幸せが終わるとき。(完結)

紫苑

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合鍵。

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貴方は。

私の事が好きですか?

波紋が広がってく問いの答えの先には未来何てない。
私は他の未来を選んだのだから、貴方に抱かれたいなんて願ってはいけないのよ。

それが本当の答えだとしても、

認めたら、

もう引き返せないから。

学校を卒業する日、

私はそんな夢を見た。自分が、重い上がってるのかもしれない。レア以上に、好きになれる人がこの世に居ないのでは、と。ティエを想うと、胸が痛い。罪悪感が押し寄せて、同時にもう一度夢の世界へ行きたいと、眠りそうになる私は最低だ。最低だ…起きて、鏡を見ると私の目は赤かった。

そんな幸せな夢に、夢とは相反する罪な現実。そして、平凡でとても変わらない毎日に、卒業式にはメシア君が「幸せになりなよ」とパシャとデジカメで写真を撮ってくれた。メシア君と会うのはとても久々だったけれど、赤い袴を着たシアンと幸せそうに手を振ってくれた。

「卒業試験、ティアナにしてはギリギリだったね」
「う~、それは言わないでよ~。そして、デジカメに何でそんなに最近写真を撮るの?」
「え…情けないって言わないよな?」
「うん」

笑顔でほほ笑むと、ティエは最近とても不安そうな顔をしている。
その原因が解消されるなら、と沢山デジカメで写真を撮っているけれども、私はいつも誤魔化して笑う。
少し前まで結婚が決まって何の迷いもなかったのに、レアに抱かれる夢を見れば見るほどどうしようもなく、今すぐレアに抱き着いてキスして貰って、性的にべられたいなんて、こんなこと誰にも言えない。

「ティアナが、離れて行ってしまうような気がしてさ…。
俺、ティアナが離れるのが怖いんだ。
情けないけどさ…くだらないことだよな。結婚が決まったのに俺は乙女かってね」
「…ティエは私の事好きですか?」

このタイミング、絶妙で残酷な表現。
何を聞いてるんだろう。
私が好きだって夢で問いかけるのはいつも他の男。
レアがぎゅうっと抱きしめてくれた辺りの最後の別れから私は狂うほどにレアに会いたくなった。
いや、気持ちが乱れるほど、会いたくないのか。
この問いは、ティエが好きだからじゃない。

レアに戻りたいからだ。

自分勝手な冷酷な理由。

こんな自分知りたく何てなかったの。

私は「可愛い」「好きだ」と言ってくれる人を捨てるほどの勇気がない。
ドラマみたいに夢のように貴方の腕に飛び込んで、他は全部要らないなんて。
だから、嘘をつき続けるよ。

貴方の為と言う、
自分自身の身勝手な我儘の保身のために。

「大好きだ!!」

大声で真っ赤になりながら言うと、彼から手に何かを握らされる。
手を開けてみると、心臓が嫌な音を立てた。

「ねぇ、ティアナ。俺本気だから。今夜部屋に来て朝まで過ごせないか…?」

心臓が跳ね上がる。それは、彼の部屋の合鍵。
とうとうかと言う気持ちと、最近の自分の気持ちの変化に恐ろしいほど付いていけない。
心は、貴方に抱かれることを戸惑うのと、誤魔化せない気持ちと、彼の真っすぐな気持ちがとても胸に響いて心臓を大きく叩く。

貴方は、

私の事が好きですか?

ねぇ、レア。

私はやっぱり、

貴方が好きなのよ。

さよならしたのに。
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