探偵主人公

アズ

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6章 恐怖のラブレター

07 ジークの一手

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 とある場所。
 カーソン・パロットのもとに少佐が現れた。
「大佐、やはりカルメン市長は信用なりません」
「会いに行ったのか?」
「はい。あの女は博士と会った後に襲われています。危うく、博士と市長の関係が知られるところでした。大佐、やはり博士にあの女を会わせたのは間違いでした」
「いや、間違ったのはお前だ」
「え?」
「市長はお前があの場所に来たことが状況を悪くしたと判断したからだ。それでお前に引き返すようにさせた。その場には誰がいたんだ?」
「け、警察です。あと、探偵が」
「探偵……ジークという男か」
「はい」
「どちらにせよ、市長が犯人に狙われ続けられることは問題だ」
「対処します」
「あれを使え」
「まさか!」



 翌日。
 掲載された新聞にはこう書かれてあった。


 市長を狙う犯人へ逆に市長が挑発!?
「選挙に不正があるというならば、その証拠を死神と名乗る犯人は提示すべきだ。私は無実であり、これは言いがかりの他ならない。私は正々堂々と戦い選挙に勝利した。私の選挙の状況は皆が知っての通りだ。そこに不正が働いたというなら、それはどんな不正か説明すべきだ。そうでなければ、誰も死神の言葉に耳を傾けるべきではない。犯人は卑劣で姿を隠し、私の命をいつでもどこでも狙ってられるのだ。だが、忘れてはならないのは私刑はこの国では認められていない。法が裁き、殺人は犯罪である。犯罪に正義は絶対にない。どうか、皆さんはそんな犯罪者の言葉に耳を傾けないで欲しい。私はこんな茶番を終わらせるべく、私から犯人に挑戦を申しつける。予定は明後日の夜7時、記者を集め、その前で正体をまずは現し、その上で私にその不正とやらの証拠を提示すること。それが出来ないのなら、お前は嘘つきだ。言いたいことがあるなら、本人の目の前で言ったらどうだ。明後日の夜を楽しみにしている」
 果たして、犯人に向けた市長の呼びかけに犯人は応じるのか?
 この日の記事は15日だった。



 16日。
 新聞社に犯人から送りつけた内容をそのまま記事になっていた。
「卑怯な市長へ。民を欺けられると思い込んでいる市長。政治家が汚職することに慣れた我々の目はお前の言葉などむしろ傾けることはない。私をおびき出すのは私を捕らえることで、当然警察の協力がそちらについているのは明白。それを知っておきながら此方が出れないのをいいことに今度は嘘つき呼ばわりか。よっぽど焦っていると思われる。私はずっとお前を監視している。それが証拠だ。お前は何故撃たれた? どうやって撃たれた? お前を支持している人達はそのことを知っているのか? ああ、そうだ。市長、お前はよく秘密にする。隠し事の多い市長。バレないと思っている。だが、誰かがそれを暴こうとする者が現れ続ける限り、それはいずれ暴かれる。今のうち覚悟するといい。市長の申し出は断る。だが、私は嘘をついていない。一方的な市長の勝手なルールに此方が守る道理はない」
 この記事を読んだ市長、リッター刑事はジークの方を見た。
「あなたの狙い通りになったわね」と市長は言った。
「犯人は新聞社に不正が行われたとリークしようとした。しかし、証拠の提示までは行われなかった。徐々に明らかにするつもりだったのか? それともまだ証拠は掴めていないからか」
「聞き捨てならないわね。不正はないわよ」
「えぇ、そうでした。ともあれ、犯人は新聞を読んでいる。そうでなければ、自分が新聞社に送った内容が新聞になったかどうか確認出来ませんからね。ならばと思ったんです。うまくいって良かった。これで間接的な犯人とのコミュニケーションがとれました」
 新聞社を使ったまるで交換日記のようになってしまったが。
「それでジーク、次はどの手で行くんだ?」とリッター刑事が訊いてきた。
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