夢の橋

夢人

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出会う14

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 天皇から大久保利通と会うように伯爵は言われたようで、蜘蛛が車夫に総司が書生姿で人力車で屋敷を出た。
 私は源内に頼まれて地下室に降りる。ベットに村山たかが手錠をはめられ横になって源内が上半身裸のたかの縫った糸を抜いている。
「後は頼んだぞ」
と源内は出て行く。
「伯爵は?」
 どうも目を覚ましているようだ。
「大久保殿に会いに行った」
「岩倉と大久保は同じように見えて仲は悪いわ。どちらか言うと私は西郷の方が好きだったわ」
「でも岩倉のスパイをしていた。聞きたいことがあるのだけど?」
「ならワインを1杯下さらない?」
 私はワインを棚から取ってきて入れる。
「君は生まれ変わりと言われているけどどうなの?」
 総司と同じタイプかもしれない。消えた黒揚羽とは違うタイプだ。
「娘ではないけど、私は晩年の村山たかには可愛がられていた。やはり孤児で寺に引き取られていた。それでたっぷり彼女の話を聞かされた。最後は復讐の鬼になっていたと思う」
「村山たかは死んだ?」
「ある日姿が消えた。尼さんは山に籠ったと言っていたけど死に場所を求めて消えたのだと思う」
 伯爵も言うようにたかは逃げる様相がない。
「確かに私の中に強烈な記憶を残していった。私は見たことない直弼も思い描けるし、彼女が短銃をくれて教えてくれた。あなたの短銃はまだ未熟よ。生まれ変わりと言うより二重人格だと思うわ」
 総司も二重人格なのだろうか。
「総司は女ね?」





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