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 パンケーキと蜂蜜 2

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 二枚が一枚になったとき、慎重に運んでいたのだけれど、たっぷりとかかった蜂蜜の雫が、私のドレスにぽたりとおちた。

「……っ、あ、……ごめんなさいっ、折角のドレスなのに……汚してしまって」

 私はあわてて謝った。
 ドレスというのは高級品だ。
 ましてレーヴェ様が用意してくれたものなのだから、私が一生頑張って内職しても、購入できないほどの金額かもしれない。
 それなのに、蜂蜜で染みをつくってしまった。
 申し訳なくてうなだれる私を、レーヴェ様が背後から覗き込むようにする。

「ルーナ。気にしないで大丈夫。だって、これからもっと汚れるのだし」

「えっ……あ、あの……っ」

 レーヴェ様は私を抱きしめていた手を離すと、私のドレスの胸の部分にゆびをかけて、ぐいっと降ろした。
 肩紐のないドレスを着ていたせいで、それだけで私の胸は簡単に露わになってしまう。

「あ……っ」

 まだ、昼下がりで、空は明るい。
 それに、ここは外だ。侍女の方々だって、近くに控えている。
 それなのに、レーヴェ様の腕の中で、両胸をさらけ出してしまっている。
 外気にさらされて、薄桃色の乳首がつんと尖った。

「パンケーキもすごく美味しかったけれど、ルーナも美味しそう」

「っ、レーヴェ様、……ゃ、あ」

 レーヴェ様は大きな手のひらで、私の胸をこねるようにして揉みはじめる。
 
(これ、さっきの……)

 やっぱり、さっきの、誰も居ないのに気持ち良くなってしまったときの、触られている感覚と、それはそっくりだった。
 でも、こうしてきちんと、レーヴェ様の体温を感じながら、触って頂く方がずっと良い。

「っ、あ、ん……っ、だめ、レーヴェさま、お外、だから……っ」

「どうせ誰もいない。誰も見ていないし、誰にも聞こえないよ。ルーナ、風や、水の音が心地良いね。日の光を浴びて、ルーナの白い肌が輝いている。それに、ここも、薔薇園の薔薇よりもずっと可憐で、すごく可愛い」

 レーヴェ様は指先で私の薄く色づいている乳輪をつまむようにしたあと、指先で優しく辿った。

「っ、あ……っ、だめ、なの、……わたし、さっき気持ち良くなった、ばかりで……っ」

「すぐに気持ち良くなってしまう?」

「ぅん、……だめなのに、……胸、だめ、だめ……っ」

「さっきは、きちんとイけたのかな、ルーナ」

 私はレーヴェ様の腕の中で、ふるふると首を振った。

「まだ、なんだね。我慢させてしまって、ごめんね。物足りなくて、つらかったでしょう?」

「あっ、あぁ……っ」

 乳首をきゅっと摘ままれると、痛みに似た快楽が、背筋をぞくぞくと走った。
 見開いた瞳に、青い空や薔薇園や、まだ残っているパンケーキがうつる。

(駄目なのに、気持ち良い……っ)

「あっ、あぁ、ん、っ、ふぁ、あ……っ」

「ルーナは、ここが好きだね」

 指の腹で、乳首の先っぽを優しくくにくにと擦るようにされる。
 跳ねる体を、レーヴェ様が片手で支えてくれる。
 ドレスの下の太股に力が入って、私はレーヴェ様の私の胸に触れている方の手をきゅっと掴んだ。

「っ、も、いく、私、いっちゃう、レーヴェさまぁ……っ」

「良いよ。ほら、我慢しないで。ルーナ、たくさんしてあげるから。ルーナ、乳首でイくんだね。可愛いね。こんなに硬くして。触っただけなのにね。イけ、ルーナ」

「っ、は、あっ、あああっ、ぃく、れ、べ、さま、いく、あ、あっ……っ」

 指の腹で乳首をしごかれて、私は背筋をそらせた。
 気持ち良い。
 さっき――中途半端に高められた体が、もっともっとと、快楽を欲している。
 私は子猫の鳴き声みたいな声をあげながら、一度目の絶頂を迎えた。
 これで終わりじゃないことぐらいもう分かっていたし――いつの間にか、少し期待している自分に気づいていた。

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