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蜜月
六話
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(潤弥さんはとても優しい、いや優しすぎると私は思う)
傷に薬をつけながら、美苑は心を痛めた。
「優しすぎます」
「・・・」
部下が死んで傷つき、人殺し呼ばわりされて傷つかない人がいるだろうか。
「オレからすれば、美苑の方が優しいが」
「私で良ければ、いつでも話し相手になりますよ」
ふ、と潤弥が胸元で笑う。
「誘っているのか?」
「へ?」
口づけられ、美苑は身体をよじる。
「だ、ダメです」
「他の男には、するなよ」
抱きしめられ、まだ潤弥が震えている事に胸が痛む。
ー ぁりがとう、美苑 ー
小さな呟きに、美苑は涙を流した。
(こんなに優しい人が、なぜ軍人にならなければならないのか?平成の平和な時代に育った私には理解出来なかった)
「何で、軍人になったか?」
洋右は、目を通していた書類から顔を揚げた。
「はい」
「おれは、家が軍人貴族だからかな。代々の長男・・ても、うちはオレ一人だが」
「俺は、知覧のお茶の老舗問屋だ。特にやりたいことがなくてな」
「今も、やりたいことが無いですか?」
美苑の顔が曇る。
「美苑さん、その言い方」
そう言ったのは、季世の想い人である藤岡智志だった。
「藤岡さんは?」
「え、あーなんだろう。招集が来て、ここに行けって言われたから?」
「気持ちはわかるよ。僕だって、ほんの一年か二年の兵役だと」
雪杜が翳りのある瞳をしていた。
柚子と結ばれ、生きたいと思う気持ちが強くなったのだ。
「オレは、あと何人・・送るんだろうな」
潤弥の悲しい呟きが、耳から離れなかった。泣くことも、公には許されない。
食事も喉を通らず、潤弥も一登も洋右も一回り痩せた。
泣き腫らした目を、他人に見られたくなかった。なのに、美苑は執務室に入った。
「こんな、姿・・お前に見られたく・・・」
潤弥は寝落ちした。
「潤弥さん、あなたは何故」
軍人になったんですか?
そう言いかけた言葉を、美苑は飲み込んだ。美苑の膝で静かに寝息を立てる潤弥を、今は休ませてやりたかった。
「大好き、潤弥さん」
額にそっと、口づけた。
どのくらい、時間が過ぎたのか。気づくと、潤弥が美苑を見つめていた。
「いつ、起きたんですか?」
「大好き、潤弥さん・・のあとかな」
「やだ」
あのあと、美苑も惰眠を貪った。
「恥ずかしい。起こしてくだされば」
「いや、美苑を眺めている時間ができた。ありがとう、美苑」
頭を引き寄せ、口づける。
「お前は、ホントに良い女だ」
「なに、言って」
「美苑、いつか・・産んでくれるか?」
突然の求愛に、美苑は瞬く。
「今すぐじゃない。女学校を卒業して、二十歳を過ぎてからでいい」
涙があふれ、美苑は俯く。
「考えてくれ。オレは、お前がいい」
傷に薬をつけながら、美苑は心を痛めた。
「優しすぎます」
「・・・」
部下が死んで傷つき、人殺し呼ばわりされて傷つかない人がいるだろうか。
「オレからすれば、美苑の方が優しいが」
「私で良ければ、いつでも話し相手になりますよ」
ふ、と潤弥が胸元で笑う。
「誘っているのか?」
「へ?」
口づけられ、美苑は身体をよじる。
「だ、ダメです」
「他の男には、するなよ」
抱きしめられ、まだ潤弥が震えている事に胸が痛む。
ー ぁりがとう、美苑 ー
小さな呟きに、美苑は涙を流した。
(こんなに優しい人が、なぜ軍人にならなければならないのか?平成の平和な時代に育った私には理解出来なかった)
「何で、軍人になったか?」
洋右は、目を通していた書類から顔を揚げた。
「はい」
「おれは、家が軍人貴族だからかな。代々の長男・・ても、うちはオレ一人だが」
「俺は、知覧のお茶の老舗問屋だ。特にやりたいことがなくてな」
「今も、やりたいことが無いですか?」
美苑の顔が曇る。
「美苑さん、その言い方」
そう言ったのは、季世の想い人である藤岡智志だった。
「藤岡さんは?」
「え、あーなんだろう。招集が来て、ここに行けって言われたから?」
「気持ちはわかるよ。僕だって、ほんの一年か二年の兵役だと」
雪杜が翳りのある瞳をしていた。
柚子と結ばれ、生きたいと思う気持ちが強くなったのだ。
「オレは、あと何人・・送るんだろうな」
潤弥の悲しい呟きが、耳から離れなかった。泣くことも、公には許されない。
食事も喉を通らず、潤弥も一登も洋右も一回り痩せた。
泣き腫らした目を、他人に見られたくなかった。なのに、美苑は執務室に入った。
「こんな、姿・・お前に見られたく・・・」
潤弥は寝落ちした。
「潤弥さん、あなたは何故」
軍人になったんですか?
そう言いかけた言葉を、美苑は飲み込んだ。美苑の膝で静かに寝息を立てる潤弥を、今は休ませてやりたかった。
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額にそっと、口づけた。
どのくらい、時間が過ぎたのか。気づくと、潤弥が美苑を見つめていた。
「いつ、起きたんですか?」
「大好き、潤弥さん・・のあとかな」
「やだ」
あのあと、美苑も惰眠を貪った。
「恥ずかしい。起こしてくだされば」
「いや、美苑を眺めている時間ができた。ありがとう、美苑」
頭を引き寄せ、口づける。
「お前は、ホントに良い女だ」
「なに、言って」
「美苑、いつか・・産んでくれるか?」
突然の求愛に、美苑は瞬く。
「今すぐじゃない。女学校を卒業して、二十歳を過ぎてからでいい」
涙があふれ、美苑は俯く。
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