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第11話 帰還
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王都での会議は、無事に終わった。
ルーヴェンの共生事業は高く評価され、ユリスの資料説明も見事に成功した。
領主代理としての役目を果たし、胸を張って帰れる。
――それでも、帰りの馬車の中、ユリスの表情は少し曇っていた。
朝からずっと、ガルドはどこか距離を取っていた。
視線が合うたび、わずかに逸らす。
必要な言葉以外はほとんど交わさない。
昨夜のあの抱擁と口づけが、まるで夢のように遠く感じられた。
(……僕、何か嫌われるようなことした?)
馬車の車輪が、砂利を踏む音だけを響かせる。
いつもの穏やかな空気が、今日は重たく感じる。
隣にいるのに、手を伸ばすことができない。
外の空が金色に染まり始めた頃、ガルドがぽつりと呟いた。
「……疲れていないか」
「え?」
「顔色が悪い。少し休め」
「……平気です。昨日、ちゃんと休めたので」
「そうか」
会話が、それきり途切れた。
馬車の揺れに合わせて、ユリスの心も揺れる。
気まずさと切なさが混ざって、胸がきゅうっと痛んだ。
(昨日のあれは……やっぱり、ガルドさんにとって一時の気の迷いだったのかな)
自分の手の甲を見つめながら、ユリスは小さく息を吐いた。
あの手に触れられた夜の感覚が、まだ残っているのに。
それを忘れたかのように、彼は黙ったままだ。
◇
ルーヴェンへ戻る頃には、夜が深まり始めていた。
領主館の灯が見える。
懐かしい街の風が頬を撫でる。
それでもユリスの心は、晴れなかった。
「……ただいま、ですね」
「ああ」
門の前で馬車を降りると、ガルドは手際よく荷を降ろした。
まるでいつも通りの護衛任務のように、淡々としている。
そんな姿を見つめながら、ユリスはついに耐えきれなくなった。
「……ガルドさん」
「なんだ」
「どうして……僕のこと、避けてます?」
ガルドの手が止まった。
振り向いた瞳が、驚いたように揺れる。
けれどユリスは続けた。
「僕、何かしましたか? 嫌われるようなこと……」
「……違う」
「じゃあ、なんで……昨日あんなに優しかったのに、今日になって急に距離を置くんですか。僕……混乱します」
声が震えた。
胸の奥から出る言葉が、止まらなかった。
「僕、ガルドさんに触れたことも、キスされたことも、本当に嬉しかった。夢みたいだった。でも、あれがただの気まぐれだったなら――僕はどうしたらいいんですか?」
夜風が通り抜けた。
ランタンの明かりがふたりの間を照らす。
ガルドは拳を握りしめ、ゆっくりと息を吐いた。
「……違う。気まぐれなんかじゃない」
「じゃあ、どうして……」
「――自制が難しいからだ」
「……え?」
「お前に触れると、自分を抑えられなくなる。せめて、この街に戻るまではと、我慢していた」
ガルドの声は、かすかに震えていた。
大柄な体が、ほんの少しだけ俯いている。
「俺は狼族だ。血も本能も、戦うためにできている。
なのに、お前みたいに繊細で優しい人間を自制もせずに抱きしめたら――きっと、壊してしまう」
ユリスは静かに近づいた。
彼の胸元に手を伸ばし、その手を包み込むように握る。
「……壊れてもいいです」
「ユリス」
「言ったじゃないですか。何されてもいいって。昨夜伝えたことは僕の本心です。あなたに“この人に全部預けたい”って思ったんです。それに、ガルドさんに壊されるなら、怖くありません。だって、あなたが僕を大切に思ってくれること、ちゃんと知ってますから」
琥珀の瞳が見開かれた。
言葉を失ったガルドの胸に、ユリスがそっと顔を埋める。
その頬に、彼の鼓動が伝わった。
「ガルドさん……僕、あなたが好きです。自分だけでそういう不安を抱えないで。僕だって、あなたに寄り添いたいんです。守られるばかりじゃ嫌です」
ガルドは少し迷うように目を泳がせた。
ユリスはその目を見つめ、言葉を待った。
ガルドはゆっくりと手を伸ばし、ユリスの頬を包む。
抑えきれない欲に指先が震える。
少し強く引き寄せると、ガルドの胸にユリスの顔が当たった。
ガルドの熱が、鼓動が、ユリスに伝わる。
「……すまない。抑えられそうにない」
「いいんです。……抑えないで」
ガルドはそのまま抱き上げ、ユリスの部屋に着くまで言葉はなかった。
部屋に着くと、明かりもつけずにベッドにユリスを降ろした。
ガルドの外套を脱ぐ音が聞こえる。
ユリスは今更のように恥ずかしくなって、俯いた。ベッドが軋む。
いつの間にか目の前にガルドが迫ってきていた。
獲物を捕らえるような野生を感じさせる目に、ユリスの身体がゾクッとする。
「あ……」
目が合うと同時に、唇が重なった。
最初は、戸惑うように。
次第に熱が深まっていく。
互いの息が絡み、夜の静寂が溶ける。
「……ユリス」
「ん……っ」
「愛している」
「んっ……僕も……」
ガルドにしがみつき、ユリスの拙い様子に愛しさが増す。
「ユリス、こういうことは……?」
「……は、初めて……です」
ガルドに耳元で聞かれ、顔を逸らした。恥ずかしそうに答えたユリスにガルドは嬉しそうに「そうか」と返す。
「あの、……嬉しいんですか?」
「当然だ。真っ新なお前の身体に……俺だけが刻み込めるのだろう?」
そこで言葉を切り、熱の籠った視線をユリスに向ける。
視線を逸らさず、ユリスの唇を指先でなぞる。
「……お前は俺だけを知っていればいい」
「はい……ガルドさん」
「いい子だ、ユリス。……可愛いお前を見せてくれ」
そう囁くと、ユリスの首筋を軽く甘噛みし、舐める。
ユリスの身体はそれだけでビクビクと震えた。
「んんっ……はぁ……」
「大丈夫だ、なるべく優しくする」
抱きしめ合いながら、風がふたりの髪を揺らした。
ルーヴェンの夜空に、銀の月が浮かぶ。
その光が、まるで二人の誓いを祝福するように降り注いでいた。
◇
朝方、ガルドはそっとベッドを抜け、ユリスが目を覚ましていないことを確認すると、領主館の玄関ホールに向かった。
昨夜、置きっぱなしにしてしまった荷物を運ぶために片づけていると、突然領主が声を掛けてきた。
「お疲れ様でした。ガルド」
「閣下、こんな早くにどうされました?」
「いや、本当は二人の報告を昨夜待っていたんだけどね。何やらそんな余裕はなかった……のかな?」
ガルドは珍しく動揺して、言葉を失った。
領主はなんてことないようにクスクスと笑いながら、言った。
「いいんだよ。報告はあとで聞かせておくれ」
「は、必ず」
「……あれは可愛いだろう?彼は私の大事な部下だ。もちろん、君もだけど。……悲しませるようなことはしないでくれよ。あの子の笑顔はこの街に必要なんだ」
「承知しております」
「そうか。よろしく頼む」
ガルドは深く頭を下げた。
領主が去った後、息を吐いた。
荷物を抱えると、ユリスの部屋まで急いだ。
ユリスがまだ寝ていることを確認し、ベッドにもう一度入った。
しばらくユリスの寝顔を眺め、そっと抱き寄せるようにすると、自分も目を閉じた。
ルーヴェンの共生事業は高く評価され、ユリスの資料説明も見事に成功した。
領主代理としての役目を果たし、胸を張って帰れる。
――それでも、帰りの馬車の中、ユリスの表情は少し曇っていた。
朝からずっと、ガルドはどこか距離を取っていた。
視線が合うたび、わずかに逸らす。
必要な言葉以外はほとんど交わさない。
昨夜のあの抱擁と口づけが、まるで夢のように遠く感じられた。
(……僕、何か嫌われるようなことした?)
馬車の車輪が、砂利を踏む音だけを響かせる。
いつもの穏やかな空気が、今日は重たく感じる。
隣にいるのに、手を伸ばすことができない。
外の空が金色に染まり始めた頃、ガルドがぽつりと呟いた。
「……疲れていないか」
「え?」
「顔色が悪い。少し休め」
「……平気です。昨日、ちゃんと休めたので」
「そうか」
会話が、それきり途切れた。
馬車の揺れに合わせて、ユリスの心も揺れる。
気まずさと切なさが混ざって、胸がきゅうっと痛んだ。
(昨日のあれは……やっぱり、ガルドさんにとって一時の気の迷いだったのかな)
自分の手の甲を見つめながら、ユリスは小さく息を吐いた。
あの手に触れられた夜の感覚が、まだ残っているのに。
それを忘れたかのように、彼は黙ったままだ。
◇
ルーヴェンへ戻る頃には、夜が深まり始めていた。
領主館の灯が見える。
懐かしい街の風が頬を撫でる。
それでもユリスの心は、晴れなかった。
「……ただいま、ですね」
「ああ」
門の前で馬車を降りると、ガルドは手際よく荷を降ろした。
まるでいつも通りの護衛任務のように、淡々としている。
そんな姿を見つめながら、ユリスはついに耐えきれなくなった。
「……ガルドさん」
「なんだ」
「どうして……僕のこと、避けてます?」
ガルドの手が止まった。
振り向いた瞳が、驚いたように揺れる。
けれどユリスは続けた。
「僕、何かしましたか? 嫌われるようなこと……」
「……違う」
「じゃあ、なんで……昨日あんなに優しかったのに、今日になって急に距離を置くんですか。僕……混乱します」
声が震えた。
胸の奥から出る言葉が、止まらなかった。
「僕、ガルドさんに触れたことも、キスされたことも、本当に嬉しかった。夢みたいだった。でも、あれがただの気まぐれだったなら――僕はどうしたらいいんですか?」
夜風が通り抜けた。
ランタンの明かりがふたりの間を照らす。
ガルドは拳を握りしめ、ゆっくりと息を吐いた。
「……違う。気まぐれなんかじゃない」
「じゃあ、どうして……」
「――自制が難しいからだ」
「……え?」
「お前に触れると、自分を抑えられなくなる。せめて、この街に戻るまではと、我慢していた」
ガルドの声は、かすかに震えていた。
大柄な体が、ほんの少しだけ俯いている。
「俺は狼族だ。血も本能も、戦うためにできている。
なのに、お前みたいに繊細で優しい人間を自制もせずに抱きしめたら――きっと、壊してしまう」
ユリスは静かに近づいた。
彼の胸元に手を伸ばし、その手を包み込むように握る。
「……壊れてもいいです」
「ユリス」
「言ったじゃないですか。何されてもいいって。昨夜伝えたことは僕の本心です。あなたに“この人に全部預けたい”って思ったんです。それに、ガルドさんに壊されるなら、怖くありません。だって、あなたが僕を大切に思ってくれること、ちゃんと知ってますから」
琥珀の瞳が見開かれた。
言葉を失ったガルドの胸に、ユリスがそっと顔を埋める。
その頬に、彼の鼓動が伝わった。
「ガルドさん……僕、あなたが好きです。自分だけでそういう不安を抱えないで。僕だって、あなたに寄り添いたいんです。守られるばかりじゃ嫌です」
ガルドは少し迷うように目を泳がせた。
ユリスはその目を見つめ、言葉を待った。
ガルドはゆっくりと手を伸ばし、ユリスの頬を包む。
抑えきれない欲に指先が震える。
少し強く引き寄せると、ガルドの胸にユリスの顔が当たった。
ガルドの熱が、鼓動が、ユリスに伝わる。
「……すまない。抑えられそうにない」
「いいんです。……抑えないで」
ガルドはそのまま抱き上げ、ユリスの部屋に着くまで言葉はなかった。
部屋に着くと、明かりもつけずにベッドにユリスを降ろした。
ガルドの外套を脱ぐ音が聞こえる。
ユリスは今更のように恥ずかしくなって、俯いた。ベッドが軋む。
いつの間にか目の前にガルドが迫ってきていた。
獲物を捕らえるような野生を感じさせる目に、ユリスの身体がゾクッとする。
「あ……」
目が合うと同時に、唇が重なった。
最初は、戸惑うように。
次第に熱が深まっていく。
互いの息が絡み、夜の静寂が溶ける。
「……ユリス」
「ん……っ」
「愛している」
「んっ……僕も……」
ガルドにしがみつき、ユリスの拙い様子に愛しさが増す。
「ユリス、こういうことは……?」
「……は、初めて……です」
ガルドに耳元で聞かれ、顔を逸らした。恥ずかしそうに答えたユリスにガルドは嬉しそうに「そうか」と返す。
「あの、……嬉しいんですか?」
「当然だ。真っ新なお前の身体に……俺だけが刻み込めるのだろう?」
そこで言葉を切り、熱の籠った視線をユリスに向ける。
視線を逸らさず、ユリスの唇を指先でなぞる。
「……お前は俺だけを知っていればいい」
「はい……ガルドさん」
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そう囁くと、ユリスの首筋を軽く甘噛みし、舐める。
ユリスの身体はそれだけでビクビクと震えた。
「んんっ……はぁ……」
「大丈夫だ、なるべく優しくする」
抱きしめ合いながら、風がふたりの髪を揺らした。
ルーヴェンの夜空に、銀の月が浮かぶ。
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「いや、本当は二人の報告を昨夜待っていたんだけどね。何やらそんな余裕はなかった……のかな?」
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領主はなんてことないようにクスクスと笑いながら、言った。
「いいんだよ。報告はあとで聞かせておくれ」
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「……あれは可愛いだろう?彼は私の大事な部下だ。もちろん、君もだけど。……悲しませるようなことはしないでくれよ。あの子の笑顔はこの街に必要なんだ」
「承知しております」
「そうか。よろしく頼む」
ガルドは深く頭を下げた。
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