夢の橋

夢人

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総司2

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「私がいない時ってあるのですか?」
「いないということは?」
 最近は源内の部屋にいることが多い。源内は消えてしまった女囚のシンボルが消えた空間をフラスコに入れて電気を流している。
「いないことはよくあるがこの世からいなくなっているのかどうかは分からない。だが鼠をフラスコにいてれ実験してみるのもいいかもしれない」
「やってみたらどうなると思いますか?」
「恐らく解明できないように思うな?」
「どうしてですか?」
「時間の継ぎ目は人間には見えないし、時間の長さも測れない。例えば鼠には総司と会ているときが記憶の中で圧倒的に大きい」
「私は今避けられています」
「馬鹿ね」
 干し物を抱えて入ってきた源内の娘が笑って言う。
「総司はね、人と係わることを極端に避けてきた。それが今二人の人間と係わり始めた」
「二人?」
「斎藤一と鼠よ。どちらも総司と縁があるようだわ」
「私は嫌われている」
「総司は好き嫌いと言う感覚も初めてなのよ。私は総司も心の中に入ると凍りつきそうになるわ」
 私は部屋を出ると書斎に戻る。そこに帰ってきた総司が胡坐をかく。これが源内が言う時間の記憶の強さなのだろうか。総司の目が私を睨んでいる。
「どうして私を睨むの?」
 総司の声に私はびくりとした。
 






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