初恋の王子様が奪われてしまったので、庭付き風呂付き怪異つき古びた館に引っ越しました

束原ミヤコ

文字の大きさ
10 / 46

レナード・シモンと媚薬 3

しおりを挟む

 とろとろした液体が胸の曲線から滴り落ちて、腹部に溜まる。
 レナードはそれを掬うように指に絡めると、私の両胸をやんわりと優しく揉みはじめる。

「ん、あ……っ」

 胸の膨らみの付け根をなぞるようにされて、私は思わず声を漏らした。
 それから青ざめて、唇をきつく結ぶ。

「姉さん、可愛い声ですね。もっと、聞かせてください」

「だめ、レナード、お願い、離して……」

「ずっと、こうしたかった。柔らかいですね、姉さん。僕の指が、埋まってしまうぐらいに」

 脇腹に、レナードの唇が落ちる。
 胸を持ち上げるようにされながら、あらわになった浮き出した肋骨を包む薄い皮膚を、慈しむように舌が撫でた。

「ゃ、ん……っ、だめなの、レナード……っ、姉弟なのに……」

「それは、ちがうと……いや、その方がいいのかな。そうですね、姉さん。弟にこんなことをされて、よがるなんて、罪深いですね」

 じゅ、と、強く胸の付け根を吸われて、唇で喰まれる。
 薄い皮膚が粟立ち、ぞわぞわが体に広がっていく。

 おかしいぐらいに、体が熱い。
 体の裏側が燃え上がるようで、苦しい。

「ゃ、ああっ、ぁ、あ……」

「姉さん、可憐な声だ。いつも気高いあなたがそのような淫らな声を出して、美しい顔を快楽に歪めている姿を、どれほど夢に見たことか」

「夢、だわ。これは、夢」

「あなたがそう思いたいのならそれでもいいですが、これでも、夢だと言い張れますか?」

 レナードの手が、私の胸を包み込むようにする。
 強めに揉みしだくようにされて、私は大きく体を震わせた。
 胸を触られているだけなのに、夢の中でワイアット様に陰核をしつこく攻められ続けた時と同じような快楽が、皮膚の上をはしりまわる。

 お腹の奥がきゅんきゅんと疼き、じっとしていることができずに、私は両足をじたじたさせた。
 勝手に浮いてしまう腰が、シーツを蹴ってしまう足が、恥ずかしい。

「っ、あ、あ、やだぁ……っ、レナード、駄目、こんなの……」

 拒絶の言葉は聞き入れられず、レナードは私の胸の突起を指先で弾くようにする。
 ぴんぴんと、やや強めに弾かれると、桃色の突起が濃く色づいて、尖ってきてしまう。
 
「あ、あっ、やぁ……っ、れな、ど……っ、むね、だめ……」

「駄目? 気持ち良いですよね、姉さん。もっと気持ち良くなりましょうね。自ら腰を揺らして僕を欲しがるぐらいに、たくさんしてあげますからね」

 語尾に喜色を滲ませて、レナードは歌うように言う。
 硬い指先が乳首の周囲をくるりと撫でて、尖った舌先がちろちろと赤く色づいた頂を舐る。

「あっ、ゃ、ああっ、ん、んぅう……っ」

 駄目なのに。
 苦しいぐらいの気持ちよさが、体の中を暴れ回って、私は甘い声をあげることしかできない。
 体を洗ったときに自分の胸を触ったことはあるけれど、何も感じなかったのに。

 先端を優しく舐られているだけで、すぐに達してしまうぐらいに気持ちいい。

「あ、ああっ、れな、どぉ……っ、だめ、やだぁ……」

「気持ちいいですよね、姉さん」

「怖いの、こわい、やだ……っ」

「怖くないですよ。ふふ、可愛いなぁ。なんて、愛らしいんだろう。こんなに乳首を腫らして、大きく膨らませて。可愛い」

「ゃあああっ、あっ、つよいの、だめ……っ」

 指先が私の胸の突起を挟み、ドアノブを捻るようにしてこりこりとしごく。
 ぬるりとした熱い舌がもう片方を包み込むようにして、舐り、じゅううと吸い上げた。

「いっ、あああっ、いく、いく、れなあど、だめ……わたし、おねえさん、なのに……っ」

「そうですね、姉さん。弟に胸を吸われて、はしたない場所を愛液でびしょびしょに濡らして、可愛いですね」

「あぅ、ううっ、やだ、ぃ、く、いく、いっちゃ……や、ああああっ」

 じゅるじゅると吸われて、強く舌先で押し込むようにされる。
 同時にきゅっと抓るようにされると、ひりつくような痛みと共に体がばらばらになるような快楽で脳が焼け付いた。
 もうどうしようもなくて、私は目を見開いて涙をこぼしながら、がくがくと腰を揺らした。
 まるで、レナードの体に擦り付けるようにして。

「ごめんなさい、れな、ど……っ、こんな……」

「大丈夫ですよ、姉さんはいい子です。いつも、いい子」

「いい子……?」

「はい。僕の姉さんは、いつもいい子ですね。上手にいけて偉いですよ。もっと頑張って気持ち良くなりましょうね。そうしたらもっと、褒めてあげますよ」

 思えば私は、誰かに褒めてもらったことなんて一度もなかった。
 ワイアット様は確かに私を心配してくれて、「無理はするな」と優しく声をかけてくれたけれど。
 貴族学園に入る前はお会いすることなんて、本当に少なくて。
 入学してからは、アイリーン様とずっと一緒にいることになって、言葉を交わすことも少なかった。
 
 だから、優しくレナードに褒められて、瞳が潤んでしまう。
 レナードは、弟なのに。
 そして、これは私の夢なのに。

 家族に褒められたいって、心の底では望んでいたの?
 だからこんな、酷い願望の詰まった夢を、見ているのだろうか。

「れなーど、本当……?」

 なんだか、頭が働かない。
 小さな子供に戻ってしまったみたいに、辿々しく尋ねる。
 レナードは慈愛に満ちた微笑みを浮かべて、私の目尻を撫でる。
 滲んだ涙を舐め取って、目尻に口付けた。

「ええ、本当です」

「うん……」

「ほら、もっと乳首をぐりぐりしてあげますからね」

「ま、まって、まだ、だめだから……っ」

 一瞬、心が喜びに満たされたような気がしたけれど。
 レナードは優しく微笑みながら、私の赤く腫れた胸の頂を、両手で押しつぶすように触れる。

「きもち、い……いいの……っ、でも、だめ、またいっちゃう、私、こんなの駄目なのに……っ」

「いっていいですよ、姉さん」

「やだぁ、だめ、だめ、きちゃう、きちゃう、から……っ」

「姉さん。リュミ。ほら……イけ」

 穏やかな口調が、冷酷な命令口調に変わる。
 色香のある声音が鼓膜を揺らし、私の頭の中にチカチカと星が散った。

「あ、あぁああ……っ、ん、ん……もお、だめ……っ、きもちいの、終わらな……っ」

 高いところまで強引に引き上げられるようにして達したのに、体の中の快楽は未だに暴れ回っている。
 長い指が腰骨を撫でて、足の付け根をゆっくりと辿る。
 身につけている下着は、剥き出しの胸と同じく、ショーツのクロッチの部分には布がなく、ぱかりと開いている。

 下着の割れ目に指を這わして、ぬかるんだ、秘所を上下に揺らすようにしてしごかれる。
 あとからあとから、蜜が滴り、じゅくじゅくとはしたない音をたてた。

「れな、ど、そこ、だめ……っ、触ったら、いけないの……っ、もう、お願い……」

「お願い、舐めて?」

「違う、違うから……っ、やだ、だめぇ……っ、わいあっとさまにも、された、のに……っ」

「……殿下に、体を開いたというのですか、姉さん」

 レナードの声に、冷たい怒りが滲んだ。
 私は身を竦ませながら、首を振る。
 はらはらと、目尻にたまった涙がこぼれた。

「違うの、夢で見て……っ、これも、夢だわ……おねがい、さめて……っ」

「僕の方が姉さんを気持ち良くできます。夢、か。それでも構わない。リュミ、あなたは僕のものだ」

 指先が、ぴんっと、遠慮がちに顔を出している陰核を弾く。
 ワイアット様にされたときのことを思いだして、私は悲鳴じみた声をあげた。
 
 レナードは再び小瓶を手にして、とろりと私の秘所に、液体を垂らした。
 あつい。じんじんして、くるしい。

「姉さん、孕むまで、頑張りましょうね。僕の子をたくさん産んでくださいね」

「ゃ、ああっ、あ、あああ……っ、もお、だめ、だめ、たすけて……っ」

 レナードの唇が私のはしたない場所に触れる。
 ねっとりと舐られて、私はじたじたと暴れた。
 気持ち良い。でも、気持ち良すぎて、つらい。
 
 意識が濁って、このまま気を失ってしまいそうなのに、強すぎる快楽のせいで引き戻されることを繰り返している。

「いく、こわれちゃ……っ、いくの、また……っ、いくぅ……っ」

 ぐすぐす泣きながら悲鳴を上げて、何度目かの絶頂を迎えた。
 意識が、白く濁っていく。

 濁る意識の向こう側で『お前の記憶にいる人間たちは、ろくでなしが多いな』という声が聞こえたような気がした。

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

婚約破棄で悪役令嬢を辞めたので、今日から素で生きます。

黒猫かの
恋愛
「エリー・オルブライト! 貴様との婚約を破棄する!」 豪華絢爛な夜会で、ウィルフレッド王子から突きつけられた非情な宣告。 しかし、公爵令嬢エリーの心境は……「よっしゃあ! やっと喋れるわ!!」だった。

〈完結〉【書籍化&コミカライズ】悪妃は余暇を楽しむ

ごろごろみかん。
恋愛
「こちら、離縁届です。私と、離縁してくださいませ、陛下」 ある日、悪妃と名高いクレメンティーナが夫に渡したのは、離縁届だった。彼女はにっこりと笑って言う。 「先日、あなた方の真実の愛を拝見させていただきまして……有難いことに目が覚めましたわ。ですので、王妃、やめさせていただこうかと」 何せ、あれだけ見せつけてくれたのである。ショックついでに前世の記憶を取り戻して、千年の恋も瞬間冷凍された。 都合のいい女は本日で卒業。 今後は、余暇を楽しむとしましょう。 吹っ切れた悪妃は身辺整理を終えると早々に城を出て行ってしまった。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、孤独な陛下を癒したら、執着されて離してくれません!

花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」 婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。 追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。 しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。 夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。 けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。 「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」 フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。 しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!? 「離縁する気か?  許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」 凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。 孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス! ※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。 【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】

《完結》「パパはいますか?」ある日、夫に似た子供が訪ねて来た。

ヴァンドール
恋愛
嫁いですぐに夫は戦地に赴いた。すると突然一人の男の子が訪ねて来た「パパはいますか?」 その子供の顔は戦地に行った夫にそっくりだった。

【完結】愛を知らない伯爵令嬢は執着激重王太子の愛を一身に受ける。

扇 レンナ
恋愛
スパダリ系執着王太子×愛を知らない純情令嬢――婚約破棄から始まる、極上の恋 伯爵令嬢テレジアは小さな頃から両親に《次期公爵閣下の婚約者》という価値しか見出してもらえなかった。 それでもその利用価値に縋っていたテレジアだが、努力も虚しく婚約破棄を突きつけられる。 途方に暮れるテレジアを助けたのは、留学中だったはずの王太子ラインヴァルト。彼は何故かテレジアに「好きだ」と告げて、熱烈に愛してくれる。 その真意が、テレジアにはわからなくて……。 *hotランキング 最高68位ありがとうございます♡ ▼掲載先→ベリーズカフェ、エブリスタ、アルファポリス

実は家事万能な伯爵令嬢、婚約破棄されても全く問題ありません ~追放された先で洗濯した男は、伝説の天使様でした~

空色蜻蛉
恋愛
「令嬢であるお前は、身の周りのことは従者なしに何もできまい」 氷薔薇姫の異名で知られるネーヴェは、王子に婚約破棄され、辺境の地モンタルチーノに追放された。 「私が何も出来ない箱入り娘だと、勘違いしているのね。私から見れば、聖女様の方がよっぽど箱入りだけど」 ネーヴェは自分で屋敷を掃除したり美味しい料理を作ったり、自由な生活を満喫する。 成り行きで、葡萄畑作りで泥だらけになっている男と仲良くなるが、実は彼の正体は伝説の・・であった。

処理中です...