖女様!

貝瀬汀
恋愛
ここ最近。教会に毎日のようにやってくる公爵令嬢に、いちゃもんをつけられて参っている聖女、フレイ・シャハレル。ついに彼女の我慢は限界に達し、それならばと一計を案じる……。ショートショート。※題名を少し変更いたしました。

別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが

まっど↑きみはる
ファンタジー
「我が宿敵!! あなたに、私の夫となる権利をあげるわ!!」 そう、王国騎士『マルクエン・クライス』は、敵対していた魔剣士の女『ラミッタ・ピラ』にプロポーズを受けのだ。

モブ転生とはこんなもの

詩森さよ(さよ吉)
恋愛
あたしはナナ。貧乏伯爵令嬢で転生者です。 乙女ゲームのプロローグで死んじゃうモブに転生したけど、奇跡的に助かったおかげで現在元気で幸せです。 今ゲームのラスト近くの婚約破棄の現場にいるんだけど、なんだか様子がおかしいの。 いったいどうしたらいいのかしら……。 現在筆者の時間的かつ体力的に感想などを受け付けない設定にしております。 どうぞよろしくお願いいたします。 他サイトでも公開しています。

処理中です...