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レナード・シモンと媚薬 3
しおりを挟むとろとろした液体が胸の曲線から滴り落ちて、腹部に溜まる。
レナードはそれを掬うように指に絡めると、私の両胸をやんわりと優しく揉みはじめる。
「ん、あ……っ」
胸の膨らみの付け根をなぞるようにされて、私は思わず声を漏らした。
それから青ざめて、唇をきつく結ぶ。
「姉さん、可愛い声ですね。もっと、聞かせてください」
「だめ、レナード、お願い、離して……」
「ずっと、こうしたかった。柔らかいですね、姉さん。僕の指が、埋まってしまうぐらいに」
脇腹に、レナードの唇が落ちる。
胸を持ち上げるようにされながら、あらわになった浮き出した肋骨を包む薄い皮膚を、慈しむように舌が撫でた。
「ゃ、ん……っ、だめなの、レナード……っ、姉弟なのに……」
「それは、ちがうと……いや、その方がいいのかな。そうですね、姉さん。弟にこんなことをされて、よがるなんて、罪深いですね」
じゅ、と、強く胸の付け根を吸われて、唇で喰まれる。
薄い皮膚が粟立ち、ぞわぞわが体に広がっていく。
おかしいぐらいに、体が熱い。
体の裏側が燃え上がるようで、苦しい。
「ゃ、ああっ、ぁ、あ……」
「姉さん、可憐な声だ。いつも気高いあなたがそのような淫らな声を出して、美しい顔を快楽に歪めている姿を、どれほど夢に見たことか」
「夢、だわ。これは、夢」
「あなたがそう思いたいのならそれでもいいですが、これでも、夢だと言い張れますか?」
レナードの手が、私の胸を包み込むようにする。
強めに揉みしだくようにされて、私は大きく体を震わせた。
胸を触られているだけなのに、夢の中でワイアット様に陰核をしつこく攻められ続けた時と同じような快楽が、皮膚の上をはしりまわる。
お腹の奥がきゅんきゅんと疼き、じっとしていることができずに、私は両足をじたじたさせた。
勝手に浮いてしまう腰が、シーツを蹴ってしまう足が、恥ずかしい。
「っ、あ、あ、やだぁ……っ、レナード、駄目、こんなの……」
拒絶の言葉は聞き入れられず、レナードは私の胸の突起を指先で弾くようにする。
ぴんぴんと、やや強めに弾かれると、桃色の突起が濃く色づいて、尖ってきてしまう。
「あ、あっ、やぁ……っ、れな、ど……っ、むね、だめ……」
「駄目? 気持ち良いですよね、姉さん。もっと気持ち良くなりましょうね。自ら腰を揺らして僕を欲しがるぐらいに、たくさんしてあげますからね」
語尾に喜色を滲ませて、レナードは歌うように言う。
硬い指先が乳首の周囲をくるりと撫でて、尖った舌先がちろちろと赤く色づいた頂を舐る。
「あっ、ゃ、ああっ、ん、んぅう……っ」
駄目なのに。
苦しいぐらいの気持ちよさが、体の中を暴れ回って、私は甘い声をあげることしかできない。
体を洗ったときに自分の胸を触ったことはあるけれど、何も感じなかったのに。
先端を優しく舐られているだけで、すぐに達してしまうぐらいに気持ちいい。
「あ、ああっ、れな、どぉ……っ、だめ、やだぁ……」
「気持ちいいですよね、姉さん」
「怖いの、こわい、やだ……っ」
「怖くないですよ。ふふ、可愛いなぁ。なんて、愛らしいんだろう。こんなに乳首を腫らして、大きく膨らませて。可愛い」
「ゃあああっ、あっ、つよいの、だめ……っ」
指先が私の胸の突起を挟み、ドアノブを捻るようにしてこりこりとしごく。
ぬるりとした熱い舌がもう片方を包み込むようにして、舐り、じゅううと吸い上げた。
「いっ、あああっ、いく、いく、れなあど、だめ……わたし、おねえさん、なのに……っ」
「そうですね、姉さん。弟に胸を吸われて、はしたない場所を愛液でびしょびしょに濡らして、可愛いですね」
「あぅ、ううっ、やだ、ぃ、く、いく、いっちゃ……や、ああああっ」
じゅるじゅると吸われて、強く舌先で押し込むようにされる。
同時にきゅっと抓るようにされると、ひりつくような痛みと共に体がばらばらになるような快楽で脳が焼け付いた。
もうどうしようもなくて、私は目を見開いて涙をこぼしながら、がくがくと腰を揺らした。
まるで、レナードの体に擦り付けるようにして。
「ごめんなさい、れな、ど……っ、こんな……」
「大丈夫ですよ、姉さんはいい子です。いつも、いい子」
「いい子……?」
「はい。僕の姉さんは、いつもいい子ですね。上手にいけて偉いですよ。もっと頑張って気持ち良くなりましょうね。そうしたらもっと、褒めてあげますよ」
思えば私は、誰かに褒めてもらったことなんて一度もなかった。
ワイアット様は確かに私を心配してくれて、「無理はするな」と優しく声をかけてくれたけれど。
貴族学園に入る前はお会いすることなんて、本当に少なくて。
入学してからは、アイリーン様とずっと一緒にいることになって、言葉を交わすことも少なかった。
だから、優しくレナードに褒められて、瞳が潤んでしまう。
レナードは、弟なのに。
そして、これは私の夢なのに。
家族に褒められたいって、心の底では望んでいたの?
だからこんな、酷い願望の詰まった夢を、見ているのだろうか。
「れなーど、本当……?」
なんだか、頭が働かない。
小さな子供に戻ってしまったみたいに、辿々しく尋ねる。
レナードは慈愛に満ちた微笑みを浮かべて、私の目尻を撫でる。
滲んだ涙を舐め取って、目尻に口付けた。
「ええ、本当です」
「うん……」
「ほら、もっと乳首をぐりぐりしてあげますからね」
「ま、まって、まだ、だめだから……っ」
一瞬、心が喜びに満たされたような気がしたけれど。
レナードは優しく微笑みながら、私の赤く腫れた胸の頂を、両手で押しつぶすように触れる。
「きもち、い……いいの……っ、でも、だめ、またいっちゃう、私、こんなの駄目なのに……っ」
「いっていいですよ、姉さん」
「やだぁ、だめ、だめ、きちゃう、きちゃう、から……っ」
「姉さん。リュミ。ほら……イけ」
穏やかな口調が、冷酷な命令口調に変わる。
色香のある声音が鼓膜を揺らし、私の頭の中にチカチカと星が散った。
「あ、あぁああ……っ、ん、ん……もお、だめ……っ、きもちいの、終わらな……っ」
高いところまで強引に引き上げられるようにして達したのに、体の中の快楽は未だに暴れ回っている。
長い指が腰骨を撫でて、足の付け根をゆっくりと辿る。
身につけている下着は、剥き出しの胸と同じく、ショーツのクロッチの部分には布がなく、ぱかりと開いている。
下着の割れ目に指を這わして、ぬかるんだ、秘所を上下に揺らすようにしてしごかれる。
あとからあとから、蜜が滴り、じゅくじゅくとはしたない音をたてた。
「れな、ど、そこ、だめ……っ、触ったら、いけないの……っ、もう、お願い……」
「お願い、舐めて?」
「違う、違うから……っ、やだ、だめぇ……っ、わいあっとさまにも、された、のに……っ」
「……殿下に、体を開いたというのですか、姉さん」
レナードの声に、冷たい怒りが滲んだ。
私は身を竦ませながら、首を振る。
はらはらと、目尻にたまった涙がこぼれた。
「違うの、夢で見て……っ、これも、夢だわ……おねがい、さめて……っ」
「僕の方が姉さんを気持ち良くできます。夢、か。それでも構わない。リュミ、あなたは僕のものだ」
指先が、ぴんっと、遠慮がちに顔を出している陰核を弾く。
ワイアット様にされたときのことを思いだして、私は悲鳴じみた声をあげた。
レナードは再び小瓶を手にして、とろりと私の秘所に、液体を垂らした。
あつい。じんじんして、くるしい。
「姉さん、孕むまで、頑張りましょうね。僕の子をたくさん産んでくださいね」
「ゃ、ああっ、あ、あああ……っ、もお、だめ、だめ、たすけて……っ」
レナードの唇が私のはしたない場所に触れる。
ねっとりと舐られて、私はじたじたと暴れた。
気持ち良い。でも、気持ち良すぎて、つらい。
意識が濁って、このまま気を失ってしまいそうなのに、強すぎる快楽のせいで引き戻されることを繰り返している。
「いく、こわれちゃ……っ、いくの、また……っ、いくぅ……っ」
ぐすぐす泣きながら悲鳴を上げて、何度目かの絶頂を迎えた。
意識が、白く濁っていく。
濁る意識の向こう側で『お前の記憶にいる人間たちは、ろくでなしが多いな』という声が聞こえたような気がした。
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