44 / 59
第二部/2組目・異国の暗殺者
後日談
しおりを挟むーー2ヶ月後。
ブラスレッタの街から遠く離れた荒野。
かつては人族たちが暮らしていたこの地は魔族の一軍に滅ぼされ、今では魔人率いる魔族の集団が迷い込む人族を襲う危険地帯と化していた。
「っーーぐぁああ!」
ーードォンッ!!
かつては人族達がこの地を守るために作られた砦。
その廃墟の中で、野太い雄叫びと壁が崩れるような物音が響いた。
「っ、ぐぅ…人族、風情が…」
壊れた壁の欠片を振り払いながらゆっくりと立ち上がったのは筋骨隆々とした男。
しかし、その側頭部から生えた『太い角』は明らかに人族のそれではない。
男は…この辺りの魔物達を統べる、『魔人』の1人だった。
「ーーその人族に容易く吹き飛ばされる魔人風情が何を言う」
砂埃の中、魔人を嘲るような言葉を吐きながらゆっくりと歩を進めてきたのは両手に武器を握った細身の男。
風と共に砂埃が薄まれば、シルエットだけであったその姿が露わになる。
細長く結われた黒髪、関節や心臓を守る部分鎧、レオタードのような光沢のあるボディスーツ。
それは魔族達の間でまことしやかに語られる彼らにとっての『天敵』。
魔人殺しの一族…逢魔忍・蘇芳の姿だった。
蘇芳はフラフラと立ち上がる魔人を真っ直ぐに見据え、殺気を隠すことなく手にした小刀を構えながら走り出す。
「なんのっ!」
魔人も咄嗟に片手を上げて魔法による防壁を展開するが、蘇芳の一撃により『パリンッ』という音をたてて崩れ去ってしまった。
「脆い」
ーードスッ!
「ぐぉおっ!」
小刀の一撃で防壁を破壊した蘇芳。
そのまま間髪を入れずに腹部に強い蹴りをお見舞し、自身よりも遥かに体格のいい魔人の体を地面に叩きつけた。
「…忍法、影縫い」
ーーバチィッ!
「ぐっ…!?」
更に追い討ちのように放ったのは逢魔忍が操る『忍術』の1つ。
それは敵対する相手の動きを止めるもので、特に魔人に対しては絶大的な効果を発揮する。
床に縫い付けられるように身動きを封じられた魔人は必死に抵抗を続けていたが…その胸元に蘇芳の脚が乗り、悔しそうに視線を上に向けた。
「くっ…逢魔忍の話は噂通りだったというわけか…人族でありながら、我ら魔人の血も取り入れるとは……」
「……『血』だけではないぞ」
「…なに……?」
小声で呟いた瞬間、蘇芳は何故か魔人の目の前で胸元の部分鎧を脱ぎ始める。
するとその下からは…『ぷるん』と音を立てそうな勢いで、まるで指のように長く大きな乳首が現れた。
「な…にを…」
「貴様に説明する義理はない」
更に蘇芳は下半身の部分鎧を外し、今度は縦に割れた尻穴を晒す。
(こいつは…なんだ?何を、するつもりなんだ?)
至って真面目な様子の蘇芳に魔人はただただ困惑するばかり。
その間にも蘇芳はその淫らな乳首を揺らすように腰を振り、自らの指で軽く解した尻穴を『くぱぁ』と開いていた。
「さて……では貴様の命を奪う前に、その精を頂かせてもらおう」
………………
…………………………
…あのダンジョンを追い出された段階で、蘇芳にかけられていた催眠魔法は解けていた。
その後ゴブリン相手に自ら痴態を晒したことを悔やんでいた蘇芳だが…そんな時、ある考えが脳裏を過った。
『逢魔忍は元々魔人の血を取り入れたことで強さを得た一族だ。ならば、魔人の精も取り入れれば、もっと強くなれるのでは?』
女であればその精で次代の逢魔忍を孕めただろうが、残念なことに蘇芳は男性。
しかしながら多大な魔力を持つ魔人の血肉、そして精を摂取する事で更なる力を得て…そしていつかこのダンジョンにリベンジ出来るのでは、と考えたのだ。
ーーずちゅっ♡ ぐちゅ♡
「ぐ、ぅ…っ!は、ぁあっ!」
「ふっ♡んんっ♡…どう、した?魔人のくせに…この程度、なのか?」
戦闘により半壊した廃墟の中。
蘇芳は、影縫いで拘束した魔人の上に跨りながら腰を振り乱していた。
ダンジョンでゴブリン達に輪姦された経験が活きているのかその技術は格段に向上し、魔人の精を容赦なく搾り取ろうとナカも蠢く。
(これならあのゴブリン達の方がよほど……)
ナカを満たす魔人のモノに少し残念そうな感情を抱きながらも、蘇芳の手は自らの乳首へと伸びる。
ぐにっ♡ くりっ♡
ーーピンッ♡
「んぉ♡おほぉ♡♡乳首、キクぅ♡♡」
ダンジョンでの出来事を思い出しながら乳首を弄り始めた蘇芳。
困惑する魔人の視線など完全に無視し、まるでそれを自慰に使う玩具のように自らの快楽のために使用する。
(太さも、長さも、『彼ら』には到底及ばない…でも、それでも…♡)
『これはあくまでも強さを得るための行為』
催眠状態でもない蘇芳は自らに言い聞かせるように心の中でそう呟くと、ラストスパートをかけるように腰を打ち付け始める。
パンっ♡ パンっ♡
ぐちゅっ♡ ずちゅ♡
「ふっ…ふ、ぅ…♡ほら♡出せ♡魔人ザーメン、だしてみせろ♡」
「うぐっ…!な、にが…逢魔忍、だ…この…淫売、め…!」
悔しそうに歯を食いしばり悪態をつく魔人だが、体は人生初の逆レイプ行為にその意思に反して昂ってしまう。
そして……
「くっ、うぅ…!が、ぁぁああっ!!」
びゅくびゅくっ♡♡ ぶびゅっ♡♡♡
「おほぉぉおぉん♡♡♡」
魔人が耐えきれずに射精した瞬間、蘇芳も乳首を激しく抓りながら絶頂する。
「っ、はあ…はぁ……」
(くそっ…こんな屈辱……!)
憎むべき敵である逢魔忍に、あろう事か中出ししてしまった事に魔人は悔いながらも息を整え反撃の機を見定めようと顔を上げるが……
ーーヒュンッ
「え……」
それはほんの一瞬。
視界の端で何かが光ったと思った瞬間、魔人の喉は鋭い刃で切り裂かれていた。
「ご、ぼっ…!?」
「必要な物は頂いた。…貴様は、もう用無しだ」
先程までの雌顔の面影は何処にもなく、蘇芳は冷徹な忍びの顔で死にゆく魔人を見下ろしていた。
そしてそのまま魔人の絶命を確認すると、性器を引き抜くようにゆっくりと立ち上がり、無言で身なりを整える。
「んっ…♡……ふぅ…今回は、微妙だったな」
誰もいなくなった廃墟でぽつりと呟き、蘇芳は魔人の亡骸に背を向ける。
そしてまた新たな『獲物』を探すべく、再び各地を放浪し始めるのであった。
20
あなたにおすすめの小説
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式の話
八億児
BL
架空の国と儀式の、真面目騎士×どスケベビッチ王。
古代アイルランドには臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式があったそうで、それはよいものだと思いましたので古代アイルランドとは特に関係なく王の乳首を吸ってもらいました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる