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幕末の終わり9
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今朝は長姉が出かけて昼前に伯爵が人力車で出ることになった。蜘蛛は朝から裏山に入っている。たが付き添うと言ったが伯爵が私と総司を指名した。どうも長姉から伯爵は何か言われているようだ。それで屋敷ではたかとの接触を避けているようだ。たかも分かっているようで部屋の中の残っている。
路地を出て広い道に出るところで警察の検問を受けた。
「あの中に斎藤一がいました」
書生姿の総司が言う。私は少し離れて付いている。見たところ10人程の警官がいるようだが、他にも配置されているようだ。
「京都府庁に行く」
と言うなり伯爵は目を閉じている。40分ほどで府庁の前に着き人力を降り中に入る。
「斎藤一が2人の警官を連れて後ろを付いてきている」
「一は任す」
私は伯爵に付いて府知事室に入る。そのまま執務室に通される。私は部屋に入り伯爵の後ろに立つ。白髪の混じった紳士が伯爵と握手する。
「鹿児島からは誰が来るのでしょう?」
「分からんが彼らと話してももう止めることはできないよ」
「最後の努力はしたいと思う」
「あの夜もそう言ったな?私も君も京から追い出されて長州に下った。追い出したのは西郷達だ。だが再び京に迎えたのも彼らだ。分かった連絡するよ」
知事室を出ると総司と斎藤一が睨み合っている。私は慌てて総司の近くに走る。このままでは切り合いになると思ったのだ。だが総司は首を横に振る。確かに一は剣を握りもしていない。一は私の方を見ると背中を見せて歩き出した。
「どうした?」
伯爵が後ろから声をかける。
「岩倉が次の刺客を送ったらしい。原田左之助が来ると」
「原田左之助は死んだと聞いたが?」
路地を出て広い道に出るところで警察の検問を受けた。
「あの中に斎藤一がいました」
書生姿の総司が言う。私は少し離れて付いている。見たところ10人程の警官がいるようだが、他にも配置されているようだ。
「京都府庁に行く」
と言うなり伯爵は目を閉じている。40分ほどで府庁の前に着き人力を降り中に入る。
「斎藤一が2人の警官を連れて後ろを付いてきている」
「一は任す」
私は伯爵に付いて府知事室に入る。そのまま執務室に通される。私は部屋に入り伯爵の後ろに立つ。白髪の混じった紳士が伯爵と握手する。
「鹿児島からは誰が来るのでしょう?」
「分からんが彼らと話してももう止めることはできないよ」
「最後の努力はしたいと思う」
「あの夜もそう言ったな?私も君も京から追い出されて長州に下った。追い出したのは西郷達だ。だが再び京に迎えたのも彼らだ。分かった連絡するよ」
知事室を出ると総司と斎藤一が睨み合っている。私は慌てて総司の近くに走る。このままでは切り合いになると思ったのだ。だが総司は首を横に振る。確かに一は剣を握りもしていない。一は私の方を見ると背中を見せて歩き出した。
「どうした?」
伯爵が後ろから声をかける。
「岩倉が次の刺客を送ったらしい。原田左之助が来ると」
「原田左之助は死んだと聞いたが?」
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