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ワーウルフの要望
しおりを挟むいや本当スライム反則でしょ。
打撃効かないし、爪で引っ掻いてもすぐ再生するし、牙で噛み付いてもスライムボディにはダメージ無しって、ガチ目にチートだよね。
一応強そうな相手は俺が倒して、何とか面目保ったけど、数は………。
ほら、強者を従えるのもトップの仕事…とかなんとか言い訳を……。
『いやー、やっぱりスライムには勝てないか』
『スライムが『アルジ』とか呼んでるんだから、アイツ人族のクセにスライムに勝ったって事か?』
『スライムに勝つ奴になんて、勝てるわけないよな』
いやー、武器で勝った俺としてはムズムズします…。
シーズンバトルを邪魔した理由を説明して、人族相手に手を出さない、戦いたい時は魔族の町に来て、そこに居る戦いたい奴と戦う事を約束させる。
「あ、後訪ねたいんだけど、走るの早いよね?」
ちょっと気になって確かめてみる。
『勿論だぜ!』
「森の中や他の場所も詳しい?」
『ああ、この大地全て走り回ってるからな』
「ならお願いがあるんだけど…」
町を作ったとしても、後から合流する人達への伝達や、後々人族と交易するとしても、連絡を伝える術がない。
スマホみたいな物があれば良いけど、あの残念女神の世界だからねぇ。
だからワーウルフの人達が、手紙や何やかやを運んでくれたらありがたいかな、と思い立ったのでお願いしてみる。
「結構深い森や点在する林なんかを早く、正確に手紙や伝言を伝えたりしたいんだけど、あなた達なら速さもスタミナもあるから、きっとあっと言う間に駆け回って貰えるかな、と思ったんだけど」
『なんだよなんだよ、魔族の中でも一番の速さとスタミナ、両方兼ね備えてるって言ったら俺達だぜ』
『そうそう、早いだけとかスタミナだけって奴らは居ても、両方って言ったら俺達だよな』
照れた様に頭を掻くワーウルフたち。
お?なんかいい感じかな?
「それでどうでしょう?お願い出来ますか?」
『そりゃあ、強い奴の言う事聞くのは当然だな』
『ああ、負けちまったのはこっちなんだからなんでも言えよ』
『しかも走るのなんて、頼み事になんか入んねえよ』
『だあな』
ワーウルフの気が良いのか、魔族って皆こう言うノリなのかはわからないけど、快く引き受けてくれた。
「あ、でもどうやってあなた達に連絡と連絡取れば良いかなぁ」
犬笛とか?
『それなんだけどさあ…』
これについては彼らの方から提案が有った。
彼らは遠吠えで伝達が出来るので、交代で何人か俺たちについて来て、残りは今まで通りの生活を送るのはどうかとの事。
こちらとしても、この大所帯をゾロゾロ引き連れて歩くのは無理なのでありがたい。
『その代わりっちゃあなんだけど、ついて行ってる奴らの特権として、ちょこちょこと力試し頼むわ』
「できる範囲でいいかな?」
『ああ、俺達は走るのと戦うのが趣味だからな。
強い相手と戦うのが楽しいんだ。
できれば毎日って言いたいけどな、あんたにも都合があるだろうし。
あ、勿論そっちのスライムでも良いぜ』
まあ僕もほぼ毎日アンズと鍛錬してるのだから、鍛錬相手が増えたと思えば良いか。
旅の間は気力体力共に毎日はどうかと思うけど、町さえ出来てしまえば問題ないだろう。
毎日誰か彼かに戦いは挑まれるんだろうから。
「旅の間は毎日は難しいかもしれませんが、落ち着いてからなら大丈夫だと思いますよ。
それでよければよろしくお願いします」
『おお、こっちこそ宜しくな』
おお、ワーウルフのシッポがブンブン揺れてる。
そのうち触らせてもらえないかな。
こうしてワーウルフとの交渉も終わった。
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