リリィは可愛い(*´꒳`*)おじさん♡Ωに覚醒〜おサイコでαな旦那サマと結ばれて…からの、闘いの物語です！＼＼\٩(๑`^´๑)۶//／／

おじさん♡くつろぎます②

セス♡

君が、居る。

ここに居る、分かるのだ。

それなのに、この男は私を謀ろうというのか。
「…ですから、今井様はお会いになりません」

ふざけるな。

私が、私の妻に会おうというのだ。
お前が指図をして良い事では無い。

僭越だ。

「！ッ…ぐっぁ…」
目の前で立ち尽くし、私達が妻の元に行くのを止め立てしていた男が崩れ落ちた。

「セバスティアン、止せ」
マクシミリアンが割り込まなければ、殺していたかも知れない。

「大山田、案内しろ。俺達は妻と共に帰国する。これ以上の邪魔立てはするな。ただではすまない」
我々は政府職員を名乗る、武装集団に囲まれている。

私の攻撃に一度は倒れた大山田が片膝をつき、何とか起き上がった。
そして無謀にも挑戦的な眼をむけ、刃向かってきた。

「しかし、今井さんは自分の意思で帰国されました！本日、新しい住居も決められましたよ。そちらでの暮らしが、余程お辛かったようですね。何でも、人として最低限の配慮もなかったとか…前の伴侶の方に泣いて訴えておられました。今井さんは新しい生活をお望みなのです。身を引いて差し上げるのが最良でしょう」

そんな裏切りを、リリィはしない。
そんな安っぽい人では無いのだ。

「…お前、αの性質があるのか」
マクシミリアンが視てとった。

なるほど、大山田には微かにαの性がある。
余程に気をつけて、視なければ気づかない程の些細な力だ。

この国にはこの様なβ種が多く有る様だった。
これは他のβ種の国では珍しい。

白と黒のコントラスト程にαとβはかけ離れている。
大山田の様な灰色が混在して有る事は、この国の独特なものだ。

この男もβ種の中では多少は感が働く方なのだろう。
だが、私達からすればこの様な人間は無力に等しい。

「リリィに懸想しているな」
相棒は吐き捨てる様に言った。

全く！
身の程を知らぬにも、程がある。
「小賢しい犬め。犬なら犬らしく尾を振って従順を示すがいい」

私は怒りのまま、力を奮う。
国交も、誓約も知るものか。

糞を喰らえ！

この力は妻が私に与えたものだ。
君の為に使って、何が悪い。

程なく、私は君の居る場所に案内された。

…ああ、君の匂いがする。
堪らない。

リリィ、君は酷い人だ。
とても、とても、残酷で薄情だ。

でも、どう仕様も無く、愛しているんだ。

私は君のものだ。
だから君は棄ててはいけない。

この生命は、生かすも殺すも君次第なのだ。

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