103 / 182
決心3
しおりを挟む
西南戦争の囚人が東京にも連れてこられた。玄道は詳しい記事を連載している。私は写真を習えと言われて記者の1人に付いて回っている。総司は毎日楽しそうだ。話す機会もほとんどない。
今日はその記者と伯爵に呼ばれて人力車に付いて官邸に出かける。ここ最近伯爵が人脈を広げた一人だと言う。
「忙しところを?」
伯爵が伊藤博文に挨拶する。私は新聞で何度か名前を見たことがあった。記者はすでに詳しいことを調べていた。すでに病死した木戸孝允(桂小五郎)の傘下に入る。西郷とか板垣とも見解を異とするが必ずしも岩倉や大久保と同じではない。
「西郷殿は惜しいことをしました。でもあのやり方では難しかったのです」
伯爵は頷いている。伯爵も西郷に感じていたことだ。私は記者に言われて写真を撮る。
「でも岩倉殿や大久保殿のやり方でも難しい。ちょんまげを切ったから欧米と並ぶわけには行きません。近代化が急がれます。まず憲法を作ることです」
とうとうと1刻話が続いて終わった。
官邸を出ると伯爵は別れて迎えに来た蜘蛛と人力車で次の場所に移った。最近の伯爵は忙しい。これは蜘蛛の話だが不平士族の仲間らしい。伯爵は裏の世界でも顔が効くようだ。
私は新聞社に戻って写真を渡して一のいる居酒屋に入る。昨夜は書斎に総司は帰ってこなかった。気になっているのだ。
「総司はもうすぐ来る?」
「泊まったのですか?」
「ああ、飲み過ぎて歩けなかったのだ。それで帰ってから寝床に吐いたのだ。それを洗ってくる」
一は総司を抱いた。
「不平士族の暗殺団ってあるのですか?」
「ああ、警察でもリストを持っている」
「伯爵は詳しいのですか?」
「伯爵も昔はその中の大きな一つだったのさ。もちろん新選組もだが」
今日はその記者と伯爵に呼ばれて人力車に付いて官邸に出かける。ここ最近伯爵が人脈を広げた一人だと言う。
「忙しところを?」
伯爵が伊藤博文に挨拶する。私は新聞で何度か名前を見たことがあった。記者はすでに詳しいことを調べていた。すでに病死した木戸孝允(桂小五郎)の傘下に入る。西郷とか板垣とも見解を異とするが必ずしも岩倉や大久保と同じではない。
「西郷殿は惜しいことをしました。でもあのやり方では難しかったのです」
伯爵は頷いている。伯爵も西郷に感じていたことだ。私は記者に言われて写真を撮る。
「でも岩倉殿や大久保殿のやり方でも難しい。ちょんまげを切ったから欧米と並ぶわけには行きません。近代化が急がれます。まず憲法を作ることです」
とうとうと1刻話が続いて終わった。
官邸を出ると伯爵は別れて迎えに来た蜘蛛と人力車で次の場所に移った。最近の伯爵は忙しい。これは蜘蛛の話だが不平士族の仲間らしい。伯爵は裏の世界でも顔が効くようだ。
私は新聞社に戻って写真を渡して一のいる居酒屋に入る。昨夜は書斎に総司は帰ってこなかった。気になっているのだ。
「総司はもうすぐ来る?」
「泊まったのですか?」
「ああ、飲み過ぎて歩けなかったのだ。それで帰ってから寝床に吐いたのだ。それを洗ってくる」
一は総司を抱いた。
「不平士族の暗殺団ってあるのですか?」
「ああ、警察でもリストを持っている」
「伯爵は詳しいのですか?」
「伯爵も昔はその中の大きな一つだったのさ。もちろん新選組もだが」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる