夢の橋

夢人

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夢の橋9

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 直行をスケジュールに入れて総司と入籍をしてきてそれから本社の検査部に飛びこんだ。何時もの窓際に室長の姿がない。今日は検査部長だけだ。報告書を出すとじっくり見ている。ここに僅か不良債権の流れに不自然なものがあると追加した。
「よくできている。それを調べるには?」
「しばらく時間がかかります。ところでチーム内が騒然としていて仕事にならないのです」
と連判状を出した。
「室長代行は誰が決めた?」
「分かりません」
「よしこちらで調べて見る。急ぐのだ」
 東に連絡するともう店に出ているそうだ。2時にいつものところでと切った。
 30分前に入ってカレーを頼む。
「いやに早いね?」
「本社に報告書を出してきた。もう仕事していいのか?」
「セックスは出来ないけどね?今室長はどうしているの?」
「検査部で窓際だ」
「それが私のマンションで見かけたのよ。どう思う?」
「検査部では不正を伝えているが資料が消えたと言っている。会長には脅されているようだ」
「だろうね。私を突き落せとでも言われているのね?よし室長をクラブに呼んでマンションに連れ込むわ」
「その怪我でやるのか?」
「睡眠薬で眠らせる」
「怖い女だな?」
 たかのような女だ。だが両腕をなくして生きているだろうか。









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