幸せが終わるとき。(完結)

紫苑

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WEBサイト版別バージョン編

カロンの猛襲

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土砂降りの雨の中、自分の心も雫に乗って流れた気がした。
何でこんなに夢に出てきて、今も目の前の事に集中できないんだろう。
この気持ちはー…

「-俺、雨音の事好きだった」

明らかな過去形。何故か顔を赤らめ見つめてくるカロンに罪悪感を抱いた。正直な意見のはずで、この気持ちは過去のものだと、自分なりに言い聞かせてるような気分になって切なくなる。

「-そうですか。じゃあ」
「じゃあ?」

自然と聞き返す形になる自分が居た。雨音と共に心臓の動悸が収まらない。

「私の事も考えて貰えませんか。」

顔をじっと見てカロンは逃げない。綺麗で可愛いとその堂々とした姿に不覚にも胸がときめく。
雨音とは違う小さな動悸が、今目の前に居る。堂々とそれでいて嘘がないと分かるとこちらも少し動揺してしまう。その瞬間ドキリと心音は上がる。カロンが指先を絡め、両手を包み込むように握ったからだった。

「好きです。」

潤んだ瞳が近づいてきて、何故か逃げられなかった。それは、雨音の気持ちが確定じゃないというより、自分の自信のない雨音への気持ちを揺るがすほどに感じられない、一瞬の隙をついてハートに直撃してきて逃げられない女々しい動物のようだった。濡れて潤んだ雫に抗えず、

ちゅ、と音を立てて、軽く触れるだけのキスをして、ばっと唇に手を押さえて離れた。

「キスできたということは…満更脈がないわけでもないんですね」

クスと意地悪気に笑うカロン。自分でも何か分からないもやもやが心を覆う。雨音への今の気持ちが過去なのか今なのか分からずの隙を突いて見抜かれてしまった。顔が自分でも赤くなってるのが分かる。それと共に物凄い罪悪感も時に訪れてしまうのだった。

「手を繋いで帰ってもいいですか」

素早く抵抗も虚しくすぐに指を絡めて帰るという非常事態に陥る。何も言わないのを返事と受け取ったカロンは、暫く何も言わず別れるまでずっと手を繋いでいた。

そういえば、

自分が雨音の事ばかり考えていて、

あれからたまにお昼が一緒になるカロンの事をどう思ってるのか、

天気予報のように、

考えたことがなかった。

土砂降りの雨の中、

「雨にびしょぬれで帰るのも乙ですよ」

ふふと意地悪な子猫みたいに微笑むカロン。
その姿を少し可愛いと思ってしまう自分の気持ちが分からない。
ただ分かるのは、罪悪感が半端ない事。

次の日俺は風邪を引いてしまい寝込むことになった。その時雨音からラインが来たことに気が付きもせず。
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