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夜明け前8
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板垣退助との連携で伯爵の賭場には退助の関係の壮士が増えた。その分血の気が多く蜘蛛が仲裁役に入ることも多く総司も頻繁に呼ばれている。まるで用心棒だ。私は村山たかと伯爵の仕事を受けている。この頃からたかはおしゃれな帽子と洋装で書生の私を引き連れ回している。
伯爵は日本橋に事務所を開いて新聞社を買い取った。伯爵はオーナーで退助の紹介の編集長に5人の社員が働いている。同じ事務所に机を置いて私とたかが座っている。たかは経理担当で私は使い走りだ。やはり伯爵の長姉から資金が出ているようだ。
だが儲かるどころではなく際限なくお金が消えていく。まだ新聞を儲ける仕組みがないのだ。退助はアジびらのように新聞を使ったいるだけだ。壮士の記者は昼から飲んでいる。
「それは不味いですよ?」
たかは営業と称して小料理屋に私を連れ込んで抓むのだ。伯爵は知っているのかどうか。だが総司には知られたくない。たかは昔のくノ一のようなところがある。岩倉のスパイの頃から当たり前のことのようだ。この中で一番働いているのは執事の孫六だ。新聞に載せる広告を確実に取ってくる。
事務所の片隅で私が番をしていると執事が声をかけてくる。
「鼠はたかのお気に入りだね?」
「いえこき使われているのですよ」
「下のものでしょう?」
と笑って言う。
「たかが体に似合わず凄く大きく固いと?」
「まさか伯爵も知っているのですか?」
「もちろんです。もう元気がないからたかを喜ばせれないと嘆いておられます。それで鼠だけは公認ですよ」
「そんなのいりません」
「でも困ったことに黒田清隆と今でも関係があるのですよ」
「同じ薩摩で西郷殿と戦っている?」
「そうです。元々たかは岩倉から黒田清隆の引き込みを任されていたのです」
伯爵は日本橋に事務所を開いて新聞社を買い取った。伯爵はオーナーで退助の紹介の編集長に5人の社員が働いている。同じ事務所に机を置いて私とたかが座っている。たかは経理担当で私は使い走りだ。やはり伯爵の長姉から資金が出ているようだ。
だが儲かるどころではなく際限なくお金が消えていく。まだ新聞を儲ける仕組みがないのだ。退助はアジびらのように新聞を使ったいるだけだ。壮士の記者は昼から飲んでいる。
「それは不味いですよ?」
たかは営業と称して小料理屋に私を連れ込んで抓むのだ。伯爵は知っているのかどうか。だが総司には知られたくない。たかは昔のくノ一のようなところがある。岩倉のスパイの頃から当たり前のことのようだ。この中で一番働いているのは執事の孫六だ。新聞に載せる広告を確実に取ってくる。
事務所の片隅で私が番をしていると執事が声をかけてくる。
「鼠はたかのお気に入りだね?」
「いえこき使われているのですよ」
「下のものでしょう?」
と笑って言う。
「たかが体に似合わず凄く大きく固いと?」
「まさか伯爵も知っているのですか?」
「もちろんです。もう元気がないからたかを喜ばせれないと嘆いておられます。それで鼠だけは公認ですよ」
「そんなのいりません」
「でも困ったことに黒田清隆と今でも関係があるのですよ」
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