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〜兄弟の絆〜
ロビナス村の危機
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ルーン大国にロビナス村という村がある。
村の近くには大きな滝があり、人々はその滝をグレートフォールと呼んでいた。いつもは風光明媚な土地だが、その滝の近くの森の中は殺気と狂気に満ちたモンスターで溢れかえっていた。このモンスターたちはギルディアの情報司令部の司令隊長を務めているデミタスが召喚したモンスターたちだった。
ロビナス村にマルクスの恋人のミラの存在を知ったデミタスは、ギルディアの秘書官を務めるダリアという女性に秘密裏に調査を依頼した。デミタスの狙いはその女性を連れ去ることだった。
ミラを誘拐してマルクスをおびき寄せるためには、殺しては元も子もない、生かして連れ去らないと意味が無かった。秘書官のダリアの話では、村の近くにルーン大国の兵士の姿はなく、奴らの駐屯所からもかなりの距離がある、との報告を受けていた。非力な農民を相手にすると思ったデミタスはモンスターを30体ほど召喚して、昼間でもうす暗い森の中にモンスターと一緒に身を潜めていた。
(あと少しで日が沈む、日が沈んだところで村をモンスターに襲わせよう)
夕焼けで辺りが真っ赤に染まる中、滝の近くの森の中、殺気立ったモンスターを見ながらデミタスは密かに笑ったが、ダリアは重要な部分をデミタスに報告しなかった。それはミラの弟のダンテの存在だった。彼は凄腕の剣の使い手で、ギルティー屈指の剣の使い手のルディーとも張り合う腕前であることを、この時のデミタスは知らなかった。
◇
その日の夜も満月の日だった。また、ヒロタ川でミラと会える。マルクスはそう思うだけで、心が踊った。夕食を済ませると日が沈む前にヒロタ川に行くために一人いつもと同じように密かにグラナダの裏門を出たところでルディー達が立っていた。
「どうしたルディーこんな時間に?」
「マルクス、少し見せたいものがあるんだ」
「ん? 悪いな。これから大事な用事があるんだ。また今度にしてくれよ」
「手間は取らせないよ。すぐに済む要件なんだ」
「ん~~?」
マルクスは悩んだが、まだ、満月が昇るには時間あるので、分かった、と承諾してルディーに付いていくことにした。
「ほんの少しなら……、どこに行くんだ?」
「なに、すぐそこの森の中の倉庫だよ」
「森の倉庫? ああ。あの使われていない倉庫のことか? あんなところに何があるんだ?」
「いいから、付いてくればわかるよ」
そう言うとルディーはマルクスの背中を押して強引に仲間とともに森の倉庫に向かって歩き出した。しばらく森の中を進むと目的の倉庫に到着した。
倉庫に入った途端、ジメジメした土の匂いがマルクスの鼻をついた。
「何だ? ここは? お前たちここで何をしてんだ?」
「いいから、早くこっちに来いよ」
マルクスはルディーに言われるがまま、倉庫の隅にあった暖炉の前に連れてこられた。
「マルクス、ほら、これを見てくれ」
ルディーは暖炉の中にある大きく空いた穴を指さした。マルクスはルディーが指さした穴の中を上から恐る恐る覗き込んだ。
「なんだ? この穴は? 暗くて何も見えないぞ?」
マルクスはそう言いながら、うずくまって目を細めて穴の中を覗き込んだが、暗くてやはり何も見えなかった。
「マルクス。この立て穴の下の壁にトンネルを掘ったんだ」
「なに? トンネルだと?」
「ああ。ヒロタ川の下を抜けてルーン大国に続くトンネルだよ」
「な? 何だと! それは本当か!!」
「ああ。これでミラに会うことができるぞ」
「お……お前たち……、な、なんでそんな事を……」
「あんたがいつも寂しそうに川のたもとで立っているのを見ていたからだよ」
「し、知っていたのか?」
「ああ、もちろん知ってたさ、でもこのトンネルを通ればいつでも彼女と会えるぞ」
「お前たち、こんな俺のために何で、そこまでしてくれるなんて……」
マルクスはみんなの気持ちが嬉しくて、たまらなかった。
「話はあとだ! 早く、日が暮れる前にトンネルを渡ってミラを驚かせてやれよ」
「お前たち、本当にありがとう」
マルクスはそう言って、穴の中に入ろうとしたところで、ルディーに呼び止められた。
「待ってくれ! マルクス!」
「どうした? ルディー?」
「マルクス、これを受け取ってくれ」
ルディーはポケットから小さい袋を取り出すとマルクスの手の平に乗せた。マルクスはすぐに袋から出すとルディーに渡された物を見て驚いた。ルディーから渡されたものは赤い色のきれいなアバタ宝石と呼ばれるネックレスだった。アバタ宝石は身につけると、エルフの見た目を人間に変化させてくれる特殊能力をもっていた。
「こ、これは、お前の宝物だろう。受け取るわけにはいかないよ」
「良いんだよ。俺にはこんな物は必要ない。でも、あんたはこれから頻繁にミラに会いにルーン大国に行くんだから必要だろ。だったら、これはあんたが持っていったほうが良い」
「い、いや。でも……」
「良いんだよ。その石もあんたに使われたほうが良いに決まっているから、頼むから受け取ってくれよ」
「本当に良いのか? ルディー、お前には助けられてばかりだな」
「隊長、水臭いこと言うなよ。ミラに会ったらよろしく言っといてくれ」
「ああ。じゃ、みんなありがとう」
「ああ、気をつけろよ」
マルクスはすぐに穴の中に入って行った。
穴の中は人一人がようやく通れる程に狭かったが、それだけみんなが必死で頑張ってくれた思いが伝わって嬉しかった。どれほど進んだだろうか? かなりの長い距離を進んだように思うし、早くミラに会いたい一心で夢中で進んだので、あっという間のようにも感じた。そんな事を思いながらしばらく進むとトンネルは行き止まりになった、穴の上から光が漏れてうっすら明るくなっていた。どうやらトンネルの終点についたのだろう。棒のような木のはしごが立てかけてあったので、マルクスはそのはしごを登った。上まで登ると裂け目があり、外を覗くことができたので、辺りの様子に警戒しながら、ゆっくりと裂け目から体を乗り出した。外に出たマルクスは自分が出てきたところを見て驚いた。そこは大きな木の樹洞だった。
マルクスは辺りを警戒しながら、少し散策してみた。グラナダとは反対方向に川が流れているのを確認すると、本当にヒロタ川の反対のルーン大国側に渡ったことが実感できた。
(あまりウロウロするとルーンの見張りに気づかれるかもしれない、近くの藪の中に隠れてミラが来るのを待っていよう)
マルクスはそう思うと、近くの藪の中に隠れてミラをびっくりさせようとした。
どれほど時間が経っただろうか? 日が沈んで月が登ってもミラは現れなかった。
(おかしいな? いつもならこのあたりに来ているはずなのに?)
折角ミラと久々に出会えると期待していたのに、一向に現れないミラにマルクスは焦った。どうしたものかとポケットに手を入れると何かが手に触れた。手に触れたものをポケットから出すとルディーがくれたアバタ宝石のネックレスだった。
(そうだ。これを付ければ人間に変身できるんだよな。よし、これを身に付けて人間に変身して、ロビナス村にミラを迎えに行こう!)
マルクスはそう思うと早速アバタ宝石を身に付け、急いでロビナス村に向かった。
村の近くには大きな滝があり、人々はその滝をグレートフォールと呼んでいた。いつもは風光明媚な土地だが、その滝の近くの森の中は殺気と狂気に満ちたモンスターで溢れかえっていた。このモンスターたちはギルディアの情報司令部の司令隊長を務めているデミタスが召喚したモンスターたちだった。
ロビナス村にマルクスの恋人のミラの存在を知ったデミタスは、ギルディアの秘書官を務めるダリアという女性に秘密裏に調査を依頼した。デミタスの狙いはその女性を連れ去ることだった。
ミラを誘拐してマルクスをおびき寄せるためには、殺しては元も子もない、生かして連れ去らないと意味が無かった。秘書官のダリアの話では、村の近くにルーン大国の兵士の姿はなく、奴らの駐屯所からもかなりの距離がある、との報告を受けていた。非力な農民を相手にすると思ったデミタスはモンスターを30体ほど召喚して、昼間でもうす暗い森の中にモンスターと一緒に身を潜めていた。
(あと少しで日が沈む、日が沈んだところで村をモンスターに襲わせよう)
夕焼けで辺りが真っ赤に染まる中、滝の近くの森の中、殺気立ったモンスターを見ながらデミタスは密かに笑ったが、ダリアは重要な部分をデミタスに報告しなかった。それはミラの弟のダンテの存在だった。彼は凄腕の剣の使い手で、ギルティー屈指の剣の使い手のルディーとも張り合う腕前であることを、この時のデミタスは知らなかった。
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その日の夜も満月の日だった。また、ヒロタ川でミラと会える。マルクスはそう思うだけで、心が踊った。夕食を済ませると日が沈む前にヒロタ川に行くために一人いつもと同じように密かにグラナダの裏門を出たところでルディー達が立っていた。
「どうしたルディーこんな時間に?」
「マルクス、少し見せたいものがあるんだ」
「ん? 悪いな。これから大事な用事があるんだ。また今度にしてくれよ」
「手間は取らせないよ。すぐに済む要件なんだ」
「ん~~?」
マルクスは悩んだが、まだ、満月が昇るには時間あるので、分かった、と承諾してルディーに付いていくことにした。
「ほんの少しなら……、どこに行くんだ?」
「なに、すぐそこの森の中の倉庫だよ」
「森の倉庫? ああ。あの使われていない倉庫のことか? あんなところに何があるんだ?」
「いいから、付いてくればわかるよ」
そう言うとルディーはマルクスの背中を押して強引に仲間とともに森の倉庫に向かって歩き出した。しばらく森の中を進むと目的の倉庫に到着した。
倉庫に入った途端、ジメジメした土の匂いがマルクスの鼻をついた。
「何だ? ここは? お前たちここで何をしてんだ?」
「いいから、早くこっちに来いよ」
マルクスはルディーに言われるがまま、倉庫の隅にあった暖炉の前に連れてこられた。
「マルクス、ほら、これを見てくれ」
ルディーは暖炉の中にある大きく空いた穴を指さした。マルクスはルディーが指さした穴の中を上から恐る恐る覗き込んだ。
「なんだ? この穴は? 暗くて何も見えないぞ?」
マルクスはそう言いながら、うずくまって目を細めて穴の中を覗き込んだが、暗くてやはり何も見えなかった。
「マルクス。この立て穴の下の壁にトンネルを掘ったんだ」
「なに? トンネルだと?」
「ああ。ヒロタ川の下を抜けてルーン大国に続くトンネルだよ」
「な? 何だと! それは本当か!!」
「ああ。これでミラに会うことができるぞ」
「お……お前たち……、な、なんでそんな事を……」
「あんたがいつも寂しそうに川のたもとで立っているのを見ていたからだよ」
「し、知っていたのか?」
「ああ、もちろん知ってたさ、でもこのトンネルを通ればいつでも彼女と会えるぞ」
「お前たち、こんな俺のために何で、そこまでしてくれるなんて……」
マルクスはみんなの気持ちが嬉しくて、たまらなかった。
「話はあとだ! 早く、日が暮れる前にトンネルを渡ってミラを驚かせてやれよ」
「お前たち、本当にありがとう」
マルクスはそう言って、穴の中に入ろうとしたところで、ルディーに呼び止められた。
「待ってくれ! マルクス!」
「どうした? ルディー?」
「マルクス、これを受け取ってくれ」
ルディーはポケットから小さい袋を取り出すとマルクスの手の平に乗せた。マルクスはすぐに袋から出すとルディーに渡された物を見て驚いた。ルディーから渡されたものは赤い色のきれいなアバタ宝石と呼ばれるネックレスだった。アバタ宝石は身につけると、エルフの見た目を人間に変化させてくれる特殊能力をもっていた。
「こ、これは、お前の宝物だろう。受け取るわけにはいかないよ」
「良いんだよ。俺にはこんな物は必要ない。でも、あんたはこれから頻繁にミラに会いにルーン大国に行くんだから必要だろ。だったら、これはあんたが持っていったほうが良い」
「い、いや。でも……」
「良いんだよ。その石もあんたに使われたほうが良いに決まっているから、頼むから受け取ってくれよ」
「本当に良いのか? ルディー、お前には助けられてばかりだな」
「隊長、水臭いこと言うなよ。ミラに会ったらよろしく言っといてくれ」
「ああ。じゃ、みんなありがとう」
「ああ、気をつけろよ」
マルクスはすぐに穴の中に入って行った。
穴の中は人一人がようやく通れる程に狭かったが、それだけみんなが必死で頑張ってくれた思いが伝わって嬉しかった。どれほど進んだだろうか? かなりの長い距離を進んだように思うし、早くミラに会いたい一心で夢中で進んだので、あっという間のようにも感じた。そんな事を思いながらしばらく進むとトンネルは行き止まりになった、穴の上から光が漏れてうっすら明るくなっていた。どうやらトンネルの終点についたのだろう。棒のような木のはしごが立てかけてあったので、マルクスはそのはしごを登った。上まで登ると裂け目があり、外を覗くことができたので、辺りの様子に警戒しながら、ゆっくりと裂け目から体を乗り出した。外に出たマルクスは自分が出てきたところを見て驚いた。そこは大きな木の樹洞だった。
マルクスは辺りを警戒しながら、少し散策してみた。グラナダとは反対方向に川が流れているのを確認すると、本当にヒロタ川の反対のルーン大国側に渡ったことが実感できた。
(あまりウロウロするとルーンの見張りに気づかれるかもしれない、近くの藪の中に隠れてミラが来るのを待っていよう)
マルクスはそう思うと、近くの藪の中に隠れてミラをびっくりさせようとした。
どれほど時間が経っただろうか? 日が沈んで月が登ってもミラは現れなかった。
(おかしいな? いつもならこのあたりに来ているはずなのに?)
折角ミラと久々に出会えると期待していたのに、一向に現れないミラにマルクスは焦った。どうしたものかとポケットに手を入れると何かが手に触れた。手に触れたものをポケットから出すとルディーがくれたアバタ宝石のネックレスだった。
(そうだ。これを付ければ人間に変身できるんだよな。よし、これを身に付けて人間に変身して、ロビナス村にミラを迎えに行こう!)
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