復讐の芽***藤林長門守***

夢人

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騒乱13

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 筒井の城にたどり着くと兵馬が戻ってきたところだ。茉緒は雑兵に混じり地べたに座る。どうやら隣国の弾正に繋がる豪族を攻めたようだ。茉緒は地図を思い浮かべて弾正派として記されているのを確認した。いよいよ動き出した。だが雑兵の話では5百で攻めたが、修験者の集団に襲われ退却したようだ。5百のうち百を失っている。
 夜には闇にまぎれて城内に入る。
「慎吾の妹でございます」
 屏風の裏から声をかける。順慶はまだ酒を飲んでいる。どうも機嫌がよくない。
「急ぎのようでなければ去れ」
 茉緒は屏風の下からから地図を差し出す。地図を手にして黙っている。
「これは京の三好の屋敷から盗み出したものです」
「百地が動いて作ったのだな?ここまで勢力を張ってきたのか」
 茉緒は覆面を曝した。
「京の様子は?」
「三好と赤松が組んで将軍を担ぎ出そうとしています。でも将軍は動かれないようです」
「どうして?」
「畿内では天下は取れないと踏んでいます」
「どこをあてにしている?」
「今川と聞きました」
「今川か。確かに太守だ。慎吾に至急六角にこの手紙を渡すように」
 順慶は思いついたように手紙を書きだす。六角と組むのだろうか。




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