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夜明け前14
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東には奥さんの話していたことを伝えた。東はとくに他人名義のカードには興味があるようだった。なぜ私はこの情報を室長に報告せず東に話したのか。この会社整理ではこうした不正は至る所にある。ただ離婚裁判と言うことでマスコミに漏れたのを会社は嫌がっているのだ。
それほど不正の積み重ねが会社を食いつぶした。私の仕事は緩やかに会社を消すことだ。なぜこの仕事を受けたのか。それはやっと入った会社が潰れると聞いた時からどこか絶望と言う部屋に入ってしまったのだろう。
「あまり待てないぞ」
田町駅で私は追いついて東に言った。
「そろそろ仕上げるわ。ちゃんとお礼をするわ」
「私はいいが奥さんに」
「優しいのね?」
ここで反対向きのホームに分かれる。
今日は定時の7時に暖簾を潜る。総司が隣の客におでんを入れている。このおでんの味が常連には評判だ。私がカウンターの前に立つとウインナーが出てくる。ピンクのエプロンはもう彼女の定番になっている。
「お母さんは?」
「病院に行っているの」
「どうした?」
「ぎっくり腰よ。交通事故から繰り返しているの。私昨日夢の中で鼠を追いかけてきたの」
「追いかける?」
いつの間にか店から客が溢れている。私は表からビール箱を運んできて中に入る。総司もおでんを入れるのに精一杯だ。私はワイシャツを捲くって食器を洗う。常連客は別に気にしていないようだ。そう言えば何度か中を手伝ったことがある。
「ごめんね?」
おばさんが戻って来て中に入る。
「座っていてください」
と言っていつの間にか閉店まで中にいた。
それほど不正の積み重ねが会社を食いつぶした。私の仕事は緩やかに会社を消すことだ。なぜこの仕事を受けたのか。それはやっと入った会社が潰れると聞いた時からどこか絶望と言う部屋に入ってしまったのだろう。
「あまり待てないぞ」
田町駅で私は追いついて東に言った。
「そろそろ仕上げるわ。ちゃんとお礼をするわ」
「私はいいが奥さんに」
「優しいのね?」
ここで反対向きのホームに分かれる。
今日は定時の7時に暖簾を潜る。総司が隣の客におでんを入れている。このおでんの味が常連には評判だ。私がカウンターの前に立つとウインナーが出てくる。ピンクのエプロンはもう彼女の定番になっている。
「お母さんは?」
「病院に行っているの」
「どうした?」
「ぎっくり腰よ。交通事故から繰り返しているの。私昨日夢の中で鼠を追いかけてきたの」
「追いかける?」
いつの間にか店から客が溢れている。私は表からビール箱を運んできて中に入る。総司もおでんを入れるのに精一杯だ。私はワイシャツを捲くって食器を洗う。常連客は別に気にしていないようだ。そう言えば何度か中を手伝ったことがある。
「ごめんね?」
おばさんが戻って来て中に入る。
「座っていてください」
と言っていつの間にか閉店まで中にいた。
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