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第3話:泡沫の洗礼と、塗り替えられる肌の記憶
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「さて、お腹も満たされたことだし、次は体を綺麗にしようか」
食後の紅茶を飲み終えたタイミングを見計らったように、宵さんが言った。
彼の言う「綺麗にする」が、単なる入浴を意味しないことくらい、ここまでの彼の行動を見ていれば嫌でも理解できてしまう。
「あの、お風呂くらい、ひとりで入れます……っ」
「だめだ。言っただろう? 君の手は僕に触れるためにあるんだ。自分の体を洗うなんて雑用、させるわけにはいかない」
問答無用だった。
私は再び彼に軽々と抱き上げられ、ダイニングから続く別の扉へと連れて行かれた。
そこは、私が今まで住んでいた安アパートの部屋がまるごと入ってしまうような、広大で豪華なバスルームだった。大理石の床、ジャグジー付きの巨大な浴槽からは、すでに芳しい香りの湯気が立ち上っている。
「さあ、脱いで。それとも、僕が脱がしてあげようか?」
「じ、自分で脱ぎます……っ!」
彼の手を借りたら、脱ぐだけで何分かかるか分からない。私は慌てて、身につけていたブカブカのYシャツのボタンを外した。
シャツが床に落ち、裸の体が露わになる。途端に、全身に散らばる赤いキスマークが目に飛び込んできた。
「……っ」
恥ずかしさで腕で胸を隠そうとすると、宵さんがその腕を優しく、けれど強引に解いた。
「隠さなくていい。僕がつけた愛の証だろう? とても綺麗だよ」
彼の熱っぽい視線が、私の全身をねっとりと舐め回す。見られているだけなのに、肌の表面がチリチリと熱を帯びていくのが分かった。
彼は私をジャグジーの中へと誘った。温かいお湯に浸かると、緊張で強張っていた体が少しだけ解れる。
だが、それも束の間だった。
「こっちへおいで。背中を流してあげる」
彼が手招きする。逆らえない私は、おずおずと彼の足の間に背中を預ける形で座った。
「……美羽。君の肌は、こんなに傷んでしまって」
たっぷりと泡立てた最高級のスポンジが、私の肩から背中を滑る。
「ブラック企業での過労、ストレス、栄養失調……。君を粗末に扱った連中の痕跡が、まだ残っている」
彼の声には、静かだが深い怒りが滲んでいた。
スポンジの動きは羽毛のように優しいのに、彼が私の「過去の傷」に触れるたび、胸の奥が締め付けられるように痛む。
「でも、もう大丈夫。僕が全部、洗い流してあげるから」
彼の言葉通り、泡に包まれた彼の手が、私の体の隅々までを丁寧に洗い清めていく。
最初は背中、次は腕、そして――。
「ひゃっ……っ!」
スポンジが胸の膨らみを通過した瞬間、敏感な先端が擦れて、思わず変な声が出た。
「おや、ここは少し汚れているね。念入りに洗わないと」
「ちが、そこは、だめっ……汚れてないです、から……っ!」
私の抗議など聞こえていないかのように、彼の大きな手が、泡ごしに私の胸を包み込んだ。
くにゅっ、と柔らかい肉が彼の指の間で変形する。
「ん……、ぁ……っ」
洗われているだけ。そう自分に言い聞かせても、昨夜の快感を記憶した体が、彼の刺激に過敏に反応してしまう。
「ふふ、可愛い声。……次は、ここだね」
彼の手が下腹部へと滑り降りる。太ももの内側を開かれ、最も恥ずかしい場所に、温かい泡が触れた。
「っ! や、やだ、宵さんっ、そこは自分で……っ!」
「だめだよ。一番大切な場所なんだから、僕が一番丁寧に扱ってあげないと」
彼の長い指が、秘裂のひだを優しくなぞる。
ちゅぷ、ぬちゅ……。
お湯と泡、そして私自身から滲み出た蜜が混ざり合い、いやらしい水音が浴室に響いた。
「あ……っ、んぅ……っ、や……そんな、丁寧に、あらわないでぇ……っ」
恥ずかしさで涙目になりながら首を振るけれど、彼の指は執拗に、敏感な蕾の周りをくるくると円を描くように刺激する。
「いい子だ。力を抜いて。君の汚い過去は全部このお湯に溶かして、これからは僕が与える快楽の記憶だけで満たしていけばいい」
「あ、あっ、んあぁっ……♡」
ただ体を洗われているだけなのに。
彼の「君を綺麗にする」という名目での愛撫は、どんな乱暴な行為よりも私の理性を溶かしていく。
ブラック企業で罵倒され続けた私が、こんなにも大切に、壊れ物を扱うように触れられている。その事実が、奇妙な熱となって下腹部に溜まっていく。
結局、私は彼の手によって、指一本動かせないほどトロトロになるまで「洗浄」され続けた。
入浴後、バスタオルに包まれて浴室を出た私は、彼に抱えられたまま隣の部屋へと移動した。
そこは、壁一面が巨大なウォークインクローゼットになっていた。
「わ……」
ずらりと並んでいるのは、見たこともない高級ブランドのドレスやワンピース、靴、バッグ。
「ここにあるものは全部、君の新しい服だ。好きなものを選ぶといい」
呆然とする私に、宵さんは楽しそうに微笑みかけ、私の濡れた髪にキスを落とした。
「君は僕のお姫様なんだから、世界で一番美しいものを身に纏う義務がある。……まあ、一番美しいのは、何も纏っていない君の姿だけどね」
耳元で囁かれた甘い毒に、私の体はまた、反応して震えてしまった。
雨の路地裏で拾われた野良猫は、こうして飼い主の手によって綺麗に洗われ、美しい首輪をつけられていく。
ここが檻の中だと分かっていても、与えられる温かさと甘い痺れが心地よくて、私はもう、外の世界の寒さを思い出せなくなり始めていた。
【続く】
食後の紅茶を飲み終えたタイミングを見計らったように、宵さんが言った。
彼の言う「綺麗にする」が、単なる入浴を意味しないことくらい、ここまでの彼の行動を見ていれば嫌でも理解できてしまう。
「あの、お風呂くらい、ひとりで入れます……っ」
「だめだ。言っただろう? 君の手は僕に触れるためにあるんだ。自分の体を洗うなんて雑用、させるわけにはいかない」
問答無用だった。
私は再び彼に軽々と抱き上げられ、ダイニングから続く別の扉へと連れて行かれた。
そこは、私が今まで住んでいた安アパートの部屋がまるごと入ってしまうような、広大で豪華なバスルームだった。大理石の床、ジャグジー付きの巨大な浴槽からは、すでに芳しい香りの湯気が立ち上っている。
「さあ、脱いで。それとも、僕が脱がしてあげようか?」
「じ、自分で脱ぎます……っ!」
彼の手を借りたら、脱ぐだけで何分かかるか分からない。私は慌てて、身につけていたブカブカのYシャツのボタンを外した。
シャツが床に落ち、裸の体が露わになる。途端に、全身に散らばる赤いキスマークが目に飛び込んできた。
「……っ」
恥ずかしさで腕で胸を隠そうとすると、宵さんがその腕を優しく、けれど強引に解いた。
「隠さなくていい。僕がつけた愛の証だろう? とても綺麗だよ」
彼の熱っぽい視線が、私の全身をねっとりと舐め回す。見られているだけなのに、肌の表面がチリチリと熱を帯びていくのが分かった。
彼は私をジャグジーの中へと誘った。温かいお湯に浸かると、緊張で強張っていた体が少しだけ解れる。
だが、それも束の間だった。
「こっちへおいで。背中を流してあげる」
彼が手招きする。逆らえない私は、おずおずと彼の足の間に背中を預ける形で座った。
「……美羽。君の肌は、こんなに傷んでしまって」
たっぷりと泡立てた最高級のスポンジが、私の肩から背中を滑る。
「ブラック企業での過労、ストレス、栄養失調……。君を粗末に扱った連中の痕跡が、まだ残っている」
彼の声には、静かだが深い怒りが滲んでいた。
スポンジの動きは羽毛のように優しいのに、彼が私の「過去の傷」に触れるたび、胸の奥が締め付けられるように痛む。
「でも、もう大丈夫。僕が全部、洗い流してあげるから」
彼の言葉通り、泡に包まれた彼の手が、私の体の隅々までを丁寧に洗い清めていく。
最初は背中、次は腕、そして――。
「ひゃっ……っ!」
スポンジが胸の膨らみを通過した瞬間、敏感な先端が擦れて、思わず変な声が出た。
「おや、ここは少し汚れているね。念入りに洗わないと」
「ちが、そこは、だめっ……汚れてないです、から……っ!」
私の抗議など聞こえていないかのように、彼の大きな手が、泡ごしに私の胸を包み込んだ。
くにゅっ、と柔らかい肉が彼の指の間で変形する。
「ん……、ぁ……っ」
洗われているだけ。そう自分に言い聞かせても、昨夜の快感を記憶した体が、彼の刺激に過敏に反応してしまう。
「ふふ、可愛い声。……次は、ここだね」
彼の手が下腹部へと滑り降りる。太ももの内側を開かれ、最も恥ずかしい場所に、温かい泡が触れた。
「っ! や、やだ、宵さんっ、そこは自分で……っ!」
「だめだよ。一番大切な場所なんだから、僕が一番丁寧に扱ってあげないと」
彼の長い指が、秘裂のひだを優しくなぞる。
ちゅぷ、ぬちゅ……。
お湯と泡、そして私自身から滲み出た蜜が混ざり合い、いやらしい水音が浴室に響いた。
「あ……っ、んぅ……っ、や……そんな、丁寧に、あらわないでぇ……っ」
恥ずかしさで涙目になりながら首を振るけれど、彼の指は執拗に、敏感な蕾の周りをくるくると円を描くように刺激する。
「いい子だ。力を抜いて。君の汚い過去は全部このお湯に溶かして、これからは僕が与える快楽の記憶だけで満たしていけばいい」
「あ、あっ、んあぁっ……♡」
ただ体を洗われているだけなのに。
彼の「君を綺麗にする」という名目での愛撫は、どんな乱暴な行為よりも私の理性を溶かしていく。
ブラック企業で罵倒され続けた私が、こんなにも大切に、壊れ物を扱うように触れられている。その事実が、奇妙な熱となって下腹部に溜まっていく。
結局、私は彼の手によって、指一本動かせないほどトロトロになるまで「洗浄」され続けた。
入浴後、バスタオルに包まれて浴室を出た私は、彼に抱えられたまま隣の部屋へと移動した。
そこは、壁一面が巨大なウォークインクローゼットになっていた。
「わ……」
ずらりと並んでいるのは、見たこともない高級ブランドのドレスやワンピース、靴、バッグ。
「ここにあるものは全部、君の新しい服だ。好きなものを選ぶといい」
呆然とする私に、宵さんは楽しそうに微笑みかけ、私の濡れた髪にキスを落とした。
「君は僕のお姫様なんだから、世界で一番美しいものを身に纏う義務がある。……まあ、一番美しいのは、何も纏っていない君の姿だけどね」
耳元で囁かれた甘い毒に、私の体はまた、反応して震えてしまった。
雨の路地裏で拾われた野良猫は、こうして飼い主の手によって綺麗に洗われ、美しい首輪をつけられていく。
ここが檻の中だと分かっていても、与えられる温かさと甘い痺れが心地よくて、私はもう、外の世界の寒さを思い出せなくなり始めていた。
【続く】
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