4 / 182
伯爵4
しおりを挟む
「鼠小僧と総司はこちらに来てくれ?」
伯爵が戻って来て机に座る。
「今から出かけるから付いてくるのだ」
伯爵と出掛けるのは初めてのことだ。明治の街中を歩くのも初めてだ。和洋折衷の人達が混じりあっている。そういう中ではジーパンにTシャツの私と侍の総司も不思議には映らないようだ。人力車に乗った伯爵の後を1時間歩くと洋館の建物が出てくる。広い庭を抜けると立派な玄関が出てくる。
伯爵は慣れているようでドアを開け廊下を地下に降りて行く。͡この地下のドアでは伯爵がノックする。するとゆっくりドアが開く。
「ようこそ」
と握手をしてくるのは1,8メートルを超える白髪の外国の老人だ。
「この二人が?」
「そうです。彼らはトラベラーです」
と言ってから伯爵が、
「ウィリアム候はイギリスの代表で来られている。であるが本来博士として付き合っている。トラベラーを研究しているのだ。源内から聞かなかったか?」
博士は分厚い本を出してきて開いてみせる。伯爵は横文字を読めるらしく頷いている。
「確かにトラベラーは数は多くないがいるのだ。ただこちらから向こうに行くことには成功してません」
と言いながら博士は二人の体を眺めまわしている。それから英語で話す。
「どうかな?」
「難しい?」
「鼠小僧は従順ですが、総司は難しい」
と手を上げて答えて伯爵がこちらに向いて困った顔で言う。
「二人に裸になってほしいと言われている」
総司の表情が険しくなっている。胸元に手を突っ込んでいる。
「刀三昧は駄目ですよ」
すると総司がすらりと着物を脱いだ。胸が膨らんでいてあるべきものがない。女だったのだ。私も慌てて裸になる。博士はさして驚くふうでもなく体中を調べまわる。
伯爵が戻って来て机に座る。
「今から出かけるから付いてくるのだ」
伯爵と出掛けるのは初めてのことだ。明治の街中を歩くのも初めてだ。和洋折衷の人達が混じりあっている。そういう中ではジーパンにTシャツの私と侍の総司も不思議には映らないようだ。人力車に乗った伯爵の後を1時間歩くと洋館の建物が出てくる。広い庭を抜けると立派な玄関が出てくる。
伯爵は慣れているようでドアを開け廊下を地下に降りて行く。͡この地下のドアでは伯爵がノックする。するとゆっくりドアが開く。
「ようこそ」
と握手をしてくるのは1,8メートルを超える白髪の外国の老人だ。
「この二人が?」
「そうです。彼らはトラベラーです」
と言ってから伯爵が、
「ウィリアム候はイギリスの代表で来られている。であるが本来博士として付き合っている。トラベラーを研究しているのだ。源内から聞かなかったか?」
博士は分厚い本を出してきて開いてみせる。伯爵は横文字を読めるらしく頷いている。
「確かにトラベラーは数は多くないがいるのだ。ただこちらから向こうに行くことには成功してません」
と言いながら博士は二人の体を眺めまわしている。それから英語で話す。
「どうかな?」
「難しい?」
「鼠小僧は従順ですが、総司は難しい」
と手を上げて答えて伯爵がこちらに向いて困った顔で言う。
「二人に裸になってほしいと言われている」
総司の表情が険しくなっている。胸元に手を突っ込んでいる。
「刀三昧は駄目ですよ」
すると総司がすらりと着物を脱いだ。胸が膨らんでいてあるべきものがない。女だったのだ。私も慌てて裸になる。博士はさして驚くふうでもなく体中を調べまわる。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる