魔物が棲む森に捨てられた私を拾ったのは、私を捨てた王子がいる国の騎士様だった件について。

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番外編

小話。いち。

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—-<奇跡の前に>—-

「じゃあ、今から奇跡の光魔法をかけていきますね。」

「うん、お願いします。」

「あ、魔法を直接当てたいので、服脱いでもらっていいですか?」

「え⁉︎」

「なんでリウが反応してるの。」

「脱いだよ。上だけで良いよね。」

「キャッ!」

「はい。ありがとうございます。…それじゃあ、かけますね。」

「…リウ。指の間から見てるのバレてるからね。」





—-<本当は…。>—-

「……よし!終わりましたよ。セシル王子。呪いも解けました。」

「ほ、んとうだ…。ありがとう。聖女様。リウもありが……何してるの?」

「私の…グスッ、私の…渾身の作が…っ!」

「え?」

「こんな、…こんなにサラサラと…っ!グスッ、」

「……ねぇ、本当は助けたくなかったの?」





—-<可愛い>—-

「ねぇねぇハロルド君。」

「何?」

「なんでそんなに可愛いの?」

「…喧嘩売ってるだろ、それ。」

「やだ!怒っても可愛い!」

「よし、リウ。表に出ようか。」

「何?お出かけ?…あっ!この間街に出来たカフェに行こうよ!美味しいってパドマさんが言ってたの!」

「…はぁ。分かった分かった。…行くか。」

「よし!レッツゴー!」





—-<子供にはまだ早い。>—-

「リウ。」

「何ですか?ゼノさん?」

「リウ。」

「…?どうしました?」

「呼んでみただけ。」

「?…そうですか。」


___5分後。

「ゼノさん。」

「何だ?」

「ゼノさん!」

「だから、何だ?」

「ふふっ、呼んでみただけです。」

「…そうか。」



「…パドマさん、あの2人何しているんですか。」

「ダメよ、見ちゃ。子供にはまだ早いわ。」

「……俺、成人迎えているんですけど。」





—-<ボディーブロー>—-

「リウ。」

「メリル様!」

「あの時、何で顔じゃなくてボディーブローだったの?」

「え?何でって…くると分かってて力入れてる所を殴ったって、面白くないじゃないですか。」

「……。」

「メリル様?」

「君のお腹は本当は真っ黒だったんだね。」

「え⁉︎メリル様!私のお腹は日本人色ですよ⁉︎」

「ニホンジンショク…?意味わかんないから見せようとしないで。見たくないから。」





—-<子供にはまだ早い。に。>—-

「リウ。」

「メリル様?」

「リウ。」

「はい、なんでしょう?」

「リウ。」

「め、メリル様?」

「ふふっ、呼んでみただけ。…この間ゼノとしてたの楽しそうだったから。」

「…?そうですか。」


___5分後。

「メリル様。」

「ん?何?」

「メリル様。」

「ふふっ、何?」

「えへ、呼んでみただけです!」

「…ふーん。そう。僕に話しかけておいて、呼んでみただけ、は無いよね?」

「…え?メリル様?」

「ん?なぁに?リウ。僕に何でも言ってごらん?」

「—ッ⁉︎」

「ほら、僕に、何を、して欲しいの?」

「…ハ、」

「は?」

「ハ、破廉恥ですぅぅぅぅぅぅう!!!」



「あーぁ。行っちゃった。…ふふっ、面白い。」



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