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出会う13
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村山たかは峠を越えて回復に向かっている。ここ5日総司が責任を感じて地下室で看病に当たっている。
あの日から2度スパイらしい男が屋敷に忍び込んだ。さらに警察の見張りも強化された。蜘蛛が裏木戸から覗いて指を指す。
「総司止めるんだ」
私が声をかける。路地の石に掛けているのは斎藤一だ。総司が木戸から出て歩き出す。
「総司か?強くなったな?」
「私は念者だと?」
「覚えていたか?」
総司が腰を引いて刀に手をかけた。だが斎藤一はゆっくると後ろに下がる。
「今日は争う気がない。調査を頼まれたのだ。ここの入ったスパイは殺されたか?」
「・・・」
「岩倉殿が抱えるスパイだ。村山たかの生まれ変わりだと言われている」
私は短銃を懐で握った。
「生まれ変わりなどと信じられる?」
「岩倉殿は信じているようだ。たかは井伊直弼の女だったのだ。祇園にいた時に岩倉は通ったと言っていた」
伯爵も同じことを言っていた。
「だがお前も総司の生まれ変わりだと疑っている。昔から人が乗り移ると言うことが信じられている。生きている総司は抱けなかったがお前なら抱けそうな気がする」
「それなら勝負して勝ったら抱けば?」
「馬鹿な?死体を抱く気はないさ」
「なぜ警官などになった?」
「新選組がなくなって次に人を殺してもいい仕事が警官だったのさ。川路とは敵味方で剣を交えたこともあった。その川路に拾われたのだからな」
そう言うとゆっくり立ち上がり後ろに下がる。
あの日から2度スパイらしい男が屋敷に忍び込んだ。さらに警察の見張りも強化された。蜘蛛が裏木戸から覗いて指を指す。
「総司止めるんだ」
私が声をかける。路地の石に掛けているのは斎藤一だ。総司が木戸から出て歩き出す。
「総司か?強くなったな?」
「私は念者だと?」
「覚えていたか?」
総司が腰を引いて刀に手をかけた。だが斎藤一はゆっくると後ろに下がる。
「今日は争う気がない。調査を頼まれたのだ。ここの入ったスパイは殺されたか?」
「・・・」
「岩倉殿が抱えるスパイだ。村山たかの生まれ変わりだと言われている」
私は短銃を懐で握った。
「生まれ変わりなどと信じられる?」
「岩倉殿は信じているようだ。たかは井伊直弼の女だったのだ。祇園にいた時に岩倉は通ったと言っていた」
伯爵も同じことを言っていた。
「だがお前も総司の生まれ変わりだと疑っている。昔から人が乗り移ると言うことが信じられている。生きている総司は抱けなかったがお前なら抱けそうな気がする」
「それなら勝負して勝ったら抱けば?」
「馬鹿な?死体を抱く気はないさ」
「なぜ警官などになった?」
「新選組がなくなって次に人を殺してもいい仕事が警官だったのさ。川路とは敵味方で剣を交えたこともあった。その川路に拾われたのだからな」
そう言うとゆっくり立ち上がり後ろに下がる。
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