恋。となり、となり、隣。

雉虎 悠雨

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第二章 車内でも隣には

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 ゆきだけはそれぞれ全員互いに仕事内容など知っているが、他は互いの仕事の話や、出会いの切っ掛けや、ゆきがここでバイトしていた時の話で盛り上がった。

 会話の切れ目で愛美がふとゆきに話かけた。

「二人ともいつまでその話し方なの?」
「それ俺も気になった。付き合いたてなんですか?」

 そもそも社交性が高くすっかり打ち解けた堺が目雲に問えば、目雲はいつも通りに冷静に答える。

「大体半年ほど」
「半年なら変わっててもおかしくないな」

 堺は腕を組んでゆきに視線を送るが、ゆきはその視線を目雲に流す。

「変える予定、ありますか?」

 ゆきが聞くと、目雲は首を振る。

「いえ、ありません」
「私も特に気にしてなかったんですが、変えた方が良いでしょうか?」
「このままでも問題ありません」

 だったら無理して変える必要もないかとゆきは思うが、愛美は首を捻る。

「問題があるとかいう問題でもない気がするんですが。ゆきは特にその呼び方も」

 愛美に聞かれてやはりゆきは目雲に確認する。

「名前の方が良かったですか?」
「気にしていませんよ」

 目雲の落ち着き払った様子を見ながら、宮前が何の気なしにゆきに聞く。

「呼んでみたら?」

 宮前の軽い提案に、ゆきは固まった。
 それには愛美が驚いた。

「そんなに嫌なの? え、なんで?」

 ゆきはそう言われて慌てて首を振る。

「嫌じゃない、嫌じゃない。それに目雲さんの実家ではちゃんと……とは言い切れないけど呼んでたよ」
「じゃあ呼べばいいのに」

 愛美が呆れたように言うと、目雲が穏やかにゆきを肯定する。

「大丈夫ですよ、このままで」
「……優しいです」

 決まりが悪そうに微笑むゆきに、堺が目を見張る。

「甘やかされてるな」

 思わずと言った感じの発言に、愛美のテンションが上がる。

「ゆきがだよ、すごくない?」

 愛美も同意して堺に言えば、堺も感心する。

「だな、あのゆきが。目雲さんは凄い人ですね」
「すごいことなんだ?」

 宮前が聞けば二人は大きく頷いた。

「ぱっと見おっとりそうなのに、すっごくしっかり者なんです」

 愛美のしっかり溜めの入った言い方に、さらに堺が続く。

「確かにしっかり者で、さらに人に貸しを作るのがすっごく嫌いなんですよ」

 あんまりな言い草にゆきが笑いながらも訂正を入れる。

「嫌いってことはないよ、前は気になってただけ」

 いやいやと堺も折れない。

「改善したとはいえ、ここまでとは、凄いですよ目雲さん」

 堺はゆきの様子に感動さえ覚えたのか、いやー、これはスゴイなどと言って、ついグラスを大きく傾ける。ここまでも調子よく飲んでいるのでやや箍が外れ始めていた。

「いいね、あっきー。私も飲む!」

 何故だか一緒になって飲み始める愛美にストレス発散に掛かっているなとゆきが呆れ半分に笑っていると、堺が更に捲し立てる。

「てか、ゆきがいちいち目雲さんに確認してるのも新鮮だし。それがなんか拒絶されない感じに思ってるところも」
「そんなこと思ってないよ」

 ゆきがさらに呆れ顔で否定する間も堺は酒が進む。

「いや、目雲さんが気にしてないって分かってたんだろうけど、だったら尚更ゆきは聞かないって」

 そうだろうかと自分のことだがよく分からず、首を傾げる。

「念のため聞くのは変なことじゃないと思うけど」

 ゆきだってすべてのことを確認するわけではない。それは目雲に限ったことではなく、必要だと感じたことは躊躇わず聞くようにしているが、そうでないことはゆきは割と口出ししない。そこまで他人に干渉する意欲が低いだけとも言える。

 目雲はただの他人ではないとゆきも思ってはいるからこそ、むやみやたらに踏み込むようなことはしたくない。今回のことに限ってはゆきだけが今のところ不都合を感じていないだけで、いろいろと言葉にしてくれている目雲でも何か気を使ってくれているのかもしれないと思ったから聞いたのだ。さりとて愛美と堺に言われても変化を求めようとはゆき自身はまだ思えていなかった。

 それがありありと伝わっていた堺がだからだと言う。

「普通はな。でもゆきは、いや、前のゆきだったら確認せずに呼び方くらい変えてたな」

 愛美もその言葉に乗る。

「私もそう思うぅ、だから私気になったんだもん」

 そう! と大げさに反応した堺はぐっとグラスを空けた。

「ですよね、ゆきが平均的なことするようになったのに、目雲さんにはそうしないって。それって、なあ、ゆき、良かったよ」

 宮前がグラスを片手に笑いながら首を傾げる。

「平均的?」
「そうっす、平均的っす」

 堺が頷くばかりなのでゆきが補足する。

「あぁ、えっと、自分のことを自分で説明するのも気が引けるんですが」
「言っとけ言っとけ」

 箸を持って目線は料理のまま適当の煽りだす堺に呆れ笑いをしながらゆきが過去の自分を話し始める。
 ゆきが仕方ないと笑いながら口を開く。

「たぶんと前置きしておきますが、私ができるだけしゃべるようになった時に参考にしたのが読んできた多くの本だったです。普段話す内容はその現代を舞台にした本たちの中から、普通はとか、常識的にはって書いてあることを参考に始めたので、その名残みたいなものをメグとあきくんは言ってるんだと思います」
「現実の状況を本の中のシチュエーションと照らし合わせて、より違和感のない会話になるようにしてたってこと? 凄いことしてたんだね」

 宮前に感心されてもゆき自身は自分の言葉で話していないから褒められたことではないと感じていた部分だったので、苦く笑う。

「もちろん周りの人の会話とかもよく聞くようになりましたよ、受け答えの拍子は文章からはくみ取れないので、何もせずに人が行きかう場所でぼーっとしたりしてました」

 だから一人カフェなどにいると周りの会話も気になってしまうようになっていた。
 言い訳がましいことを言っても宮前は年上らしく温かく微笑む。

「すごく頑張ったんだね」

 目雲も静かに頷いている。

「そうなんすよ、ゆきはめっちゃ頑張ったんだよなぁ」

 しみじみ言い始めた堺に、ゆきの経験則が働き始めた。
 何か嫌なことがあったからか、それから逃避したい現実があったらしい堺が酒を煽るのは珍しいことではない。酩酊することは稀だが、親しい人がいると出てくる癖があった。
すでにそこそこ飲んでいた堺とすでに愛美は深酔いし始めたことは少し前から分かっていたが、いよいよその症状が現れ始める。

「てか、スゥよかったなあ」

 堺の当然の言葉に、愛美がこの日の清楚目なスタイルには似つかわしくない大きな動作で反応する。

「うっわ、あっきー、スゥ呼び! 笑う」
「えー、スゥはスゥだよなー」

 唇を尖らす堺にゆきは仕方なさそうに笑う。
 大学時代にはよく見た光景だった。堺は態度は砕けたものになるが、粗相はしない程度には理性が働き、店に迷惑を掛ける程の騒ぎ方もしないのでゆきも止めるようなことはしないが、呆れているとはその笑顔で伝える。

「酔ったんだね、あきくん」

 何度もそんな目を向けられているので堺も開き直る。

「今日はもういいんだよぉー、ねぇメグさん?」
「そうそう、そお」

 愛美に関してはほぼ毎回そうなので、ゆきは驚くこともなければ呆れることすらもうない。
 その様子を楽しそうに見ながら宮前が聞く。

「スゥってゆきちゃんのことなの?」

 説明する気もさらさらない堺が近くの席で退席後の食器の片づけをしている店員に呼びかけ酒の追加をしているので、仕方なくゆきが話す。

「スノウからスゥって。大学の同期の間だけのあだ名だったんです」

 答えないのかと思えば堺は身を乗り出す勢いで話し出す。

「そうっすよ、宮前さん! ゆきって名前もだし、本ばっか読んで外出ないから真っ白なところも、ぽやぽやしてるところも、スノウってピッタリでしょ?」

 今はそこまで白くないんだけどと苦笑するゆきと、普段通りの宮前が堺の言葉に違和感を感じて聞き返す。

「ぽやぽやしてる? しっかり者なんじゃなかった?」
「ぽやぽやしたしっかり者っすよ」

 意味の通らないことをそのまま言う堺に、愛美が何故か賛同する。

「ギャップ萌えです」

 無駄に可愛く言う愛美に堺が首を傾げる。

「最近でも萌えとか言う?」
「えぇー、違うの?」

 愛美がゆきを覗き込むように尋ねると、ゆきは腕を組んでわざと思案する。

「うーん、難しい所。推しが尊いとか見るけど、言い換えるとなると、うーん、そのギャップに滾る、とか?」
「たぎるって、すごいな」

 堺が唸るように言うと、ゆきが真面目に続ける。

「これも正しいかどうかは分からない。言葉は生き物だし、集団の特質性に関わるものでもあるし、ちゃんと調べないと」

 言語学の視点ではなく文化的な要素の観点から推察することはできると言い始めたゆきに堺が慌てる。

「大丈夫大丈夫、最近聞かないなと思っただけだから。スゥに調べさせたら論文一本書けるくらいになるからマジやめて」

 本当に嫌そうにブンブン手を振る堺に、ゆきが笑いかけた。
 日本文化は過去から現在まで面白いものが多いから論文はたくさんあって、自分なんかが烏滸がましいとゆきが言いながら、分かったと頷く。

「必要になった時に調べる」
「それがいい」

 堺が大きく何度も頷きながら、さらにグラスを傾ける横で、愛美が首を捻って元の話を思い出そうとする。

「えっと、なんだっけ?」
「ゆきちゃんがぽやぽやのしっかり者って」

 堺が見事鎮圧された様子が宮前が目雲と三人でいる時のゆきとはいろいろと違っているのを興味深げに観察しながら、話を戻す。

「そうだった。ゆきは、ぽやぽやしてる風だったんですよ、ふう。にっこにこ、してるだけのか弱い女の子じゃなかったです」
「でも普段は本読んでる姿ばーかりだから、大学の奴等なんかそんなの知らないんすよ。ぽやぽやしてあぶなかっしいって」
「だってゆき、一人暮らし始めたばっかのとき、羽目はずしていろいろやらかしたんでしょ?」

 愛美の言葉に宮前と目雲は一般的な羽目の外し方を想像して、今のゆきからは全く想像できないと同時に思っていた。
 それを感じ取って堺が笑う。

「違うんですよー、スゥは全然遊ばないどころか、外にだって最低限しか出てなかったんすよ」
「それじゃあ羽目は外せないんじゃない?」

 宮前が問うと、堺が少し考えて答えた。

「正確には箍が外れたんす」
「自堕落になったとか?」

 堺は人差し指を立てて目を瞑ってその指を振る。それを見て愛美が笑う。

「なにそれぇ」

 もう何が起こっても笑い転げそうな愛美をゆきがよしよしと宥めていると堺が話を進めていく。

「スゥのは読書欲っす。本読むのに夢中になりすぎて、飯食わなかったり。眠るの忘れたりな。それでうっかりゼミ室のソファーで寝落ちしてたり、密かにスゥの飯確認係があったりな」

 ゆきが仕舞ったと思った時には時すでに遅しで、しっかり目雲に聞かれてしまったと、恨めし気な目を堺に向ける。

「さっきはしっかり者なんて持ち上げといて、やっぱり違うってことをわざわざ証明してくれてる」

 ゆきが眉を寄せて笑いながらも抗議するから、堺は大げさに手を振って否定する。

「いやいやいや、別に授業に遅刻するわけでもレポート忘れるわけでもないし。激しく体調崩すこともなかったし。あとほら、最初のアパートの事件も自分で対処とかな、ちゃんとしてるのは前提、前提。その上でってことでしょうに」
「前提条件を語ってくれてないと、ただの怠惰な人間になっちゃうでしょうに」
「すまん、すまん」

堺はちっとも済まなさそうには見えない笑い顔だった。





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