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出会う15
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「手錠を外して書斎に入れてあげなさい」
書斎にいたみんなが呆気にとられた。蜘蛛と総司が地下に降りた。伯爵は賭場の方に出て行った。
「伯爵とは一番長い付き合いですね?」
「古いと言っても10年も経たないさ。村山たかのことが聞きたいのだな?」
源内は床の座布団に座った。
「いつだったか1度飲んだ席で古い話を懐かしくしたことがあったさ。恐らく独り言だったのだろうな。京都でまだ勤王の獅子たちと伯爵が組んでいた頃だ。京の茶屋に幕府の取り締まりが乱入した。伯爵もその中にいたそうだ。それは直弼の手のものだった」
「たかが手引きをしたのですね?」
「12人が逮捕され、そのうち5人が獄門に上がった。その時伯爵は厠に行っていた。出てきた時芸子だったたか廊下で出くわした。裏木戸から出て行きなさいと言われて命拾いしたそうだ」
私はその時の景色を思い浮かべた。伯爵はその時の借りを返したのだろうか。
「初恋だよ」
しばらくして蜘蛛と総司が村山たかを連れて部屋に入ってきた。
「痛みはあるか?」
「肌が引っ張られるような痛さが」
「後は時薬だな」
と言うと部屋を出て行く。
「私を釈放すれば危ないよ」
「伯爵の決定だから」
不満そうに総司が言う。
「私総司の横に寝るけど構わないでしょ?」
「私の横では?」
と私は口を挟む。
「いいよ」
覚悟したように総司が言った。たかを切ったのは総司だ。逃げる前に借りを返すことが考えられる。
書斎にいたみんなが呆気にとられた。蜘蛛と総司が地下に降りた。伯爵は賭場の方に出て行った。
「伯爵とは一番長い付き合いですね?」
「古いと言っても10年も経たないさ。村山たかのことが聞きたいのだな?」
源内は床の座布団に座った。
「いつだったか1度飲んだ席で古い話を懐かしくしたことがあったさ。恐らく独り言だったのだろうな。京都でまだ勤王の獅子たちと伯爵が組んでいた頃だ。京の茶屋に幕府の取り締まりが乱入した。伯爵もその中にいたそうだ。それは直弼の手のものだった」
「たかが手引きをしたのですね?」
「12人が逮捕され、そのうち5人が獄門に上がった。その時伯爵は厠に行っていた。出てきた時芸子だったたか廊下で出くわした。裏木戸から出て行きなさいと言われて命拾いしたそうだ」
私はその時の景色を思い浮かべた。伯爵はその時の借りを返したのだろうか。
「初恋だよ」
しばらくして蜘蛛と総司が村山たかを連れて部屋に入ってきた。
「痛みはあるか?」
「肌が引っ張られるような痛さが」
「後は時薬だな」
と言うと部屋を出て行く。
「私を釈放すれば危ないよ」
「伯爵の決定だから」
不満そうに総司が言う。
「私総司の横に寝るけど構わないでしょ?」
「私の横では?」
と私は口を挟む。
「いいよ」
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