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生活12
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第1次伊藤内閣が開かれた。伊藤博文を応援していたこともあり新聞社は日本橋の新社屋に移した。書生見習いも入ってきて私は記者の机を与えられた。一葉の2作目の連載も始まっている。今までのような政治一点張りではなく大衆の喜ぶ紙面も出来た。最近はそちらの方が仕事が多い。
伯爵は屋敷にいることが多くなった。となると書斎は私と総司の部屋ではなくなる。伯爵はまた書斎のベットで寝るようになった。それで私と総司はしばらく抱き合うことができなくなっている。だから総司は一と遅くまで飲んで帰ってくる。
「飲まないか?」
伯爵が声をかける。
「これはウイスキーと言う酒だ」
コップに入れてくれる。飲むが旨くない。
「昨日義足の隊長に会いました」
「ああ、暗殺団の?」
「はい。仲間は大陸に流れて行ったと言っていました」
「そうだな。これから朝鮮や中国に進出するという話を伊藤がしていたな?」
何を思い出したか鞄から新聞を出してくる。これは大陸の新聞だ。漢字で書いてある。
「日本人の浪人が大勢流れているようだ。この写真を見てくれ?」
と見せるが画像が潰れていてよく見えない。
「この文章ではここに写っているのは大暴れした日本人の女だ。左利きのガンマンとある」
これはあの隊長が言っていた噂だ。
「この新聞の女を調べてくれ」
と言うとごろりとベットに横になる。もう鼾がしている。
「総司か?」
「ああ、一と飲んでいた。もう少し飲まないか?」
徳利を飲んでそのまま渡す。
「いつまでここに来れるなかなと思っていた」
伯爵は屋敷にいることが多くなった。となると書斎は私と総司の部屋ではなくなる。伯爵はまた書斎のベットで寝るようになった。それで私と総司はしばらく抱き合うことができなくなっている。だから総司は一と遅くまで飲んで帰ってくる。
「飲まないか?」
伯爵が声をかける。
「これはウイスキーと言う酒だ」
コップに入れてくれる。飲むが旨くない。
「昨日義足の隊長に会いました」
「ああ、暗殺団の?」
「はい。仲間は大陸に流れて行ったと言っていました」
「そうだな。これから朝鮮や中国に進出するという話を伊藤がしていたな?」
何を思い出したか鞄から新聞を出してくる。これは大陸の新聞だ。漢字で書いてある。
「日本人の浪人が大勢流れているようだ。この写真を見てくれ?」
と見せるが画像が潰れていてよく見えない。
「この文章ではここに写っているのは大暴れした日本人の女だ。左利きのガンマンとある」
これはあの隊長が言っていた噂だ。
「この新聞の女を調べてくれ」
と言うとごろりとベットに横になる。もう鼾がしている。
「総司か?」
「ああ、一と飲んでいた。もう少し飲まないか?」
徳利を飲んでそのまま渡す。
「いつまでここに来れるなかなと思っていた」
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