後宮物語〜 秋桜 〜

絵麻

文字の大きさ
11 / 16
後宮物語〜 秋桜 〜

十話

しおりを挟む
 国王が崩御し、蒼河の異母兄である王太子が即位した。
「蒼河様、世弟に冊立おめでとうございます」
 結真をはじめ、皆が頭を下げる。
「ありがとう」

「さあ、今日は祝賀の宴よ」
「結真様には、何を着ていただこうかしら」

 皆が準備に張り切る。
「え、私も宴に?」
「当たり前だろう。国王陛下も参加せよ、と言っているのだ。結真、これからは堂々としろ。私が王位を継げば、お前は国母だ」
「!」

 結真は泣きたくなる気持ちで、宴の会場に向かう。結真の席は、蒼河の隣だ。
「蒼河さ」
 宴の最中、蒼河が結真に触れる。
「ダメ、こんな・・ん」
 漏れそうになる喘ぎを、結真は懸命に堪える。
「世子嬪様?お顔が紅いようですが」
「少し、酒に寄ったようだな。風に当たるか」
「あ」
 結真を抱き上げ、蒼河は宴席を中座する。

「あ・・ダメ、こんな」
 宴席が行われる隣室で、結真は抱かれた。
「皆様が」
「こんなに糸をひいて、指では足りないか」
「やだぁ」
 硬く勃ち上がったモノが、一気に挿入り込む。

「んっ――んぅ」
 指で口を押さえるが、蒼河に引き剥がされる。
「口を開け、我慢するな」
「ダメっ、聞かれちゃ」
「尚宮達は別室で楽しんでいる、気づきもしないさ」
 集中してくれ、と蒼河は激しく突き上げ始める。

 硬い・・イッちゃ

 背中を仰け反り、結真は絶頂を迎えた。

「はぁ・・ん、あ」
「大丈夫か?」
 行為が終わり、結真は淫れた息に頬を染める。
「も、なんで」
 そんなに盛るのか、と結真は蒼河を睨めつける。
「可愛いからだ、結真が可愛い過ぎるからだ」
「ばかぁ」
 涙を浮かべ、結真はしがみつく。服が汚れるからと、指で白濁を掻き出される。
「――――ッ」
 また、結真は絶頂した。

「世子嬪、具合は大丈夫か?」
 国王に訊ねられ、結真は「はい」と頷いた。
「無理はせず、辛いなら宮で休みなさい」
「ありがとうございます、王妃様」
 結真は笑顔を見せた。

(まさか、隣室で伽をしてたなんて、バレたら恥ずかしくて死んじゃう)
 隣で何もなかった顔をしている蒼河を、結真は恨めしく思った。

「世子嬪」
 王妃が呼びかける。
「はい、王妃様」
「今度、遊びに来てくれぬか?その、河泪を連れて・・・」
「はい!」
 この宴で、結真と王妃は仲良くなった。

「いつ、新王妃と話した?」
「フフ、蒼河様が他の殿下と話している間です。好きな菓子やお茶とか、色々です。王妃様、とっても楽しい方で、他の后の方達も」
「そうか」
「あ、でも今日みたいなこと、もうなさらないで下さいね?恥ずかしくて、死にそうでした」
「恥ずかしいだけか?」
 と、蒼河が抱きしめ囁く。
「んっ」
 結真が反論する前に、口づけられる。
「あぅっ」
「まだ、濡れている」
「やだぁ」
 抱き上げ、結真は寝所に運ばれた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢

さら
恋愛
 名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。  しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。  王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。  戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。  一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

屋上の合鍵

守 秀斗
恋愛
夫と家庭内離婚状態の進藤理央。二十五才。ある日、満たされない肉体を職場のビルの地下倉庫で慰めていると、それを同僚の鈴木哲也に見られてしまうのだが……。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

靴屋の娘と三人のお兄様

こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!? ※小説家になろうにも投稿しています。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...