獅子の末裔

卯花月影

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27.伴天連禁制

27-5. 京風夜咄(きょうふうよばなし)— 風が運ぶは秘めたる子守唄

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 南蛮寺の扉が静かに開き、燭の明かりに浮かぶ忠三郎の姿が現れた。そのいで立ちは寺内の異国めいた影を引き連れているようでもあり、都の雅な空気に異国の風を忍ばせたかのようであった。

 入口に佇んでいた義太夫が、大仰な手振りで声をかける。
 その妙に朗らかな調子に、滝川藤九郎は思わず眉をひそめた。いや、そんなに陽気に呼ばわるものか? これは少しばかり不自然ではないか?
 忠三郎が怪訝な顔で近づく。
「如何したのじゃ、急に姿を消して」
「いや、ちと…」
 義太夫は一瞬、目を泳がせたのち、急ぎ言葉をつなぐ。
「暘谷庵へ参らぬか。久方ぶりに都に戻ったおぬしをもてなすため、御台様が酒を用意しておるとの知らせが参ってのう」
 その言葉に、藤九郎は密かに頭を抱えた。
(御台様が酒を…? そりゃまた、何とも露骨な誘い口よな…)
 忠三郎がじろりと義太夫を見た。
「風花殿が?」
「然様。何を疑う?」
「いや、わしは暘谷庵に行くたび、風花殿に追い返されておるが…」
 それもそのはず。かつて、忠三郎が秀吉と手を結び、伊勢攻めを成した折、虎や葉月、そして章姫までもが秀吉の手に渡った。その事が、いまだ風花の怒りを買っているのだ。藤九郎も、それはよく知っている。忠三郎が暘谷庵を訪ねれば、冷ややかな視線と辛辣な言葉が待ち受けているのが常であった。

 しかし、義太夫は笑顔を崩さない。いや、むしろ、かえって笑みがぎこちなくなっている。
「そのような古い話を持ち出すな。今はもう恨んでなどはおられぬ。これまでのことは水に流して、仲良うしようという御台様の心遣いじゃ」
 その言葉に、藤九郎は思わず喉を鳴らした。
(あまりに不自然…! こんな露骨な誘い方では、忠三郎様に悟られてしまう…)
 果たして、忠三郎は腕を組み、じっと義太夫を見つめた。
「されど…」
 忠三郎の脳裏には、やつれていく虎の姿が浮かんでいた。
 三九郎を慕い、滝川家を恋しがりながら、日々細っていく妹の姿。
 もとより気の細い女であった。それを無理やり秀吉の側室へと押しやったのは、自分自身——すべては滝川家を守るため。しかし、あの日、伏し目がちに涙をこらえ、言葉ひとつ発することなく去っていった妹の姿は、今なお胸を刺して離れない。
 藤九郎はそっと息を飲んだ。義太夫もまた、心の中で祈っていることだろう。
 しかし、忠三郎の目が鋭く細められる。
「…風花殿が本当にそう申しておるのか?」
 静かに放たれた言葉に、藤九郎は内心、青ざめた。
(義太夫殿、ここをどう切り抜けるつもりか…)

 忠三郎が「では、暘谷庵へは明日、お邪魔するとしようか」と静かに言い放った瞬間、義太夫は驚愕し、目を白黒させた。
 そして、慌てふためきながら忠三郎の腕を引き止める。

「待て! 明日は拙い!」
 忠三郎がじろりと見やる。
「拙い?」
「そ、そうじゃ! 明日は物忌みじゃ!」
「物忌み? まことに?」
 義太夫が無理やりな理屈を並べ始めたその様子に、滝川藤九郎はついに頭を抱えた。
(もう…いっそ見事な嘘をついてくれた方が救いがあるというもの…)
 忠三郎はしばし義太夫を見つめていたが、ふと嘆息し、少しだけ表情を和らげる。
「まぁ、よい。虎のことが気がかりじゃ。今宵は屋敷に戻り、一両日中にはお招きに応じよう」
 この言葉に、藤九郎の背筋に悪寒が走った。
(い、いかぬ! 屋敷に戻られてはすべてが水の泡!)
 しかし、それ以上に狼狽したのは義太夫でだった。
「いやいや、それはよろしくない。屋敷に帰るな!」
 忠三郎がじっと義太夫を見つめる。
「……義太夫、おぬし、どうにも怪しい。何を隠しておる?」
 藤九郎は、冷や汗をぬぐいながら心の中で絶叫する。
(義太夫殿…こんなにも隠し事の下手な素破が、かつておったであろうか)
 藤九郎はその場で卒倒しそうになった。
(もう駄目だ…! すべてが露見するのも時間の問題…!)

 義太夫がしどろもどろになりながら、「虎殿は離縁されたのじゃ」と言った時点で、藤九郎の肝は冷え切っていた。
「へ?あ、あの義太夫殿?」
 藤九郎は声をひそめながら義太夫を睨む。
(その場しのぎにもほどがある! なぜそんな苦しすぎる嘘を)
 一方で、忠三郎は眉をひそめ、義太夫と藤九郎を交互に見つめる。
「離縁?関白から?」
 訳の分からない忠三郎が鋭い目を向けると、藤九郎は半ば涙目になりながら言葉を絞り出した。
「い、いや、それは…義太夫殿の早合点にて!」
「何を申すか、藤九郎。そのほう、今、わしに、虎殿が『解任』というたではないか」
 藤九郎は頭を抱えたくなった。義太夫のことだからいずれ大失態をやらかすとは思っていたが、まさかここまでとは!
 しかし、忠三郎の次の言葉で、藤九郎の血の気は完全に引いた。
「解任? 解任とは、解任ではなく、懐妊ではないのか?」

 ……終わった。

 藤九郎の脳裏に、今ごろ屋敷で虎の出産を何とか隠そうと奔走している吹雪や風花の姿が浮かぶ。
(お許しあれ…皆々様……それがしはもう、どうすることもできませぬ……!)
 藤九郎は遠い目をしながら、都の夜風を感じる。
 忠三郎の鋭い眼差しに射抜かれ、藤九郎は返す言葉を失った。
(ああ、もう駄目じゃ…! 何たる手際の悪さ…!)
 都の風は、しんしんと肌を撫でるというのに、藤九郎の背には冷や汗が伝うばかり。
「藤九郎。おぬしがかように顔色変えて右往左往しているところを見ると、三九郎であろう?」
 忠三郎は確信を持って言った。
 藤九郎はもはや開き直るしかなかった。
「そ、それがしは何も存じませぬ…!」
「存じぬとな? これほどあからさまに動揺しておいてか?」
 藤九郎はぐっと唇を噛んだ。
(いかん…これではまるで、図星でござると自白するようなもの…!)
 義太夫は、なおも状況を理解しておらず、腕を組んで「ふむ…?」と考え込んでいる。
「解任ではなく解任…? とは、こはいかに?」
 しばし考えこむ義太夫に、忠三郎がため息交じりに説明する。
「虎が身ごもったと、そう言うておるのじゃ」
 ここでようやく、義太夫の顔に光が差した。
「——おお!」
 何かを悟ったように目を見開くと、
「これはめでたい!」
 と手を叩いた。
「何を仰せになるか!!」
 藤九郎は思わず叫んだ。
 義太夫は、満面の笑みを浮かべてなおも手を叩き続ける。
「いやはや、これは祝いの酒が要る!」
「義太夫殿!酒どころではありませぬぞ」
 藤九郎は思わず突っ込んだが、義太夫は一向に気にする様子もない。
「虎殿が懐妊とあれば、おぬしもさぞ嬉しかろう、鶴!」
「嬉しいかどうかはともかくとして、事の重大さを少しは考えよ」
 忠三郎が呆れたように肩をすくめると、義太夫は怪訝な顔をした。
「……何が重大なのじゃ? 妙なことを申すな。関白の側室が懐妊となれば、これは何よりも目出度いことではないか!」
「——問題は、その子の父が、秀吉ではないことじゃ」
 忠三郎が静かにそう言った瞬間、義太夫の顔が凍りついた。
「……ほ、ほう?」
 腕を組み、またもや考え込む。
「それは……もしや……」
「もしやも何も、藤九郎の狼狽ぶりを見れば明白であろう」
 忠三郎の視線が藤九郎に向かう。
「そ、そ、それがしは……!」
 藤九郎は首の座らぬ赤子のように、ふらふらと頭を振りながら夜空を仰いだ。
(お許しあれ……御台様……! もはやどうにもなりませぬ……!)
 京の夜風が冷たく頬をなでるなか、隣で義太夫が小首をかしげる。
「……待てよ?」
 囲碁の勝負手を見つけたかのように、ひとりごちると、腕を組み、うんうんと唸り始めた。
「……つまり……これは……」
 長考の末、義太夫はぽんと手を打った。

「——とんでもなく厄介な話ではないか!!」
 得意げに言い放った義太夫を見て、藤九郎は絶望し、忠三郎は呆れ果てる。
「おぬし……ようやく気づいたのか」
「父は、すなわち……我が家の若殿、三九郎様ということか?」
「今頃気付いたのか!!」
 藤九郎は、もはや膝から崩れ落ちそうである。さすがの忠三郎も唖然としつつ、
「関白はもう一年以上、虎の顔を見ておらぬのじゃ」
 ようやく真実に辿り着いた義太夫は、手を腰に当て、重々しく頷いた。
「ふむ……なるほど……」
 京の夜風がひんやりと吹き抜けるなか、静かに夜の帳が下りていく。
 義太夫は空を見上げ、しみじみとつぶやいた。
「これは……」
「……これは?」
「——ますます面白くなってきたのう!」
「面白くない!!!」
 忠三郎の絶叫が、都の夜にむなしく響き渡った。

 暘谷庵の夜は静寂に包まれていた。
 庭の青葉は濃く、木々の間を蛍がゆらめく。遠くからは水音が聞こえ、縁先には夜風が運んだ若草の香りが漂っている。竹垣の向こうでは、かじか蛙がかすかに鳴き、初夏の訪れを静かに告げていた。
(三九郎。やってくれたな)
 これはただの偶然か、それとも、滝川家を裏切り、虎を奪った自分への三九郎なりの復讐なのか。複雑な思いを抱えながら、忠三郎は暘谷庵の門をくぐった。
 萱葺きの門のそばに立つ、法衣をまとった少年が顔をあげる。
「あ」
 涼やかな目元。かつて「九郎」と呼ばれた、九天宗瑞くてんそうずいだ。
(九郎殿…)
 すぐに気付いた。しかし、少年は忠三郎を一瞥するのみで、すぐに義太夫へと視線を移す。
「義太夫。母上がお待ちじゃ。客人とともに奥へ行くがよい」
「ハハッ。ではでは……」
 九郎は馬の轡を受け取ると、振り返ることなく馬屋へと向かっていった。
(わしに気付いているのか)
 もちろん、気付いている。だが、声をかけることもなく、呼び止めることもない。それが、十四になった九郎の選択なのだろう。
(立派になったものよ……)
 忠三郎の胸に、不思議な感慨が広がる。都でさらわれた娘が身ごもり、抜き差しならぬ状況に陥ったとき、亡き義兄・一益は、その娘を引き取り、生まれた子を我が子として育ててくれた。
(……義兄上)
 もし今、一益が生きていたなら、何と言っただろうか。

 洛外の庵には、静けさが満ちている。
 庭の草葉をそよがせる風は、青く茂る木々を揺らしながら、軒先に灯る行燈の炎をふっと撫でた。竹林の奥、遠くの水音が微かに響き、草陰ではかじか蛙が鳴いている。

(虎と三九郎の子か……)
 それはすなわち、かの一益の孫ということだ。
 忠三郎は深く息をつき、ふと目を閉じる。夜気に染み入る静けさの中で、亡き義兄の面影が脳裏をよぎる。
(義兄上……もし今、生きておられたなら、何と申されたであろうな)
 思いあぐねる忠三郎の耳に、ふっと微かな衣擦れの音が届く。襖が静かに開き、そこに現れたのは風花だった。
 燈火の下で揺れる影。未だに双子の姉・吹雪と見分けがつかないほど、ふたりはよく似ている。
 風花の眼差しは冷ややかで、忠三郎を警戒するような色を帯びていた。
 しかし、そんな緊張感をよそに、義太夫は実にくったくのない笑顔で口を開いた。
「御台様。お喜びあれ。葉月様を取り戻すことができそうでござりますぞ」
 風花の目が、わずかに細くなる。
「葉月のことは知らせを受けた。なんでも関白が都に新しく作る聚楽亭じゅらくていなる館に移る折には、ここへ送り届けてくれるそうな。これも、義太夫、そして忠三郎殿の働きの賜物よと、みな喜んでおるのじゃ」
 けれど、その言葉には、ひとつの笑顔も添えられなかった。
 その冷ややかさに、忠三郎は苦笑し、肩をすくめる。
 初夏の夜風が、暘谷庵の静寂を揺らす。
 灯火がわずかに揺れ、草葉の間を縫う風が、涼やかな虫の声を運んできた。
 風花の視線は鋭く、どこか刺すような冷たさを帯びている。
(虎のことか)
 忠三郎が何を言い出すのか——それを警戒しているのだろう。その緊張は、あからさまであった。
 忠三郎は小さく息を吐き、ふと自嘲気味に笑う。
(わしも、ずいぶんと信用を無くしたものよ)
 それも致し方あるまい。

 家を守るためと称しながら、保身のために虎を秀吉の側室に差し出した。もはや、どのように取り繕おうとも、風花にとって自分は「虎を売った兄」でしかないのだろう。
 だが——
「虎の事は聞き及びました」
 その一言で、室内の空気がはっきりと変わった。
 風花の指が、袖口をきゅっと握る。
「……で、忠三郎殿は如何なされる所存か」
 義太夫が、息を呑む音が聞こえた。
「それなれば……」
 忠三郎は静かに、けれど迷いなく言葉を紡ぐ。
「秘密裏に子を産ませ、我が子として育てようかと……」
 ぱち、ぱち、と燈火が爆ぜる音が響いた。
 これは、考えに考えた末の結論だった。

 暘谷庵の静寂の中、忠三郎の言葉は深く響いた。
 燈火の灯がわずかに揺れる。風が障子を撫でる音がやけに大きく感じられた。
「なんと。忠三郎殿の子として育てると?」
 風花の声は驚きを帯びていた。
「はい。生まれた子が男であれ、女であれ、わしの子でござります。それゆえ、どうかご案じなさいませぬよう。関東におる三九郎にも、その旨お伝えくだされ」
 暘谷庵の静けさの中で、忠三郎はしばし思索にふけった。
 灯火がほのかに揺れ、竹林の葉を揺らす風の音が耳に届く。静まり返った庭には、初夏の夜の涼風が吹き抜け、木々の間からはほのかに月光が差し込んでいた。ふと、窓の外に目をやると、蛍がひとつ、暗がりの中を舞い上がる様子が見えた。あの儚げな光を見ていると、なぜか、亡き義兄・一益のことが思い出された。

 一益の顔はもう、記憶の中に遠く薄れてしまっているが、いつもそっと自分を支えてくれたその手のひらの温もりは、今も忠三郎の胸に残っている。

 あのとき、義兄はどれほどの覚悟で九郎を引き取ったのだろうか。自らの子でない子を、自分の命を賭けるかのように育て上げた一益。九郎と六郎の二人が、信長の弟・信包の使者を殺めてしまったときも、一益は我が子同様に九郎を守ってくれた。
 その深い愛情と、捧げた犠牲を思うと、胸が締め付けられるような思いがこみ上げる。
 そして、今。忠三郎もまた、義兄と同じように、虎の子を我が子として育てる決意を固めた。これは、義兄への贖罪でもあり、滝川家を守るために自らに課すべき義務だと感じていた。
「まことか、鶴」
 義太夫の声が、忠三郎の静かな思索を破った。
 義太夫のその明るい声に、少しだけ安心した気持ちになる自分がいた。義太夫はいつも、どんなときでも、こうして心を軽くしてくれる。思わず、忠三郎は苦笑した。
(義太夫、こやつには、いつも笑わされるな。されど、それがまた、心強い)

 忠三郎はふと視線を向けると、義太夫の顔に浮かんだ無邪気な笑顔を見つめた。この顔を見ると、義兄一益の無骨でありながらも温かい笑顔が、どこか重なった気がした。

(そうか。義兄上の甥であったな。似ても似つかぬと思うていたが、一応、血縁があるのか)
 そう思うと、胸の奥がじんわりと温かくなる。

 初夏の夜風が、再び窓を通り抜け、冷たい竹の香りを運んでくる。蝉の鳴き声が遠くから聞こえ、夜空には星が輝きだしていた。静かな京都の町並みを背にして、暘谷庵に集う者たちの心は、どこか安らいだものに包まれていた。

 忠三郎は、ふと目を閉じ、深い息をついた。
 亡き義兄、一益が見守ってくれているような気がする。
 そして、これからの道のりが、どれほど厳しくとも、一益の教えを胸に歩み続けようと、改めて誓った。
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