19 / 212
【異世界に水洗トイレを作ります!】
お母さん! 異世界に水洗トイレを作る!①
しおりを挟む
_____「ゴーレムの城前 トイレ」______
外に出て、少し歩くと森の中に板張りの工事現場にある簡易トイレのような大きさのトイレが姿を現す。
強い風が吹いたら一瞬で飛ばされてしまいそうなトイレを見て、目を疑ったが今は便意の方が優先。
壊れかけの木製ドアに手をかける。
_____ギイっ。
扉を開けると目の前にはボットン便所。
汲み取り式なので小蠅が数匹トイレの中を散歩しており、小蠅にとっては理想的な環境なのだろう。
板張りの床には便をするために雑に穴が開けられ、白い陶器の便器すらない簡易的な造り。
便器もない!
便器もないんだ!
昭和初期の便所でも便器くらいはあるぞ!
っうか、石柱作れる技術あるなら便器くらい作れ!
_____ぐにゅ~。
「____うっ!」
いかんいかん。
些細な事を気にしてはいけない。
俺は用を足しに来たのだ。
便所の批評をしに来た訳ではない。
と尻を落ち着かせる為に心を律した。
「よいっしょ」
_____ぽちゃん!
微かに吹く風が木々を揺らし、天然の風を送る装置のように俺のケツに微風を送り、便所の中の匂いをいたずらにかき回す。
こんな状況、箱があるだけで野グソをしているのと同じじゃないか... ...。
しかし、まあ、あれだな。
この背徳感とケツのスースーする感じは現代っ子の俺には苦痛でしかない。
そうだ... ...。水洗トイレを作ろう... ...。
俺は魔法が使えないが元の世界で得た建築知識や不動産の知識ならある。
見よう見まねではあるが作ってみる価値はあるだろう。
それに、ヒマだしな!
そうと決まればあとは行動あるのみ。
近くにあった藁でケツを拭き、颯爽と城に戻った。
__「ゴーレムの城」___
「ふい~。食った食った!」
「おなか一杯だみそ!」
「あんたら、食いすぎだよ~」
便所から戻った俺はお腹いっぱいになってフロアに転がる三人をたたき起こす。
「いたっ! なにすんのよ花島!」
「お前らよく聞け! これから、水洗トイレを作るぞ!」
「水洗トイレ? なにそれ?」
「うんこが水で流れていくトイレだ!!」
俺はなぜかドヤ顔で言った。
そしたら、魔法少女に殴られた。
「ぶへえ! なにすんだ!」
「食事終わった後に汚い言葉使わないで!」
おいおい!
こんなに汚い食い方してるやつに言われたくないよ!
と文句を抱いたが、ここで喧嘩をしていては話が進まない。
俺はグッと拳を握って大人の対応をしてみせた。
「で、うんこが水で流れると何が面白いみそ?」
「うん。幼女よ。お前はうんこが水で流れていて楽しいとか嬉しいとか思った事はあるか?」
「いや、ないけど、花島が楽しそうにしてる光景が浮かんだみそ」
「そうか。俺はお前の中ではうんこが水で流れて楽しそうにしてるキャラなんだな」
「だみそ~」
言い終わると再び、ゴーレム幼女は床にゴロリ。
「だみそ~。じゃないよ!」
「で、花島君。うんこが水に流れると何がいいんだい?」
「よくぞ聞いてくれた婆さん」
「婆さんじゃないよ!」
ボットン便所についての不満、水洗トイレというものが俺のいた世界にはあったことを洗いざらいみんなに全てぶちまけた。
□ □ □
身振り手振りでトイレの重要さを語った俺は息切れしてしまった。
「ハアハア... ...。で、どうでしょうか皆さん?」
「... ...」
「... ...」
「... ...」
三人は顔を見合わせる。
くっ... ...!
ダメだったか... ...。
俺の便所に対する思いはこいつらには伝わらなかったか... ...。
肩を落とし、落胆していると魔法少女と婆が立ち上がり俺に拍手を送る。
「_____え?」
俺は驚いた。
魔法少女は提案を受け入れてくれると思わなかったからだ。
続いてゴーレムも拍手を送る。
思いが人に伝わった... ...。
不覚にも頬を伝うものを皆に見られてしまった。
職を転々としてきた俺は自分の思いを真剣に人に伝えたことがなかった。
言ったとしても多少ふざけて言っていた。
そんな俺は人に信用されない人間にいつの間にかなっていて、段々と居場所がなくなり、その度に職を変えてきた。
「みんな... ...」
_____水洗トイレを異世界に作る。
フレーズだけ聞くと少しふざけているかもしれないが、俺にとっては大きな一歩。
そして、夜明けを待って計画を実行に移すことにした。
______「ゴーレムの森 トイレ」_______
「まずは現状を知っていただこう」
先ず、三人に現状を知ってもらうためにトイレの臭いを嗅ぐように促す。
三人は軽く抵抗。
「いやよ! 臭いに決まっているじゃない!」
「そうだみそ! 臭いみそ!」
「同感じゃ!」
このような反発があるのは想定の範囲内。
俺はひよらずに続ける。
「そうだ! トイレは臭い! それは何故だか分かるかな!? 魔法少女よ!」
魔法少女を指差し、回答を求めるが、魔法少女は顔を赤らめモジモジ。
「なんで、私が答えなきゃいけないのよ!」
「ん~。答えられないのかなあ~?」
ニヤニヤしながら、魔法少女の事を見る。
すると魔法少女に殴られた。
本当、こいつは冗談が通じない。
まあ、そこが可愛いのだが。
「はいっ! 先生! うんこがあるからですみそ!」
ノリが良いゴーレム幼女はピンと背筋を伸ばして手を上げる。
「はい! ゴーレムさん正解です! 正解したのでスーパー太君をあげましょう」
太君が大便をして踏ん張ってる様子をフィギュアにしたものをあげた。
「うわ~! 糞いらねえみそ!」
ゴーレムはスーパー太君をボットン便所にボットン。
「では、そのうんこが無くなれば臭くないですよね?」
主導権を俺に戻し、三人に同意を求める。
うんこという直接的な単語を言わなければ魔法少女も会話に参加してくれ、三人とも、問いに頷く。
「なので! うんこを水で流します!」
三人はバラツキながらも拍手。
どうやら、俺の言っている事を理解出来ていないようだ。
□ □ □
とりあえず、ゴーレムに指示を出し、城の近くに流れていた小川の上にトイレを作らせた。
便器はもちろん洋式。
扉もつけてレンガ調の立派なトイレが完成。
三匹の子豚で言う三男のやつ。
「素晴らしい出来だ! 流石、ゴーレム!」
「へへへ~」
屈託ない表情でゴーレムは笑う。
容姿は大人びてしまったが屈託ないその表情は幼女のまま。
美人でボインのゴーレムもいいが、幼女のゴーレムの姿も恋しくなってきた。
俺ってもしかしてロリコンなのかな?
「よし! 魔法少女よ! うんこしろ!」
この流れで魔法少女に排泄を促すと案の定、ボクサー並みの右ストレートが俺の頬をかすった。
まあ、殴られることは覚悟しての発言だったので致し方ない。
渋々だが、俺が初めての脱糞を試してみる事になった。
頭の中ではBBクイーンズのテーマ曲が流れている。
扉を開け、ズボンを脱ぎ、便座に座る。
恐らく、人間はこの動作を死ぬまでに5億回くらいするだろう。
その光景を三人は外から見守るのであった。
____ぽちゃん。
波紋がおき、太陽の光に反射され、水面が揺れる。
しばらくして、トイレの扉がゆっくり開けると目の前には俺の合図を待つ三人の姿。
俺はそんな三人に応えるように天に向けて、勝利のガッツポーズを掲げる。
「完成だ... ...」
三人は歓声を上げ、俺を英雄のように祝福。
気持ちはもう、隕石の落下から人類を救った男のようだ。
「お前らも中に入ってみろ! 全然、におわないぞ!」
三人はサザ〇さんのエンディングのように愉快にトイレに駆け込んだ。
外に出て、少し歩くと森の中に板張りの工事現場にある簡易トイレのような大きさのトイレが姿を現す。
強い風が吹いたら一瞬で飛ばされてしまいそうなトイレを見て、目を疑ったが今は便意の方が優先。
壊れかけの木製ドアに手をかける。
_____ギイっ。
扉を開けると目の前にはボットン便所。
汲み取り式なので小蠅が数匹トイレの中を散歩しており、小蠅にとっては理想的な環境なのだろう。
板張りの床には便をするために雑に穴が開けられ、白い陶器の便器すらない簡易的な造り。
便器もない!
便器もないんだ!
昭和初期の便所でも便器くらいはあるぞ!
っうか、石柱作れる技術あるなら便器くらい作れ!
_____ぐにゅ~。
「____うっ!」
いかんいかん。
些細な事を気にしてはいけない。
俺は用を足しに来たのだ。
便所の批評をしに来た訳ではない。
と尻を落ち着かせる為に心を律した。
「よいっしょ」
_____ぽちゃん!
微かに吹く風が木々を揺らし、天然の風を送る装置のように俺のケツに微風を送り、便所の中の匂いをいたずらにかき回す。
こんな状況、箱があるだけで野グソをしているのと同じじゃないか... ...。
しかし、まあ、あれだな。
この背徳感とケツのスースーする感じは現代っ子の俺には苦痛でしかない。
そうだ... ...。水洗トイレを作ろう... ...。
俺は魔法が使えないが元の世界で得た建築知識や不動産の知識ならある。
見よう見まねではあるが作ってみる価値はあるだろう。
それに、ヒマだしな!
そうと決まればあとは行動あるのみ。
近くにあった藁でケツを拭き、颯爽と城に戻った。
__「ゴーレムの城」___
「ふい~。食った食った!」
「おなか一杯だみそ!」
「あんたら、食いすぎだよ~」
便所から戻った俺はお腹いっぱいになってフロアに転がる三人をたたき起こす。
「いたっ! なにすんのよ花島!」
「お前らよく聞け! これから、水洗トイレを作るぞ!」
「水洗トイレ? なにそれ?」
「うんこが水で流れていくトイレだ!!」
俺はなぜかドヤ顔で言った。
そしたら、魔法少女に殴られた。
「ぶへえ! なにすんだ!」
「食事終わった後に汚い言葉使わないで!」
おいおい!
こんなに汚い食い方してるやつに言われたくないよ!
と文句を抱いたが、ここで喧嘩をしていては話が進まない。
俺はグッと拳を握って大人の対応をしてみせた。
「で、うんこが水で流れると何が面白いみそ?」
「うん。幼女よ。お前はうんこが水で流れていて楽しいとか嬉しいとか思った事はあるか?」
「いや、ないけど、花島が楽しそうにしてる光景が浮かんだみそ」
「そうか。俺はお前の中ではうんこが水で流れて楽しそうにしてるキャラなんだな」
「だみそ~」
言い終わると再び、ゴーレム幼女は床にゴロリ。
「だみそ~。じゃないよ!」
「で、花島君。うんこが水に流れると何がいいんだい?」
「よくぞ聞いてくれた婆さん」
「婆さんじゃないよ!」
ボットン便所についての不満、水洗トイレというものが俺のいた世界にはあったことを洗いざらいみんなに全てぶちまけた。
□ □ □
身振り手振りでトイレの重要さを語った俺は息切れしてしまった。
「ハアハア... ...。で、どうでしょうか皆さん?」
「... ...」
「... ...」
「... ...」
三人は顔を見合わせる。
くっ... ...!
ダメだったか... ...。
俺の便所に対する思いはこいつらには伝わらなかったか... ...。
肩を落とし、落胆していると魔法少女と婆が立ち上がり俺に拍手を送る。
「_____え?」
俺は驚いた。
魔法少女は提案を受け入れてくれると思わなかったからだ。
続いてゴーレムも拍手を送る。
思いが人に伝わった... ...。
不覚にも頬を伝うものを皆に見られてしまった。
職を転々としてきた俺は自分の思いを真剣に人に伝えたことがなかった。
言ったとしても多少ふざけて言っていた。
そんな俺は人に信用されない人間にいつの間にかなっていて、段々と居場所がなくなり、その度に職を変えてきた。
「みんな... ...」
_____水洗トイレを異世界に作る。
フレーズだけ聞くと少しふざけているかもしれないが、俺にとっては大きな一歩。
そして、夜明けを待って計画を実行に移すことにした。
______「ゴーレムの森 トイレ」_______
「まずは現状を知っていただこう」
先ず、三人に現状を知ってもらうためにトイレの臭いを嗅ぐように促す。
三人は軽く抵抗。
「いやよ! 臭いに決まっているじゃない!」
「そうだみそ! 臭いみそ!」
「同感じゃ!」
このような反発があるのは想定の範囲内。
俺はひよらずに続ける。
「そうだ! トイレは臭い! それは何故だか分かるかな!? 魔法少女よ!」
魔法少女を指差し、回答を求めるが、魔法少女は顔を赤らめモジモジ。
「なんで、私が答えなきゃいけないのよ!」
「ん~。答えられないのかなあ~?」
ニヤニヤしながら、魔法少女の事を見る。
すると魔法少女に殴られた。
本当、こいつは冗談が通じない。
まあ、そこが可愛いのだが。
「はいっ! 先生! うんこがあるからですみそ!」
ノリが良いゴーレム幼女はピンと背筋を伸ばして手を上げる。
「はい! ゴーレムさん正解です! 正解したのでスーパー太君をあげましょう」
太君が大便をして踏ん張ってる様子をフィギュアにしたものをあげた。
「うわ~! 糞いらねえみそ!」
ゴーレムはスーパー太君をボットン便所にボットン。
「では、そのうんこが無くなれば臭くないですよね?」
主導権を俺に戻し、三人に同意を求める。
うんこという直接的な単語を言わなければ魔法少女も会話に参加してくれ、三人とも、問いに頷く。
「なので! うんこを水で流します!」
三人はバラツキながらも拍手。
どうやら、俺の言っている事を理解出来ていないようだ。
□ □ □
とりあえず、ゴーレムに指示を出し、城の近くに流れていた小川の上にトイレを作らせた。
便器はもちろん洋式。
扉もつけてレンガ調の立派なトイレが完成。
三匹の子豚で言う三男のやつ。
「素晴らしい出来だ! 流石、ゴーレム!」
「へへへ~」
屈託ない表情でゴーレムは笑う。
容姿は大人びてしまったが屈託ないその表情は幼女のまま。
美人でボインのゴーレムもいいが、幼女のゴーレムの姿も恋しくなってきた。
俺ってもしかしてロリコンなのかな?
「よし! 魔法少女よ! うんこしろ!」
この流れで魔法少女に排泄を促すと案の定、ボクサー並みの右ストレートが俺の頬をかすった。
まあ、殴られることは覚悟しての発言だったので致し方ない。
渋々だが、俺が初めての脱糞を試してみる事になった。
頭の中ではBBクイーンズのテーマ曲が流れている。
扉を開け、ズボンを脱ぎ、便座に座る。
恐らく、人間はこの動作を死ぬまでに5億回くらいするだろう。
その光景を三人は外から見守るのであった。
____ぽちゃん。
波紋がおき、太陽の光に反射され、水面が揺れる。
しばらくして、トイレの扉がゆっくり開けると目の前には俺の合図を待つ三人の姿。
俺はそんな三人に応えるように天に向けて、勝利のガッツポーズを掲げる。
「完成だ... ...」
三人は歓声を上げ、俺を英雄のように祝福。
気持ちはもう、隕石の落下から人類を救った男のようだ。
「お前らも中に入ってみろ! 全然、におわないぞ!」
三人はサザ〇さんのエンディングのように愉快にトイレに駆け込んだ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
199
1 / 3
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる