すれ違わない二人の結婚生活

能登原あめ

文字の大きさ
8 / 44
領地で新婚生活編

6 蜜月ったら蜜月 1 *

しおりを挟む


 ジェイコブのいた間、アンジーは恥ずかしいからそういうことはなしね、ってキスして抱きしめ合って眠っただけで。

 僕の俺はそろそろ限界。
 いや、もう、限界。






 閨事指南書『夜の本』を、アンジーと一緒に読む……のは刺激が強すぎた。

 いや、一回ね?
 僕の俺の取り扱い方の頁を一緒に読んだんだけど。

 アンジーがこれを?
 アンジーにこんなことしてもらえるの?

 過去読んだ時より現実的に想像できて、隣に座るアンジーの横でそわそわしてしょうがなかった。

『……恥ずかしいけど試してみるね?』

 そのページを読み終えた後、アンジーがそっと僕の俺を握った。
 
『ヴァル様……温かい。どう、かな……?』

 ちょっとぎこちない手の動きも、首をかしげて僕を見上げてくる顔も愛しくてたまらない。

『アンジー、気持ちいいよ……』

 僕だって、僕の俺だってだんだん我慢できるようになってきたんだ。
 暗記した夜の本。
 アンジーの体調が悪い時以外は、毎晩のように実践を重ねて経験を積んで。

『じゃあ、続けて試してみるね……』

 そう言って、僕の俺にキスをした。
 視覚的にもこれはクる。
 僕の漏らした声に顔を上げたアンジーが、嬉しそうに笑って小さな舌でペロリと舐めた。

 これはまずい。
 もちそうもない。
 だけど、せっかくの好意を……あれ? 行為かな? 行為がすぐに終わってしまうのは嫌だ。
 脚にも力が入るし、思わずシーツを握りしめる。

『ヴァル、大好き……』

 アンジーが僕の俺にいっぱいキスして、いつの間にかベタベタでぬるぬるして、小さな口に僕の俺が……。

 あ……。温かい。
 ちゅって吸われて舌が動いた。

『……っ!』

 我慢できずにアンジーの口の中に吐き出してしまった!

『ごめんっ! 出して! 吐いていいよ』
『…………ん』

 コクリとアンジーの喉が動く。

『アンジー……飲んじゃったの?』
『…………ん。だって、そう書いてあったから」

 そうだ、アンジーは真面目で努力家だった‼︎

『嬉しいけど! アンジーが嫌なことはして欲しくないんだ……』

 彼女を引っ張り上げて膝の上に乗せ、ぎゅっと抱きしめた。

『嫌じゃないよ……ヴァルに喜んで欲しかったの……』
『アンジー! 大好き!今度は僕にお礼させて』
『うん……』

 ベッドの横の水差しからたっぷり水を口に含み、彼女に飲ませる。

『んっ。……ヴァルっ……あっ……ふ……』

 かわいい。
 アンジーの匂いに変わるまで何度も水を飲ませては舌を絡める。
 だめ?
 だって、かわいいんだもん。

 それからくったりと僕に身を預けるアンジーをたっぷり堪能したんだ。
 




 
 思い出すだけでまずい。
 今夜。
 僕は。
 いや、僕と僕の俺はアンジーを喰らい尽くす!
 なんちゃって。
しおりを挟む
感想 195

あなたにおすすめの小説

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

【完結】婚約破棄はお受けいたしましょう~踏みにじられた恋を抱えて

ゆうぎり
恋愛
「この子がクラーラの婚約者になるんだよ」 お父様に連れられたお茶会で私は一つ年上のナディオ様に恋をした。 綺麗なお顔のナディオ様。優しく笑うナディオ様。 今はもう、私に微笑みかける事はありません。 貴方の笑顔は別の方のもの。 私には忌々しげな顔で、視線を向けても貰えません。 私は厭われ者の婚約者。社交界では評判ですよね。 ねぇナディオ様、恋は花と同じだと思いませんか? ―――水をやらなければ枯れてしまうのですよ。 ※ゆるゆる設定です。 ※名前変更しました。元「踏みにじられた恋ならば、婚約破棄はお受けいたしましょう」 ※多分誰かの視点から見たらハッピーエンド

皇太子夫妻の歪んだ結婚 

夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。 その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。 本編完結してます。 番外編を更新中です。

お飾りの侯爵夫人

悠木矢彩
恋愛
今宵もあの方は帰ってきてくださらない… フリーアイコン あままつ様のを使用させて頂いています。

醜女の私と政略結婚した旦那様の様子がおかしい

サトウミ
恋愛
この国一番の醜女である私と結婚したイバン様。眉目秀麗で数多の女性と浮き名を流した彼は、不祥事を起こしたせいで私なんかと結婚することになってしまった。それでも真面目な彼は、必死に私を愛そうと努力してくださる。 ──無駄な努力だ。 こんな色白で目と胸の大きい女を、愛せるはずがない。

思い出さなければ良かったのに

田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。 大事なことを忘れたまま。 *本編完結済。不定期で番外編を更新中です。

短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜

美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

処理中です...