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トリはその足に鎖をつけて
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「あ、そういえば最近ここに新しいパン屋さん出来たんだっけ?」
それは珍しく、午後に6時間ほど予定が空いた日のことだった。
運ばれてくるはずの機材を乗せた車が渋滞に捕まってしまったらしく、撮影は翌日に持ち越すこととなった。こうしてスッポリと抜けてしまった穴を、勇樹は自宅で寝て過ごすと言うので、斎は車で彼の自宅まで送って行った。
その帰り、近くのショピングモールが目に入ったのは本当に偶然のことだった。以前勇樹の出演した番組で、ちょうどそのショッピングモールに入っているパン屋さんの宣伝していたのだ。それも珍しく勇樹が気に入った様子で、なら買って後で持っていってあげよう!と思って、駐車場に車を止めた。
中央広場を抜けた場所あたりに店を見つけ、自分の好きなものと、勇樹の好みのパンを手早く選んで、来た道を帰ろうとする途中、その少女と出会った。正確には見ず知らずの少女が斎の元へと走ってやって来たのだ。
「お母さん!」
オメガでも女性でもない斎にお母さんとは何事かと、足にへばりつく、腰までサラサラの髪を伸ばした少女と視界を合わせるべく、パンの入った袋を抱えてしゃがみこむ。
「えっと……俺は君のお母さんではないんだ。ごめんね?」
小さい子どもの扱いは慣れている方だと思っていた斎だが、さすがに母親と間違えられたことはない。
彼は『母親』とはどういうものかよく分からず、こういう時にどんな対応をするのが適切なのかと、頭の中には疑問ばかりが責め立てる。
すると目の前の少女は悲しそうに瞳いっぱいに涙を募らせた。
「ごめん、なさい……」
ポツリとそう呟いた少女に、言葉の選択を間違ったかと斎は後悔した。
そしてせめて一緒にその母親を探してあげようかと口を開いた途端、彼女は斎の思いもしない言葉を紡ぎ出した。
「樹里がお母さんの手、離して走っちゃったから……お母さん、怒ってるんでしょう? これからはちゃんといい子にするから、ひっ、ぐ……お母さんの子どもじゃないって言わないで……ぇっぐ」
「え! ええっと……」
樹里というらしいその少女はあいもかわらず斎を母親と疑ったままだ。
突き刺さる周囲からの視線も困るが、それよりもどうあやせばいいのかと、どう説明すればいいのかと、過去の経験から答えを導き出そうとすることに必死になる。だがやはりその答えは斎の中に存在しなかった。
「ええっと、樹里ちゃん?」
ここはやはり抱き上げて、迷子センターへと連れて行くべきかと泣いている彼女の顔を覗き込む。
すると頭上からは斎が樹里を呼んだ声と被さるように、低い声が少女を呼んだ。
「樹里!」
「お父さん! ……とお母さん?」
樹里は迎えに来てくれた両親に向かって走り出すことはなく、斎と自分の母親の顔を見比べていた。
「お母さんが、2人?」
混乱した様子の樹里の声に振り返った斎が見たのは、自分と瓜二つの顔の青年だった。身長もちょうど同じくらいだろうその青年、樹もまた自分とよく似た顔をした男の登場に目を見開いて固まっていた。
この場で唯一、混乱していないのは樹里の父であり、斎とも一度顔を合わせたことのある大和ただ一人だ。
「服部さん! 娘の樹里がご迷惑をおかけしました」
「い、いえ……」
斎は謝る大和よりも樹里を抱きかかえる樹に視線を奪われた。
「ああ、紹介しますね。こちら、妻の樹です」
「いつ……き」
その名前に斎の頭の中でシグナルがチカチカと点灯を始めた。
ここに居てはいけないと本能が告げているのに、斎の身体はセメントで足元を固められたように動けないままだった。
「初めまして。金城大和の妻の金城樹といいます」
「あ、ご丁寧にどうも。俺は服部斎と言います」
それでも白井マネージャー仕込みの挨拶は染み付いていて、自然と胸元から名刺を取り出して目の前の『いつき』に差し出していた。
「あなたもいつき、なんですね」
樹はもらった名刺と目の前の、同じ名前の音を持つ青年を見比べていた。
顔も瓜二つで、名前の音も同じ……となれば興味が出てくるのはごく当たり前のことである。
「驚いただろう? 俺も初めて会った時はいっちゃんかと思ったよ」
「だから初めて会った時、金城さんは驚いていたんですね」
「まぁそれだけじゃ、ないけどね……。あ、そうだ、服部さん、樹里が迷惑をかけたお詫びに今度一緒に食事しませんか?」
「いえ、迷惑なんてかけられてませんから、お気になさらず……」
突然の大和からの申し出に斎はやんわりと断りを入れる。
遠慮、というよりは妻と同じ顔の人間と共に食事をするなんてややこしいだろうと。
けれどその断りを阻んだのは驚くべきことに樹里だった。
「ご飯! 行く!」
「樹里もこう言っていますので、迷惑でなければ……ですけど」
純粋な子どもの目でキラキラと見上げられれば、斎は断ることも出来ずに、気がつけば「是非」と口が動いていたのである。
「これ、俺の連絡先。服部さんのは……この名刺にすればいいよね?」
「はい」
こうして流れるようにして大和との連絡先を交換し終えた斎は、夢でも見ていたのだろうか?と不思議な思いで勇樹の自宅へとパンを持っていった。
「やっぱりここのパンは美味しいな。ありがとう、斎」
「いえ、たまたま近くを通っただけですから」
『いつき』――と勇樹の口から発せられるその名前に違和感を覚える斎は再びあの夢のような出来事を思い出す。
けれどそれは夢ではないのだと、大和からもらった、斎の名刺よりも良質な紙で作られた名刺が語っていた。
そしてその数日後、大和からの提案で斎は金城家族と食事をすることとなった。
一番顔を合わせた回数のある大和とだって、その日が3回目だというのに、不思議と斎と彼らは好みが合った。
たった一度の食事で、斎は樹をいっちゃん、大和を大和さん、樹里を樹里ちゃんと呼ぶようになった。
大和は変わらず斎を服部くんと呼んでいたが、樹里と樹は斎をいっくんと呼んだ。
『いっちゃん』と『いっくん』なんて兄弟みたいだなぁと温かな空気に酔った斎は思う。これが家族なのか、とも。
…………けれどその空気は完全に斎を飲み込むことはなかった。
キッカケは樹が大和に、斎とどこで知り合ったのかと聞いたことだった。
大和は初め言葉を濁らせたが、ねぇねぇと妻と娘に揺さぶられた彼はポツリとその答えを漏らした。
「テレビ局で会ったんだよ。服部君は今、橋間のマネージャーで、その時に……」
その言葉に樹は手を垂らした。
樹里は相変わらず「橋間ってだあれ?」と父に尋ねる。
けれどそれは3人にとって踏んではいけない地雷のようなものだったのだ。
「そっか、勇樹……今、役者さんだもんね……」
樹が呟いて口を噤むと、置き去りになってしまった斎に大和は関係性を説明してくれた。
そして斎は三人が同じ学校出身であったことを知った。
樹と勇樹は友人だったことも。
「あの、有名な学園出身なんですね! 俺でも知ってますよ! すごいです!!」
斎はかの有名な学園の名前に驚いたフリをして、空気を和ませた。
大和もその意図に乗って「そんなことはないさ。ねぇ、いっちゃん?」と暗くなってしまった樹に話を振る。
それから話に全く入ってこられなかったために不機嫌になった樹里によって、無理矢理変えられた。それで大人3人が救われたことに彼女は気づいていないだろう。
そのおかげで元の和やかな空気を取り戻し、その場はお開きとなった。
「いっくん! また一緒にご飯食べようね!」
「うん」
純粋な子どもに便乗するように斎が笑って見せると、大和と樹も「また」と笑ってみせた。
けれど全てのピースが揃った斎の目の前には暗闇が広がっていた。
正体のわからなかった『いつき』と『金城 樹』がイコールのものと変わったのである。
斎の劣等感はくすぶっていく。
所詮はベータなのだ。あの手は自分に伸びたものではないのだ。ベータなんて所詮はオメガやアルファの、選ばれし者たちの踏み台になるだけの存在なのだ――と。
そして斎は決意した。
あの日のことは一生口にしてはならないと。勇樹のためには何も言わず、これからも自分を殺して今まで通りの態度を取り続けるのが最善の選択肢なのだと。
それは珍しく、午後に6時間ほど予定が空いた日のことだった。
運ばれてくるはずの機材を乗せた車が渋滞に捕まってしまったらしく、撮影は翌日に持ち越すこととなった。こうしてスッポリと抜けてしまった穴を、勇樹は自宅で寝て過ごすと言うので、斎は車で彼の自宅まで送って行った。
その帰り、近くのショピングモールが目に入ったのは本当に偶然のことだった。以前勇樹の出演した番組で、ちょうどそのショッピングモールに入っているパン屋さんの宣伝していたのだ。それも珍しく勇樹が気に入った様子で、なら買って後で持っていってあげよう!と思って、駐車場に車を止めた。
中央広場を抜けた場所あたりに店を見つけ、自分の好きなものと、勇樹の好みのパンを手早く選んで、来た道を帰ろうとする途中、その少女と出会った。正確には見ず知らずの少女が斎の元へと走ってやって来たのだ。
「お母さん!」
オメガでも女性でもない斎にお母さんとは何事かと、足にへばりつく、腰までサラサラの髪を伸ばした少女と視界を合わせるべく、パンの入った袋を抱えてしゃがみこむ。
「えっと……俺は君のお母さんではないんだ。ごめんね?」
小さい子どもの扱いは慣れている方だと思っていた斎だが、さすがに母親と間違えられたことはない。
彼は『母親』とはどういうものかよく分からず、こういう時にどんな対応をするのが適切なのかと、頭の中には疑問ばかりが責め立てる。
すると目の前の少女は悲しそうに瞳いっぱいに涙を募らせた。
「ごめん、なさい……」
ポツリとそう呟いた少女に、言葉の選択を間違ったかと斎は後悔した。
そしてせめて一緒にその母親を探してあげようかと口を開いた途端、彼女は斎の思いもしない言葉を紡ぎ出した。
「樹里がお母さんの手、離して走っちゃったから……お母さん、怒ってるんでしょう? これからはちゃんといい子にするから、ひっ、ぐ……お母さんの子どもじゃないって言わないで……ぇっぐ」
「え! ええっと……」
樹里というらしいその少女はあいもかわらず斎を母親と疑ったままだ。
突き刺さる周囲からの視線も困るが、それよりもどうあやせばいいのかと、どう説明すればいいのかと、過去の経験から答えを導き出そうとすることに必死になる。だがやはりその答えは斎の中に存在しなかった。
「ええっと、樹里ちゃん?」
ここはやはり抱き上げて、迷子センターへと連れて行くべきかと泣いている彼女の顔を覗き込む。
すると頭上からは斎が樹里を呼んだ声と被さるように、低い声が少女を呼んだ。
「樹里!」
「お父さん! ……とお母さん?」
樹里は迎えに来てくれた両親に向かって走り出すことはなく、斎と自分の母親の顔を見比べていた。
「お母さんが、2人?」
混乱した様子の樹里の声に振り返った斎が見たのは、自分と瓜二つの顔の青年だった。身長もちょうど同じくらいだろうその青年、樹もまた自分とよく似た顔をした男の登場に目を見開いて固まっていた。
この場で唯一、混乱していないのは樹里の父であり、斎とも一度顔を合わせたことのある大和ただ一人だ。
「服部さん! 娘の樹里がご迷惑をおかけしました」
「い、いえ……」
斎は謝る大和よりも樹里を抱きかかえる樹に視線を奪われた。
「ああ、紹介しますね。こちら、妻の樹です」
「いつ……き」
その名前に斎の頭の中でシグナルがチカチカと点灯を始めた。
ここに居てはいけないと本能が告げているのに、斎の身体はセメントで足元を固められたように動けないままだった。
「初めまして。金城大和の妻の金城樹といいます」
「あ、ご丁寧にどうも。俺は服部斎と言います」
それでも白井マネージャー仕込みの挨拶は染み付いていて、自然と胸元から名刺を取り出して目の前の『いつき』に差し出していた。
「あなたもいつき、なんですね」
樹はもらった名刺と目の前の、同じ名前の音を持つ青年を見比べていた。
顔も瓜二つで、名前の音も同じ……となれば興味が出てくるのはごく当たり前のことである。
「驚いただろう? 俺も初めて会った時はいっちゃんかと思ったよ」
「だから初めて会った時、金城さんは驚いていたんですね」
「まぁそれだけじゃ、ないけどね……。あ、そうだ、服部さん、樹里が迷惑をかけたお詫びに今度一緒に食事しませんか?」
「いえ、迷惑なんてかけられてませんから、お気になさらず……」
突然の大和からの申し出に斎はやんわりと断りを入れる。
遠慮、というよりは妻と同じ顔の人間と共に食事をするなんてややこしいだろうと。
けれどその断りを阻んだのは驚くべきことに樹里だった。
「ご飯! 行く!」
「樹里もこう言っていますので、迷惑でなければ……ですけど」
純粋な子どもの目でキラキラと見上げられれば、斎は断ることも出来ずに、気がつけば「是非」と口が動いていたのである。
「これ、俺の連絡先。服部さんのは……この名刺にすればいいよね?」
「はい」
こうして流れるようにして大和との連絡先を交換し終えた斎は、夢でも見ていたのだろうか?と不思議な思いで勇樹の自宅へとパンを持っていった。
「やっぱりここのパンは美味しいな。ありがとう、斎」
「いえ、たまたま近くを通っただけですから」
『いつき』――と勇樹の口から発せられるその名前に違和感を覚える斎は再びあの夢のような出来事を思い出す。
けれどそれは夢ではないのだと、大和からもらった、斎の名刺よりも良質な紙で作られた名刺が語っていた。
そしてその数日後、大和からの提案で斎は金城家族と食事をすることとなった。
一番顔を合わせた回数のある大和とだって、その日が3回目だというのに、不思議と斎と彼らは好みが合った。
たった一度の食事で、斎は樹をいっちゃん、大和を大和さん、樹里を樹里ちゃんと呼ぶようになった。
大和は変わらず斎を服部くんと呼んでいたが、樹里と樹は斎をいっくんと呼んだ。
『いっちゃん』と『いっくん』なんて兄弟みたいだなぁと温かな空気に酔った斎は思う。これが家族なのか、とも。
…………けれどその空気は完全に斎を飲み込むことはなかった。
キッカケは樹が大和に、斎とどこで知り合ったのかと聞いたことだった。
大和は初め言葉を濁らせたが、ねぇねぇと妻と娘に揺さぶられた彼はポツリとその答えを漏らした。
「テレビ局で会ったんだよ。服部君は今、橋間のマネージャーで、その時に……」
その言葉に樹は手を垂らした。
樹里は相変わらず「橋間ってだあれ?」と父に尋ねる。
けれどそれは3人にとって踏んではいけない地雷のようなものだったのだ。
「そっか、勇樹……今、役者さんだもんね……」
樹が呟いて口を噤むと、置き去りになってしまった斎に大和は関係性を説明してくれた。
そして斎は三人が同じ学校出身であったことを知った。
樹と勇樹は友人だったことも。
「あの、有名な学園出身なんですね! 俺でも知ってますよ! すごいです!!」
斎はかの有名な学園の名前に驚いたフリをして、空気を和ませた。
大和もその意図に乗って「そんなことはないさ。ねぇ、いっちゃん?」と暗くなってしまった樹に話を振る。
それから話に全く入ってこられなかったために不機嫌になった樹里によって、無理矢理変えられた。それで大人3人が救われたことに彼女は気づいていないだろう。
そのおかげで元の和やかな空気を取り戻し、その場はお開きとなった。
「いっくん! また一緒にご飯食べようね!」
「うん」
純粋な子どもに便乗するように斎が笑って見せると、大和と樹も「また」と笑ってみせた。
けれど全てのピースが揃った斎の目の前には暗闇が広がっていた。
正体のわからなかった『いつき』と『金城 樹』がイコールのものと変わったのである。
斎の劣等感はくすぶっていく。
所詮はベータなのだ。あの手は自分に伸びたものではないのだ。ベータなんて所詮はオメガやアルファの、選ばれし者たちの踏み台になるだけの存在なのだ――と。
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