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おまけ6

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「ねぇ、アル~ぅ?どっちに似た赤ちゃんが欲しい?」
「……妊娠したのか?」

 真顔で詰め寄るアル、イケメンッ!
 やだ、無意識にウホッって言ってる!
 ワイルドぉ~!

「やだ、アル~。女の子の日終わったばかりだし、そんなわけないよ~!そりゃ、いつでもいいけどね?アルに似た男の子だったら、ものすごーく、カッコいいと思うし!」
「……そうでもないだろ」

 アルは謙虚だなぁ。
 そこも、大っ好き。

「アルに似た女の子だったら…………超絶カッコいい男前な女の子になっちゃって、女の子にモテモテで困っちゃうだろうな~」
「……お前が性別関係なく子どもを可愛がるだろうことがわかって、嬉しいよ」
「アルとの子だよ~!めっちゃくっちゃ、可愛くてたまらないと思う~‼︎ ワタシに似ても大丈夫?」
「……俺はその方が、いいけどな」

 モゴモゴ言うアルの言葉にワタシの心がポカポカする。

「それって…………ワタシのことが好きだから?……ワタシに似ても可愛がってくれる?」
「…………当たり前だろ」

 キュン。
 なかなか好きって言ってくれないアルだから、一言がすごく心に響く。
 ワタシって、幸せ。
 
「お前は番だからな」

 照れ隠しに素っ気なく言う。

「あのね。本で読んだんだけど……番ってね、ものすごーい確率の、最高の相性でね。お互いを幸せにできて高める相性なんだって。……だからね、ワタシみたいに、出会った時は不遇の人生でも、番のアルに引き上げてもらえてものすごーく幸せになってるし、もし、攻撃的な性格とか問題ある人格でも番に出会うとそれなりに更生して相手にふさわしくなるらしいの。そんなかけがえのない相手で、特別な関係を表しているってことだから、今アルがワタシを番だと言ってくれるのがとても嬉しい」

 口に出したら、ますます実感してアルのことが大好きだって思う。

「アル、大好き。出会えてよかった。あのね……」
「もう、黙れよ」

 アルの片腕に持ち上げられて、ワタシはそのまま寝室へ連れて行かれる。

「アル?……そんなにできるの?」

 だって、さっきまで二人でベッドにいたんだよ?

「煽るな。この部屋から出られなくなるぞ」

 そう言ってベッドに倒れ込み、噛みつくようなキスを仕掛けてくる。

「アルっ、ん~っ……っあ……」

 ぬぷりと遠慮なく陰茎が滑り込む。

「まだ、やわらけぇな」
「さっきまで、シてたからっ……アル、硬いぃ~」

 ワタシのカラダは喜んでアルを締めつける。
 もっと近づこうと、大好きな番の腰に脚を絡めた。
 
「ぅ、動けねぇだろ……そんなに締めるとイっちまう、ホぅ……」
「いいよっ、アルの感じたいっ」
「……お前のせいで、覚えたての、サルに、なった気がする」

 サルじゃなくて、ゴリラだよって思うのだけど、口にする前に揺さぶられてそれどころじゃない。

「あっ、あっ、アルぅ、いいっ、好きっ.…」
「……ったく……可愛すぎる。……やめらんねぇ…………ゥホ、ゥホっ」

 完全にウホウホ言ってるのに!
 アルに教えてあげたいのに!
 可愛すぎるとかやめらんねぇとか言われてワタシはますます舞い上がる。

「好きっ、アルっ、もっと、(可愛いって、ウホウホ)言って!」
「……そんなに何度もイけねぇ、よッ……」
「ああぁぁーーっっ!……アルっ、(ウホウホ)言ってよぉ……」
「早くイって欲しがるなんて、キャットくらいだっ…ゥーホ、ゥホ」
「アルっ、イイッ!すごくイイのっ……!」
「……ウッホー!」

 アルがワタシの中で果てるのを感じて、ギュッと抱きつく。

「アル、大好き……言ってくれてありがとう」
「……そんなの、礼を言われることじゃねぇ」
「でも、ワタシは嬉しい」
「そうかよ……こんなことで……あんまり可愛い事言うな。いつまで経ってもおさまらねぇからよ」
 
 しばらくアルのカラダの上に乗せられて背中を撫でられていたけど、横抱きでお風呂に連れて行ってもらった。
 歩けるけど、宝物みたいにそっと優しく運んでくれる、そんなアルをますます好きにならないわけがない!

「……大切な番なんだから、これくらい当たり前だろ」

 キュン。
 しかも、しかも、しかも!
 頭のてっぺんから足の爪先まで丁寧に洗ってくれた!
 さすがにもう一回ってことにはならなかったけど、ワタシ専用にふわふわなタオルを用意してくれて、包み込んだ。

「……お前の柔らかい肌が、傷ついたら悲しいだろ」

 ワタシはそんな繊細なカラダじゃないけど、やっぱりアルは愛情豊かなゴリラ獣人だ!
 でも、ルーツを伝えたら繊細なゴリラ獣人は傷つくかもしれない。
 ワタシはゴリラを大好きだけど、アルは人間だってずっと信じて生きてきたからね。
 どんな反応が返ってくるかわからない。

「アル、どんなアルでも、ワタシは大好きだよ」

 首を傾げるアルだけど、わからなくてもいいの。
 ワタシがアルのこと、わかっているから!

「……よくわからんが、俺もお前のすべてを受け入れるよ」

 あーもー! 大好き‼︎
 ワタシだって、丸ごとアルを受け入れてるんだからっ!
 
 





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 お読みいただきありがとうございます。
 

 
 
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