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12 魔王様花嫁姿に見惚れる
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「イリアって何でも出来るのね·······」
城のダミーの部屋にて、ローズはイリアにウェディングドレスの着付けとメイクなどを軽くされていた。教会の控え室ではなくここにするのは、余計な邪魔が入らないようにするためだ。
イリアの器用さに驚くローズにイリアは苦笑気味に言った。
「人間に関してはそれなりに勉強しましたから。こうして魔王様やローズ様のお役に立てて何よりです」
「ありがとう。でも、ごめんね。私の我儘で結婚式には呼べなくて」
ローズとしては、イリアくらいなら呼んでもいいと一瞬は思ったが········それでも、自分と魔王だけの時間に誰かを入れたくなかったのだ。そんなローズの独占欲を分かってるイリアは首を横に振って言った。
「魔王様とローズ様の式ですから。私達のことは気になさらず楽しんできてください」
「うん······ありがとうイリア」
「こちらの台詞です。こうして少しでもお二人のお役に立てるならこれ以上嬉しいことはありませんから」
「ふふ、イリアってお姉さんみたい」
何でも出来て気が利く。そんな風にも思えた。まあ、ローズには姉はいないのだが·······それでも、ローズからしたら元の家族よりも家族に近いとさえ思えたのだ。
「魔王様、お待たせしました」
「準備終わった·········の········」
途中で言葉が途切れてしまうくらいに魔王はローズに魅入っていた。金髪と白いウェディングドレスの対比がなんとも鮮やかで芸術的な美しさを出しつつも、ローズのほんのりとしたメイクで可愛らしさも忘れてはいなかった。そう、魔王はローズに見惚れてしまっていたのだ。
「あの·······似合ってない·····かな·······?」
「いや、ごめん········正直綺麗すぎて見惚れていたよ。凄く良く似合っているよ」
「そうかな?えへへ·······」
嬉しそうに微笑むローズ。その笑みにすらドキッとさせられる。それほど魔王から見てローズは魅力的だったのだ。
「魔王様も·······似合ってるね」
「そうかな?俺はこういうのは似合わないと思うけど········ローズの方が似合ってるよ綺麗だ」
「はぅ········で、でも、魔王様カッコイイもん」
タキシード姿の魔王に正直ローズもかなりドキドキしていた。普段とは違う装いもあるけど、いつもの野性的と知的を混ぜたような感じとは違って、紳士のようなカッコ良さに磨きがかかったと感じるのだ。
「まあ、でもローズに気に入って貰えたならこの格好をして良かったよ」
「·······私も。こうして綺麗なウェディングドレス着れて本当に嬉しい。それに······魔王様のお嫁さんになれるのも嬉しい」
「ローズ·······」
「私ね、家族に憧れていたの。愛し合ってる夫婦と愛情持って育てられる子供。私にはそのどれも遠い世界だったから········」
記憶にあるのは今でも思い出すと震えてしまうほどの辛い記憶。魔王といるとその過去を忘れられるが······それでも、消せない心の傷跡。そんな傷を察して魔王はそっと手を握ると精一杯微笑んで言った。
「これからは違う。ローズは俺のお嫁さんになるんだから。子供だって作ろう。男の子でも女の子でもローズに似て可愛くなると思うよ。それに·······もう、絶対にローズに辛い思いはさせない。そんな暇がない程に俺はローズを愛するよ」
自分のためにここまで言ってくれる魔王をローズは心底愛おしく思って微笑んで言った。
「······うん。ありがとう魔王様。でも、男の子ならきっと魔王様に似てカッコよくなると思う」
「そうかな?俺はローズに似ると思うけど·······まあ、それは後でじっくり語ろうか。いこう」
「うん」
そうして2人は教会へと転移するのだった。
城のダミーの部屋にて、ローズはイリアにウェディングドレスの着付けとメイクなどを軽くされていた。教会の控え室ではなくここにするのは、余計な邪魔が入らないようにするためだ。
イリアの器用さに驚くローズにイリアは苦笑気味に言った。
「人間に関してはそれなりに勉強しましたから。こうして魔王様やローズ様のお役に立てて何よりです」
「ありがとう。でも、ごめんね。私の我儘で結婚式には呼べなくて」
ローズとしては、イリアくらいなら呼んでもいいと一瞬は思ったが········それでも、自分と魔王だけの時間に誰かを入れたくなかったのだ。そんなローズの独占欲を分かってるイリアは首を横に振って言った。
「魔王様とローズ様の式ですから。私達のことは気になさらず楽しんできてください」
「うん······ありがとうイリア」
「こちらの台詞です。こうして少しでもお二人のお役に立てるならこれ以上嬉しいことはありませんから」
「ふふ、イリアってお姉さんみたい」
何でも出来て気が利く。そんな風にも思えた。まあ、ローズには姉はいないのだが·······それでも、ローズからしたら元の家族よりも家族に近いとさえ思えたのだ。
「魔王様、お待たせしました」
「準備終わった·········の········」
途中で言葉が途切れてしまうくらいに魔王はローズに魅入っていた。金髪と白いウェディングドレスの対比がなんとも鮮やかで芸術的な美しさを出しつつも、ローズのほんのりとしたメイクで可愛らしさも忘れてはいなかった。そう、魔王はローズに見惚れてしまっていたのだ。
「あの·······似合ってない·····かな·······?」
「いや、ごめん········正直綺麗すぎて見惚れていたよ。凄く良く似合っているよ」
「そうかな?えへへ·······」
嬉しそうに微笑むローズ。その笑みにすらドキッとさせられる。それほど魔王から見てローズは魅力的だったのだ。
「魔王様も·······似合ってるね」
「そうかな?俺はこういうのは似合わないと思うけど········ローズの方が似合ってるよ綺麗だ」
「はぅ········で、でも、魔王様カッコイイもん」
タキシード姿の魔王に正直ローズもかなりドキドキしていた。普段とは違う装いもあるけど、いつもの野性的と知的を混ぜたような感じとは違って、紳士のようなカッコ良さに磨きがかかったと感じるのだ。
「まあ、でもローズに気に入って貰えたならこの格好をして良かったよ」
「·······私も。こうして綺麗なウェディングドレス着れて本当に嬉しい。それに······魔王様のお嫁さんになれるのも嬉しい」
「ローズ·······」
「私ね、家族に憧れていたの。愛し合ってる夫婦と愛情持って育てられる子供。私にはそのどれも遠い世界だったから········」
記憶にあるのは今でも思い出すと震えてしまうほどの辛い記憶。魔王といるとその過去を忘れられるが······それでも、消せない心の傷跡。そんな傷を察して魔王はそっと手を握ると精一杯微笑んで言った。
「これからは違う。ローズは俺のお嫁さんになるんだから。子供だって作ろう。男の子でも女の子でもローズに似て可愛くなると思うよ。それに·······もう、絶対にローズに辛い思いはさせない。そんな暇がない程に俺はローズを愛するよ」
自分のためにここまで言ってくれる魔王をローズは心底愛おしく思って微笑んで言った。
「······うん。ありがとう魔王様。でも、男の子ならきっと魔王様に似てカッコよくなると思う」
「そうかな?俺はローズに似ると思うけど·······まあ、それは後でじっくり語ろうか。いこう」
「うん」
そうして2人は教会へと転移するのだった。
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