すれ違わない二人の結婚生活

能登原あめ

文字の大きさ
15 / 44
領地で新婚生活編

13 理想の部屋がここに 2 *

しおりを挟む


 かわいい。
 僕が触れると、アンジーが震える。
 口づけすると、甘いため息をつく。

 愛おしい。
 僕のものだって、隅々に印をつけたくなるんだ。
 王都では晩餐会や茶会なんかがあったからずっと遠慮していたけど。

「僕のものだって、印をつけていい?」
「……しるし? どうやって?」

 アンジーの目を見ながら、彼女の手首の内側に強く吸いつく。

「っ……!」

 ほんの少しだけぴくんと震えたけれど、アンジーは僕にされるがままで、僕を見つめる。
 赤く色づいているのを見て、確実に痕を残そうと何度も吸いついてから口を離した。

「……これ?」

 戸惑った顔をしたアンジーだけど、小さな声で言う。

「なんだか、嬉しいかも……これを見ると、私はヴァルのものなんだって思えるもの」

 どうしよう。
 そんなにかわいいこと言われたら、止まれなくなりそう。

「でも……ここだと、見えてしまうかも……」
「みんな、虫刺されだと思うよ」
「そう、かな……?」
「あとはドレスから見えないところにつけてもいい?」
「……うん……いいよ。……私もヴァルにつけてみたい」

 アンジーが僕に?
 
「いいよ……僕はアンジーのものだから」
「……どこにつけたらいいの?」

 僕の胸に触れながら、戸惑う彼女に口づける。

「心臓の上、とか? 僕は、アンジーのために生きているから」
「私だってヴァルのために生きてる」

 アンジーが胸の上に口づけてから、吸いついた。

「……もっと強く吸ってみて」

 ちくんとわずかな痛みが走り、赤く色づいた。 
 それを満足そうにみて、にっこり笑うから僕はもう我慢できなくなって彼女の全身に唇を這わせる。

「かわいい。僕のアンジー。……ずっと、ずっと、大切にする」

 全部かわいい。
 全部すき。
 アンジーの嫌いなところは、いまだに見つからない。
 わざわざ探す気にもならないけれど。

「……っ、……んっ、……ヴァルっ、すきっ……」

 うつ伏せになったアンジーの背中にいくつも印をつけながら、そっと彼女の腰を持ち上げる。

「ヴァル……?」
「ん……? アンジー、愛してる……」

 甘くとろけた彼女の脚の間に指を差し込み僕を待ちきれないと、腰が揺れるのを待ってから僕の俺を蜜口に押し当てた。

「……っ、あっ……!」

 ゆっくりと腰を進めて彼女と身体が重なる。
 吐き出したい欲求に耐え、ふくらみに手を添えたり、二人のつながりに手を這わせたりして、なんとか気をそらした。
 そうして穏やかに揺するうちに、アンジーの身体が絶頂を迎えた。

 ちょっと、浅いからかな?
 この体位なら耐えられるはずだ、僕の俺。
 それから再び彼女を揺さぶる。
 
 緩急、緩急ね。
 深く、浅く、浅く。深く、浅く、浅く。
 ズン、チャッチャ、ズン、チャッチャ。

 三拍子⁉︎
 ワルツ? いや、ワルツのリズムで愛を伝えるのは、ダンスホールだけだ!

 もっと、自由に‼︎ 
 いつもとは違う僕の動きに戸惑ったような声が上がる。

「ヴァル? え……? あぁっ……もう、ダメっ……からだ……へん、だからぁ……あぁっっ……!」

 僕の天使がいつも以上に乱れる。
 どうしよう、もっと知りたい。
 なぜだろう、いじめたくなってきた。
 かわいすぎて、たまらない。

「もう、ちょっと、だけっ……みたことの、ない、アンジーを、みせてっ……」

 思い切り揺さぶって、もう一度彼女を絶頂に押し上げ、吐精した。
 それからぎゅっと抱きしめ荒く息を吐く。

 こういうことか。
 夜の本の真髄とは。
 僕の俺、かんばった、がんばったよ!

「……ヴァルの、いじわるっ……」
「ごめん、アンジーがかわいすぎて、我慢できなかった……」
「……うん……」

 僕の胸に、顔をぴったり押しつけて小さく息を吐くアンジーがたまらなく愛しい。
 やっぱり、経験を積むって大事!
しおりを挟む
感想 195

あなたにおすすめの小説

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

【完結】婚約破棄はお受けいたしましょう~踏みにじられた恋を抱えて

ゆうぎり
恋愛
「この子がクラーラの婚約者になるんだよ」 お父様に連れられたお茶会で私は一つ年上のナディオ様に恋をした。 綺麗なお顔のナディオ様。優しく笑うナディオ様。 今はもう、私に微笑みかける事はありません。 貴方の笑顔は別の方のもの。 私には忌々しげな顔で、視線を向けても貰えません。 私は厭われ者の婚約者。社交界では評判ですよね。 ねぇナディオ様、恋は花と同じだと思いませんか? ―――水をやらなければ枯れてしまうのですよ。 ※ゆるゆる設定です。 ※名前変更しました。元「踏みにじられた恋ならば、婚約破棄はお受けいたしましょう」 ※多分誰かの視点から見たらハッピーエンド

皇太子夫妻の歪んだ結婚 

夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。 その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。 本編完結してます。 番外編を更新中です。

お飾りの侯爵夫人

悠木矢彩
恋愛
今宵もあの方は帰ってきてくださらない… フリーアイコン あままつ様のを使用させて頂いています。

醜女の私と政略結婚した旦那様の様子がおかしい

サトウミ
恋愛
この国一番の醜女である私と結婚したイバン様。眉目秀麗で数多の女性と浮き名を流した彼は、不祥事を起こしたせいで私なんかと結婚することになってしまった。それでも真面目な彼は、必死に私を愛そうと努力してくださる。 ──無駄な努力だ。 こんな色白で目と胸の大きい女を、愛せるはずがない。

思い出さなければ良かったのに

田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。 大事なことを忘れたまま。 *本編完結済。不定期で番外編を更新中です。

短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜

美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

処理中です...