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落としどころ
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「どうぞ」
M銀行の頭取室に入る。
ソファの両端に監査役と舅、反対側に黒崎が座って真ん中に頭取が掛けている。この体制なら周平は黒崎側に座ることになるだろう。
「そろそろ結論を出しませんか?」
頭取が口を開く。
「もともと同じ穴の貉だったんですから、確かにいろいろ動きましたからねそれぞれが」
「そもそもS銀行の頭取とは話がついたのですか?」
黒崎が口を開く。
「そうですね。S銀行さんも営業本部長を系列の不動産会社に送ります。赤坂はもともとこちらが始めだしたものですからね。ただ銀行が直接できないもので何社かに相談しました」
淡々と話す。
「M商事もここまで来たら整理しないとと思いますが、会長も力をつけられて容易には降ろせないとこに来ています。それに当銀行の出向社長が役割を忘れて」
ははあと力なく笑う。
「彼にも別の仕事で帰ってもらいます。とは言え」
「刑事事件まで起こしています」
黒崎が監査役を始めとした事件について言っているようだ。
「そうです。それなりの落としどころが必要ですね。ただまだ公にできないことも多くあります。それにそんなにうまく解決できるかもわかりません。思いがけない時代の力が動いています。新しい人たちの力もついてきていますしね」
「思わない力とは?」
相談役が初めて口をはさむ。
「一つはバブルですよ。日本は力以上に伸びすぎました。それに合わせて自由化の流れが止められません。まずこのメンバーでは停戦としましょう」
「止めれない流れも?」
黒崎が旗手社長たちの流れを指して言っている。
「それは仕方がないですよ。それが時代が求めているのなら」
M銀行の頭取室に入る。
ソファの両端に監査役と舅、反対側に黒崎が座って真ん中に頭取が掛けている。この体制なら周平は黒崎側に座ることになるだろう。
「そろそろ結論を出しませんか?」
頭取が口を開く。
「もともと同じ穴の貉だったんですから、確かにいろいろ動きましたからねそれぞれが」
「そもそもS銀行の頭取とは話がついたのですか?」
黒崎が口を開く。
「そうですね。S銀行さんも営業本部長を系列の不動産会社に送ります。赤坂はもともとこちらが始めだしたものですからね。ただ銀行が直接できないもので何社かに相談しました」
淡々と話す。
「M商事もここまで来たら整理しないとと思いますが、会長も力をつけられて容易には降ろせないとこに来ています。それに当銀行の出向社長が役割を忘れて」
ははあと力なく笑う。
「彼にも別の仕事で帰ってもらいます。とは言え」
「刑事事件まで起こしています」
黒崎が監査役を始めとした事件について言っているようだ。
「そうです。それなりの落としどころが必要ですね。ただまだ公にできないことも多くあります。それにそんなにうまく解決できるかもわかりません。思いがけない時代の力が動いています。新しい人たちの力もついてきていますしね」
「思わない力とは?」
相談役が初めて口をはさむ。
「一つはバブルですよ。日本は力以上に伸びすぎました。それに合わせて自由化の流れが止められません。まずこのメンバーでは停戦としましょう」
「止めれない流れも?」
黒崎が旗手社長たちの流れを指して言っている。
「それは仕方がないですよ。それが時代が求めているのなら」
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