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19.惚れ直したんですが!?
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ずっと静かだった部屋の外が騒がしい。俺は何事だろうと耳を傾ける。
「ぐわぁー!な、なんだ!?」
「ミノルはどこだ!」
「おい!お前どこから入っ……」
「邪魔をするな!」
「ぎゃあっ!」
「なっ何をする……うぎゃあ!?」
「ひぃっ!敵襲だ!」
「ぎゃあああ!」
外で何かが起こっているようだ。魔物達の叫び声が聞こえる。
しかし、その中に聞き慣れた声が混じっていた。俺が今一番聞きたかった声だ……。
「王子……?本当に、王子なのか?」
俺は希望を持つ。そして、扉が勢いよく開いた。
「大丈夫か!ミノル!」
「王子!!」
そこには、アルベール王子の姿があった。
王子は魔物から奪ったらしき鍵で、鉄格子を開ける。
開いた途端、俺はそこから勢いよく飛び出した。思わず王子に抱きついてしまう。
「王子!王子!会いたかったよぉ……」
「よしよし……。無事で良かった……」
王子は優しく抱きしめてくれた。王子の温もりを感じると、安心感に包まれる。
「王子……どうしてここに……?」
「ミノルを助けに来たに決まっているだろう?」
「そんな、王子が直々にだなんて……危険なのに……」
「それは分かっている。だが、恋人がさらわれてじっとしていられるはずがないだろう」
「王子……」
俺は感動していた。俺のためにそこまでしてくれるとは……。やっぱり王子は優しい。こんなのもう、惚れてしまう……。
「とにかく、早くここから出よう」
「うん……。でもどうやって……」
「心配することはない……。私に任せてくれ」
「え?あっ……」
王子は俺をお姫様抱っこして、部屋の外へ連れ出す。俺は思わず赤面してしまった。
「よし……。では行くぞ!」
「ひゃい……!」
俺は緊張のあまり変な返事をしてしまう。
「ふふ……。可愛いな……。では、しっかり掴まっていろよ」
王子は俺を抱えたまま走り出した。
「速い……!すごい……!」
俺は驚きながらも、王子にしがみつく。王子の体温を感じてドキドキした。
「くそ!一体どこに行きやがった!」
「まだ近くにいるはずだ!探せ!絶対に逃がすな!」
すると、後ろから魔物達の声が聞こえてくる。どうやら俺たちを探しているようだ。
「ど、どうしよう……!」
「心配はいらない。私が守ってやるさ」
「王子……」
王子のあまりのイケメンっぷりに、俺は顔を赤くする。
「それにしても、ミノルは軽いな……」
「そ、そうかな……」
「ああ……。それに柔らかい……」
「ん……ちょっと恥ずかしいけど……嬉しい……」
俺は王子の腕の中で顔を赤くしていた。
「ははは、照れるミノルも可愛らしいな……」
「もう……バカ……」
俺はさらに顔が熱くなる。心臓の鼓動も激しくなった。
そのまま王子は走り続ける。
しばらくすると、少し開けた場所に出た。
ちょっとした物置部屋のようで、ごちゃっと色々なものが置かれている。
王子は物陰に隠れるように座った。俺は王子に降ろしてもらって、隣に座る。
「ここでなら、しばらく隠れていられるだろう」
「そうだね……」
俺はホッと一息ついた。
「王子が助けに来てくれて助かったよ。ありがとう」
「当たり前じゃないか。ミノルが無事で本当に良かった……」
俺は王子と見つめ合う。すると、自然にキスをされた。
「んん……、って、こんな時に……」
「すまない……。君が愛おしくて我慢できなかったんだ」
「まぁ、別に良いけど……」
俺は照れながら言う。
「それに、指輪の魔力も回復しておかないとね」
「ああ、たしかに……」
さらわれる前にも回復魔法を使っていたので、きっとかなり魔力が減ってしまっているだろう。
「ん……ちゅ……」
「はぁ……ミノル……」
夢中で濃厚な口づけをする。舌を入れて絡ませた。王子の魔力も流れ込んでくるようで、気持ちいい……。
「ミノル……。もう絶対に離さない……。何があっても絶対に守るからな……」
「王子……。うん……。信じてるよ……」
王子は優しく微笑む。俺は胸がキュンとなった。
そのまましばらくキスを続ける。
「ぷはぁ……」
「ふぅ……いったんこれで良いかな……」
「ああ、ありがとう……」
指輪の魔法石の輝きが戻ってきた。これならなんとかなりそうである。
「あとは無事に城に帰ってからにしよう」
「うん……」
落ち着いたところで、脱出の方法を考える。
「ところで、これからどうする……?」
「そうだな……まずは脱出したいのだが……」
「でも、どうやって……?」
「実は、いくつか脱出できそうな方法はある」
「本当!?」
俺は驚いて聞き返す。
「ああ、その1つは……窓から出ることだ」
「窓?」
俺は首を傾げる。
「ああ、ここの最上階に大きな窓がある。そこが出入り口になっているようだ」
「おおー!」
なんだ、案外簡単に出られるのかもしれない。
「だが、問題は……ここは空を飛べる魔物が出入りしている建物のようなのだ」
「あっ、そうか……」
俺はようやく気がついた。
「空から落ちたら確実に死ぬね……」
「そういうことだ。空を飛べる手段が必要になる」
「なるほど……」
考えてみれば当然の話である。
「窓の他に出口はないの?」
「残念ながら無いようだ」
「そっか……」
しかし、俺はそこで疑問を抱いた。
「あれ?そうしたら王子はどうやってここへ来たの?」
「それが、もう1つの方法だ」
「もう1つの方法……?」
俺は意味がわからず、きょとんとする。
「もう大丈夫そうだな……、よし移動するぞ」
王子は周りの様子を伺うと、また俺をお姫様抱っこして走り出した。俺、ナチュラルにお姫様扱いされてるな……。
しばらく移動すると、王子は扉の前で立ち止まった。そして、部屋の中に入るように促される。
恐る恐る部屋の中に入ると、そこには巨大な鏡が置かれていた。
「これは……?」
「これは転移の魔道具だ」
「へぇ……!これが……」
俺は興味深く眺める。ゲームの中でも転移の魔道具の存在は出ていたが、実際はこうなっていたのか、と感動した。
そういえば、ゲームで勇者がお姫様を助けに行く時も、ラルジュ王国の魔道具で転移させてもらっていたのを思い出す。しかし、その方法が判明するまでたくさんの情報を集める必要があったはずだ。
「ミノルがさらわれてから、必死でここに来る方法を探っていたんだ。それで、転移の魔道具が使えそうだと分かったんだよ」
ゲームで数日かかるような情報集めなのに、王子はきっと全力で調べてくれたのだろう。
「そうだったのか……ありがとう……」
俺は思わず抱きついた。すると、王子も抱き締め返してくれる。
「王子……大好きだよ……」
「私もだ……ミノル……」
ずっと抱き合っていたかったが、さすがに今はそんな状況ではない。名残惜しいが離れることにした。
「それで、これはどう使うの?」
「かなりの魔力を消費するのだが……ミノルの指輪にもさっき魔力を補充したからいけるはずだ」
王子が俺の手を握ると、俺の体が光り始める。
「おおっ!なんかすごい!」
「よし……。うまくいったようだ……しかし、本当にミノルは魔法の才能があるな……」
「そうなの?」
「ああ、普通は魔法の素質がない者は使えないはずなのだがな……」
「そうなんだ……なんか嬉しいな」
俺は素直に喜んだ。
「私が転移の呪文を唱える。ミノルは私のそばから離れないようにしてくれ」
「分かった!」
俺はうなずいて、王子に抱きつく。すると、王子は優しく微笑んだ。
「それじゃあ、行くぞ……」
王子が転移の呪文を唱えると、目の前が真っ白になる。
目を開けられるようになると、見慣れた城の景色が目に飛び込んできた。
「ぐわぁー!な、なんだ!?」
「ミノルはどこだ!」
「おい!お前どこから入っ……」
「邪魔をするな!」
「ぎゃあっ!」
「なっ何をする……うぎゃあ!?」
「ひぃっ!敵襲だ!」
「ぎゃあああ!」
外で何かが起こっているようだ。魔物達の叫び声が聞こえる。
しかし、その中に聞き慣れた声が混じっていた。俺が今一番聞きたかった声だ……。
「王子……?本当に、王子なのか?」
俺は希望を持つ。そして、扉が勢いよく開いた。
「大丈夫か!ミノル!」
「王子!!」
そこには、アルベール王子の姿があった。
王子は魔物から奪ったらしき鍵で、鉄格子を開ける。
開いた途端、俺はそこから勢いよく飛び出した。思わず王子に抱きついてしまう。
「王子!王子!会いたかったよぉ……」
「よしよし……。無事で良かった……」
王子は優しく抱きしめてくれた。王子の温もりを感じると、安心感に包まれる。
「王子……どうしてここに……?」
「ミノルを助けに来たに決まっているだろう?」
「そんな、王子が直々にだなんて……危険なのに……」
「それは分かっている。だが、恋人がさらわれてじっとしていられるはずがないだろう」
「王子……」
俺は感動していた。俺のためにそこまでしてくれるとは……。やっぱり王子は優しい。こんなのもう、惚れてしまう……。
「とにかく、早くここから出よう」
「うん……。でもどうやって……」
「心配することはない……。私に任せてくれ」
「え?あっ……」
王子は俺をお姫様抱っこして、部屋の外へ連れ出す。俺は思わず赤面してしまった。
「よし……。では行くぞ!」
「ひゃい……!」
俺は緊張のあまり変な返事をしてしまう。
「ふふ……。可愛いな……。では、しっかり掴まっていろよ」
王子は俺を抱えたまま走り出した。
「速い……!すごい……!」
俺は驚きながらも、王子にしがみつく。王子の体温を感じてドキドキした。
「くそ!一体どこに行きやがった!」
「まだ近くにいるはずだ!探せ!絶対に逃がすな!」
すると、後ろから魔物達の声が聞こえてくる。どうやら俺たちを探しているようだ。
「ど、どうしよう……!」
「心配はいらない。私が守ってやるさ」
「王子……」
王子のあまりのイケメンっぷりに、俺は顔を赤くする。
「それにしても、ミノルは軽いな……」
「そ、そうかな……」
「ああ……。それに柔らかい……」
「ん……ちょっと恥ずかしいけど……嬉しい……」
俺は王子の腕の中で顔を赤くしていた。
「ははは、照れるミノルも可愛らしいな……」
「もう……バカ……」
俺はさらに顔が熱くなる。心臓の鼓動も激しくなった。
そのまま王子は走り続ける。
しばらくすると、少し開けた場所に出た。
ちょっとした物置部屋のようで、ごちゃっと色々なものが置かれている。
王子は物陰に隠れるように座った。俺は王子に降ろしてもらって、隣に座る。
「ここでなら、しばらく隠れていられるだろう」
「そうだね……」
俺はホッと一息ついた。
「王子が助けに来てくれて助かったよ。ありがとう」
「当たり前じゃないか。ミノルが無事で本当に良かった……」
俺は王子と見つめ合う。すると、自然にキスをされた。
「んん……、って、こんな時に……」
「すまない……。君が愛おしくて我慢できなかったんだ」
「まぁ、別に良いけど……」
俺は照れながら言う。
「それに、指輪の魔力も回復しておかないとね」
「ああ、たしかに……」
さらわれる前にも回復魔法を使っていたので、きっとかなり魔力が減ってしまっているだろう。
「ん……ちゅ……」
「はぁ……ミノル……」
夢中で濃厚な口づけをする。舌を入れて絡ませた。王子の魔力も流れ込んでくるようで、気持ちいい……。
「ミノル……。もう絶対に離さない……。何があっても絶対に守るからな……」
「王子……。うん……。信じてるよ……」
王子は優しく微笑む。俺は胸がキュンとなった。
そのまましばらくキスを続ける。
「ぷはぁ……」
「ふぅ……いったんこれで良いかな……」
「ああ、ありがとう……」
指輪の魔法石の輝きが戻ってきた。これならなんとかなりそうである。
「あとは無事に城に帰ってからにしよう」
「うん……」
落ち着いたところで、脱出の方法を考える。
「ところで、これからどうする……?」
「そうだな……まずは脱出したいのだが……」
「でも、どうやって……?」
「実は、いくつか脱出できそうな方法はある」
「本当!?」
俺は驚いて聞き返す。
「ああ、その1つは……窓から出ることだ」
「窓?」
俺は首を傾げる。
「ああ、ここの最上階に大きな窓がある。そこが出入り口になっているようだ」
「おおー!」
なんだ、案外簡単に出られるのかもしれない。
「だが、問題は……ここは空を飛べる魔物が出入りしている建物のようなのだ」
「あっ、そうか……」
俺はようやく気がついた。
「空から落ちたら確実に死ぬね……」
「そういうことだ。空を飛べる手段が必要になる」
「なるほど……」
考えてみれば当然の話である。
「窓の他に出口はないの?」
「残念ながら無いようだ」
「そっか……」
しかし、俺はそこで疑問を抱いた。
「あれ?そうしたら王子はどうやってここへ来たの?」
「それが、もう1つの方法だ」
「もう1つの方法……?」
俺は意味がわからず、きょとんとする。
「もう大丈夫そうだな……、よし移動するぞ」
王子は周りの様子を伺うと、また俺をお姫様抱っこして走り出した。俺、ナチュラルにお姫様扱いされてるな……。
しばらく移動すると、王子は扉の前で立ち止まった。そして、部屋の中に入るように促される。
恐る恐る部屋の中に入ると、そこには巨大な鏡が置かれていた。
「これは……?」
「これは転移の魔道具だ」
「へぇ……!これが……」
俺は興味深く眺める。ゲームの中でも転移の魔道具の存在は出ていたが、実際はこうなっていたのか、と感動した。
そういえば、ゲームで勇者がお姫様を助けに行く時も、ラルジュ王国の魔道具で転移させてもらっていたのを思い出す。しかし、その方法が判明するまでたくさんの情報を集める必要があったはずだ。
「ミノルがさらわれてから、必死でここに来る方法を探っていたんだ。それで、転移の魔道具が使えそうだと分かったんだよ」
ゲームで数日かかるような情報集めなのに、王子はきっと全力で調べてくれたのだろう。
「そうだったのか……ありがとう……」
俺は思わず抱きついた。すると、王子も抱き締め返してくれる。
「王子……大好きだよ……」
「私もだ……ミノル……」
ずっと抱き合っていたかったが、さすがに今はそんな状況ではない。名残惜しいが離れることにした。
「それで、これはどう使うの?」
「かなりの魔力を消費するのだが……ミノルの指輪にもさっき魔力を補充したからいけるはずだ」
王子が俺の手を握ると、俺の体が光り始める。
「おおっ!なんかすごい!」
「よし……。うまくいったようだ……しかし、本当にミノルは魔法の才能があるな……」
「そうなの?」
「ああ、普通は魔法の素質がない者は使えないはずなのだがな……」
「そうなんだ……なんか嬉しいな」
俺は素直に喜んだ。
「私が転移の呪文を唱える。ミノルは私のそばから離れないようにしてくれ」
「分かった!」
俺はうなずいて、王子に抱きつく。すると、王子は優しく微笑んだ。
「それじゃあ、行くぞ……」
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