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最終話 幸せをくれる人
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夜が明けきる前の静かな時間、律は深い眠りに落ちていた。
隼人はそんな律の横で、静かにタオルを手に取っていた。
――無理、させたかもしれない。
いつも冷静で凛とした律が、今は力を抜いて眠っている。
その姿に胸が締め付けられる。
隼人は濡らしたタオルで、律の肌をそっと拭った。
乱れたシャツを脱がせ、新しいものに着替えさせる。
できるだけ律を起こさないように、慎重に、丁寧に。
作業を終えると、テーブルに置いてあったミネラルウォーターを取り、キャップを緩めてベッドサイドに置いた。
いつ目を覚ましてもすぐ飲めるように。
そしてベッドの縁に腰を下ろし、眠る律の髪を撫でた。
濡れた黒髪を指先で梳くたび、胸の奥がじんわりと温かくなる。
「……すいません、大事にしたいと思ってたのに、俺……」
誰に聞かせるでもなく、小さく呟く。
そのとき、律のまぶたがわずかに震え、ゆっくりと開いた。
「……はやと?」
かすれた声。まだ眠気の残る瞳が隼人を捉える。
「起こしましたか」
「……ん、なんか……撫でられてた気がする」
微笑むように呟いて、律は目を細めた。
「……きもちいい」
「体は大丈夫ですか?」
隼人は静かに聞くと、もう一度律の髪に指を通した。
律は赤くなった頬を枕に埋めながら、小さく囁く。
「……ん、ちょっと…痛い」
「すいません。止まれませんでした」
「ふふ、隼人の気持ちが伝わってくるみたいで、うれしかった」
律はそのまままた眠りについた。
隼人の胸の奥が熱くなる。
その言葉に応えるように、彼はさらに優しく律の髪を撫で続けた。
カーテンの隙間から差し込む朝の光に、律はまぶたを震わせて目を覚ました。
視界の端に映ったのは、ベッドの端に腰を下ろしてコーヒーを飲む隼人の姿。
「……おはようございます」
低い声が穏やかに響く。
「……おはよ」
寝起きの声で返した瞬間、昨夜の出来事が一気に脳裏に蘇った。
――自分からキスをした。
――そのあと、隼人の理性を吹き飛ばした。
――体を拭かれて、着替えまで……。
「っ……!」
律は布団を頭まで引き上げた。
「どうしました」
隼人の落ち着いた声が追いかけてくる。
「な、なんでもないっ!」
布団の中から返すが、耳まで真っ赤になっているのは隠しようがない。
隼人はコーヒーを置き、ゆっくりと布団の端を引っ張った。
「……顔、見せてください」
「や、やだ!」
「どうしてですか」
「昨夜のこと思い出したら……恥ずかしいに決まってるだろ!」
叫ぶように言ったあと、自分で余計に赤面してしまう。
隼人はわずかに口元を緩め、布団越しに律の頭を撫でた。
「……俺は、幸せでした」
「っ……!」
律はさらに布団に潜り込み、声にならない呻きを漏らした。
照れ隠しのために、律は枕を抱きしめながら小さく呟いた。
「……俺だって……」
その呟きに、隼人の大きな手が優しく律を布団ごと抱き締める。
「はい」
もぞもぞと顔を出し、隼人に手を伸ばす。
「……もっとぎゅって」
「はは、律さん、本当に可愛いですね」
隼人は律を力いっぱい抱き、意地悪な顔で囁く。
「それだけ動けるなら、もう少し強く抱いても大丈夫そうですね?」
「~~~っ!?」
昨夜の熱がまだ残ってるような隼人の声に、律は言葉を失う。
こぼれた笑い声が二人の間を柔らかく包んだ。
隼人はそんな律の横で、静かにタオルを手に取っていた。
――無理、させたかもしれない。
いつも冷静で凛とした律が、今は力を抜いて眠っている。
その姿に胸が締め付けられる。
隼人は濡らしたタオルで、律の肌をそっと拭った。
乱れたシャツを脱がせ、新しいものに着替えさせる。
できるだけ律を起こさないように、慎重に、丁寧に。
作業を終えると、テーブルに置いてあったミネラルウォーターを取り、キャップを緩めてベッドサイドに置いた。
いつ目を覚ましてもすぐ飲めるように。
そしてベッドの縁に腰を下ろし、眠る律の髪を撫でた。
濡れた黒髪を指先で梳くたび、胸の奥がじんわりと温かくなる。
「……すいません、大事にしたいと思ってたのに、俺……」
誰に聞かせるでもなく、小さく呟く。
そのとき、律のまぶたがわずかに震え、ゆっくりと開いた。
「……はやと?」
かすれた声。まだ眠気の残る瞳が隼人を捉える。
「起こしましたか」
「……ん、なんか……撫でられてた気がする」
微笑むように呟いて、律は目を細めた。
「……きもちいい」
「体は大丈夫ですか?」
隼人は静かに聞くと、もう一度律の髪に指を通した。
律は赤くなった頬を枕に埋めながら、小さく囁く。
「……ん、ちょっと…痛い」
「すいません。止まれませんでした」
「ふふ、隼人の気持ちが伝わってくるみたいで、うれしかった」
律はそのまままた眠りについた。
隼人の胸の奥が熱くなる。
その言葉に応えるように、彼はさらに優しく律の髪を撫で続けた。
カーテンの隙間から差し込む朝の光に、律はまぶたを震わせて目を覚ました。
視界の端に映ったのは、ベッドの端に腰を下ろしてコーヒーを飲む隼人の姿。
「……おはようございます」
低い声が穏やかに響く。
「……おはよ」
寝起きの声で返した瞬間、昨夜の出来事が一気に脳裏に蘇った。
――自分からキスをした。
――そのあと、隼人の理性を吹き飛ばした。
――体を拭かれて、着替えまで……。
「っ……!」
律は布団を頭まで引き上げた。
「どうしました」
隼人の落ち着いた声が追いかけてくる。
「な、なんでもないっ!」
布団の中から返すが、耳まで真っ赤になっているのは隠しようがない。
隼人はコーヒーを置き、ゆっくりと布団の端を引っ張った。
「……顔、見せてください」
「や、やだ!」
「どうしてですか」
「昨夜のこと思い出したら……恥ずかしいに決まってるだろ!」
叫ぶように言ったあと、自分で余計に赤面してしまう。
隼人はわずかに口元を緩め、布団越しに律の頭を撫でた。
「……俺は、幸せでした」
「っ……!」
律はさらに布団に潜り込み、声にならない呻きを漏らした。
照れ隠しのために、律は枕を抱きしめながら小さく呟いた。
「……俺だって……」
その呟きに、隼人の大きな手が優しく律を布団ごと抱き締める。
「はい」
もぞもぞと顔を出し、隼人に手を伸ばす。
「……もっとぎゅって」
「はは、律さん、本当に可愛いですね」
隼人は律を力いっぱい抱き、意地悪な顔で囁く。
「それだけ動けるなら、もう少し強く抱いても大丈夫そうですね?」
「~~~っ!?」
昨夜の熱がまだ残ってるような隼人の声に、律は言葉を失う。
こぼれた笑い声が二人の間を柔らかく包んだ。
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