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第二部/2組目・異国の暗殺者
閑話:始動!エロトラップダンジョン!
しおりを挟むーーダンジョン内部・管理人室。
「これが依頼されていた逢魔忍の資料だ」
蘇芳のダンジョン攻略映像が録画された魔石を『来客』へ手渡し、ダンテはややつまらなそうにため息を吐く。
「確かに人の身としてはポテンシャルが高かったようだが…たった3部屋で脱落とは、期待外れもいい所だ」
「まぁまぁ、そう言わないで」
不機嫌そうなダンテに対して『来客』…赤毛の女はやや複雑そうに苦笑する。
…彼女はダンテをこのダンジョンへと送り込んだ張本人にして上位魔人の1人、スカーレット。
普段は魔人である事を隠して『大賢者』として人族の国に滞在し、人族達が暴走しないようにその国の重鎮達にアドバイスをする……いわば『影の調整役』のような役割を担っていた。
「逢魔忍の資料が欲しかったのは事実だし。…ほら、人族達が知らない間に驚異になってたら私たちも困るでしょう?」
「理解はできるが…それは自分の役割ではないからな」
「まぁ!酷い人!」
わざとらしく頬を膨らませるスカーレットだが、相変わらずダンテは興味無さそうにため息を吐く。
「上位魔人が己の『役割』以外に興味を持つことが無いのは百も承知だろう。…話はもういいか?こちらはやる事が山積みなんだ」
そう言い放つとダンテは管理人室の壁に設置された装置に触れる。
するとその魔力に反応し、幾重もの画面が空中に映し出された。
「これは……」
「…ダンジョンを『自動で運営させる』ための魔術式だ。入口で挑戦者の能力を読み込み、こちらが手を加えずとも自動で適切なルートを構築するように仮組みをしている」
そんな雑な説明だけ済ませると、ダンテはスカーレットに背を向け無言で画面を操作し始める。
目まぐるしく変わる画面の内容をスカーレットは四割程度しか理解出来なったが、『まぁ彼なら大丈夫でしょう』という謎の信頼感からそのまま静かに踵を返した。
……が、何かを思い出したのか数歩歩いたところで足を止め、再びくるりと振り返る。
「そうそう、忘れてたわ。…今回のお礼だけど…『大賢者』の立場から国に根回しして、このダンジョンの事を広めておいたわ」
「む…?」
スカーレットの言葉に今度はダンテが作業を止め、振り返りつつ小首を傾げる。
「国に根回し…?」
「簡単な事よ。大賢者として、『ブラスレッタの方角に異質な気配を感じます』って進言しただけ」
「……それが根回しなのか?」
訝しげに眉間にシワを寄せるダンテは知らない。
スカーレット…『大賢者』の影響力は人族にとってとても大きく、例えそれが具体性を欠く抽象的な言葉でも人族達は簡単に動いてくれるのだ。
現に今この時も、この人族の国の王都を中心として大賢者からの言葉を元にしたお触れが出されようとしていたのだが……例えその事実を今知ったとしても、ダンテはさして興味を持たないだろう。
「ええ。…あと10日もしたら、このダンジョンに人がいっぱい押し寄せるわよ?富と名誉を求めた、愚かで哀れな人族達が…ね?」
「………そうか」
人差し指を唇に当てて妖しく微笑むスカーレット。
しかしそんな同僚にダンテはひとつため息をつくと、再び機械の方に向き直ってしまう。
…その瞳に映るのは、いくつもの画面に映し出された魔術式。
「なら…殊更こちらの作業を急がねばな」
『来るべき来客達の為に』
そう呟くと、ダンテはまた手を動かし始めるのであった。
………………
………………………………
この日から数日後、人族の王からとあるお触れが発せられた。
『大賢者よりブラスレッタの周辺において異変の予兆ありとのお告げあり。
ついてはこの異変の正体について調査、そして解決まで成し遂げた者には望みの報奨を与える』
そんな具体性を欠くお触れではあったものの、それを見た命知らずの冒険者達は皆一斉にブラスレッタを目指す。
ある者は一攫千金を目指して。
またある者は永久の名誉を求めて。
そして…それらを出迎えるダンテのエロトラップダンジョンは、更なる完成度を持って挑戦者達を待ち構えていた。
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