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おめでたい出来事
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――2年後
寒かった冬が終わり、暖かな日差しにすっかり雪が溶けきった4月下旬のある日。
「佐々木先生! 今病院から電話があって、 奥さんが……奥さんが……」
平日の静かな午後、3年生のクラスで授業をしていた俺の元に、同僚の高橋先生が緊急の知らせを運んで来た。
俺は最後まで言葉を聞かずに慌てて廊下に飛び出す。
「すみません高橋先生、後の事は頼みます!!」
「えぇ? 佐々木先生、授業は? どこに行くんですか~?」
生徒達の戸惑いの声を遠くに聞きながら、俺は無我夢中で走った。
職員用玄関で靴を履きかえ、校舎を後にする。
校門から一歩足を踏み出せば、ため息が出る程に綺麗な景色が広がっていた。
学校から町へと続く坂道の、両側に植えられた桜の木は満開に咲き誇り、花びらがハラハラと舞い踊っているのだ。
そんな中を、俺は自転車に跨がり下って行く。
アーチのように頭上に広がる桜の景色は、まるで俺達を祝福しくれているかのようで、心が躍った。
そんな美しい景色に背中を押されながら、俺は更にスピードを上げた。
向かう先は、この小さな田舎町に唯一存在する総合病院。
「すみません! 妻の……妻の佐々木真奈は無事ですか?!」
病院に着くなり、産婦人科病棟のナースステーションに駆け込み、看護師さん相手に物凄い形相で詰め寄る俺に、看護師さん達は優しい笑みを浮かべながら言った。
「佐々木さん、少し落ち着いて下さい。奥さんは無事ですよ。母子共に元気です」
「本当ですか?! よ、良かった~」
看護師さんの言葉に安堵した俺は一気に力が抜けて、情けなくもヘナヘナとその場にしゃがみ込んでしまう。
「今は赤ちゃんと病室で休まれてますよ。だからくれぐれも騒がず、お静かに、安静にしてあげて下さいね、お父さん」
「は、はいっ!ありがとうございます!!」
看護師さんから掛けられた、聞きなれない単語に、俺は背中がむず痒くなるのを感じながら、再び力を奮い立たせて、立ち上がる。
そして真奈が待つ病室へと全速力で走り出した。
「だから、お静かに! 病院内は走らない!!」
遠くに看護師さんの怒鳴り声を聞きながら、俺は早歩きへと切り替え真奈の待つ病室へと急いだ。
寒かった冬が終わり、暖かな日差しにすっかり雪が溶けきった4月下旬のある日。
「佐々木先生! 今病院から電話があって、 奥さんが……奥さんが……」
平日の静かな午後、3年生のクラスで授業をしていた俺の元に、同僚の高橋先生が緊急の知らせを運んで来た。
俺は最後まで言葉を聞かずに慌てて廊下に飛び出す。
「すみません高橋先生、後の事は頼みます!!」
「えぇ? 佐々木先生、授業は? どこに行くんですか~?」
生徒達の戸惑いの声を遠くに聞きながら、俺は無我夢中で走った。
職員用玄関で靴を履きかえ、校舎を後にする。
校門から一歩足を踏み出せば、ため息が出る程に綺麗な景色が広がっていた。
学校から町へと続く坂道の、両側に植えられた桜の木は満開に咲き誇り、花びらがハラハラと舞い踊っているのだ。
そんな中を、俺は自転車に跨がり下って行く。
アーチのように頭上に広がる桜の景色は、まるで俺達を祝福しくれているかのようで、心が躍った。
そんな美しい景色に背中を押されながら、俺は更にスピードを上げた。
向かう先は、この小さな田舎町に唯一存在する総合病院。
「すみません! 妻の……妻の佐々木真奈は無事ですか?!」
病院に着くなり、産婦人科病棟のナースステーションに駆け込み、看護師さん相手に物凄い形相で詰め寄る俺に、看護師さん達は優しい笑みを浮かべながら言った。
「佐々木さん、少し落ち着いて下さい。奥さんは無事ですよ。母子共に元気です」
「本当ですか?! よ、良かった~」
看護師さんの言葉に安堵した俺は一気に力が抜けて、情けなくもヘナヘナとその場にしゃがみ込んでしまう。
「今は赤ちゃんと病室で休まれてますよ。だからくれぐれも騒がず、お静かに、安静にしてあげて下さいね、お父さん」
「は、はいっ!ありがとうございます!!」
看護師さんから掛けられた、聞きなれない単語に、俺は背中がむず痒くなるのを感じながら、再び力を奮い立たせて、立ち上がる。
そして真奈が待つ病室へと全速力で走り出した。
「だから、お静かに! 病院内は走らない!!」
遠くに看護師さんの怒鳴り声を聞きながら、俺は早歩きへと切り替え真奈の待つ病室へと急いだ。
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