悪役令嬢の父親に転生したので、妻と娘を溺愛します

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65 騎士団長からの誘い

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家族が増えるたびに、自宅という場所から離れたくなくなる俺の心とは裏腹に、貴族というのは忙しいものだ。

贈られてきた誕生祝いの数だけ直に会ってお礼を言わなければならない。まあ、とはいえ遠いところや多忙で会えない人も多いが、特に国王陛下からのお祝いを無視することは出来ずに城へと来た俺はたまたま通りかかった騎士団の詰め所に知り合いがいるのに気付いた。向こうも俺に気付いたのかこちらに近寄ってきた。

「これはこれは、フォール公爵。このような場所に何かご用でしょうか?」
「お久しぶりです、グリーズ子爵。訓練中ですか?」
「ええ、フォール公爵もご一緒にどうですか?」

久しぶりに会ったのは騎士団長のグリーズ子爵。前に会ってからますます体格がよくなったような気がするが、そういえばこの人からも誕生祝いをもらったことを思い出して俺は言った。

「遠慮しておきます。それより、グリーズ子爵この前は娘と息子の誕生祝いをありがとうございます」
「いえいえ、おめでとうございます。まさか双子とは驚きましたよ」
「私も驚きましたよ。でも双子でもなんでも無事に産まれてきたことが何よりの幸せです」

その言葉に確かにと頷いたグリーズ子爵はそこで思い出したように言った。

「そういえば、息子の件ありがとうございました」
「何のことです?」
「以前息子と共に会った時に掛けていただいた言葉で、私は息子とちゃんと話をすることができました」

息子・・・ああ、あの赤毛の子供か。確か転生したばかりの頃に会ったきりだったか?なんだか弱気そうなその子とグリーズ子爵にお節介を焼いた記憶はあるが・・・

「それはお二人の努力によるものでしょう。私は何もしておりませんよ」
「ご謙遜を。息子もあなたに会ってお礼をしたいと言っておりましたよ。そういえば、誕生祝いを贈ると提案したのも息子なんですよ」
「そうでしたか。なら今度きちんとお礼をさせてください」
「ええ、あ、でしたらこの後何かご予定はありますか?」
「なくはないですが・・・何か?」
「少しだけ息子の剣術の指南をしていただけませんか?」

その言葉に俺は思わず顔に出したくなる面倒くさいという気持ちを押し込めてから遠回しに断ることにした。

「それは・・・どうでしょう。私よりも騎士団長であり、父親でもあるグリーズ子爵の方が適任なのでは?」
「そうしたいのですが・・・私の剣だけでは息子に教えてあげられることには限界がありまして。早めに私以外の強者を教えておきたいのですよ」
「そうですね・・・陛下に会ったあとでしたら多少はお時間取れますが・・・」
「でしたらどうかよろしくお願いします」

面倒な・・・でも、断るにもこの人には誕生祝いで世話になったし、仕方ないか・・・

「わかりました。微力ながらお手伝いします。それでどちらで行うのですか?」
「では訓練用の闘技場で行いましょう」

ん?今なんて言った?

「もしかして、こちらに息子さん来ているのですか?」
「ええ。最近になりこちらで他の団員にも稽古をつけてもらっているのです」
「・・・そうですか」

まだ4、5才の子供が騎士団に混じって訓練・・・チートの気配がしなくはないがまあ、俺には関係ないのでいいかと思った。この厳しい人でも流石に虐待まがいの指導をしてるわけないだろうと思ったからだ。






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