日常は平和に限る

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写真部の日常2

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「じゃあ、今週のお題を決めましょうか」

そう言って全員が席についてから部長である理恵先輩が本日のメインの部活動である内容を切り出した。

ちなみにお題っていうのは、写真部では週の初めにテーマを皆で決めて、そのテーマに添って写真を撮るための土台のことをお題と呼んでいる。

「はいはい!」

「な、何よ新吾。そんなに元気に・・・」

新吾先輩は立ち上がると物凄いいい笑顔で言った。

「『不倫の証拠写真』がお題でいいと思う!」

「アホか!」

すぐさまそれに突っ込む理恵先輩。
僕は『不倫』という単語の意味がわからずに首を傾げてから隣の結香さんに聞いてみた。

「結香さん。不倫って何?」

「純くんは知らなくていいことよ」

「そうなの?」

ならいいのかな?なんか凄く迫力のある笑顔で結香さんにそう言われたしいいのかな?
そんことを考えている間もいつものように二人の言い合いは続く。

「だいたい、そんなもの撮ってどうするのよ!」

「そんなの勿論・・・『奥さん。これをみてもまだ旦那がいいのかい?俺にしなよ。俺に全部を預けなよ(キラリン)』って人妻に迫るだけだ!文句あるか!」

「文句しかないわ!」

「はぁ・・・お二人とも夫婦漫才はいいのでそろそろお題を決めましょうよ」

「「夫婦じゃない!!」」

結香さんが嘆息混じりに二人にそう言うとほぼ同時に同じ答えが返ってきた。凄い。
結香さんは二人を無視して僕に視線を向けてきた。

「純くんは何かありますか?」

「「スルー!?」」

こっちに来てしまった。うーん思い付かないけど・・・

「僕?うーん・・・そろそろ桜も終るし『桜』とか?」

「流石ですわ、純くん。ではそれで決定ですね」

「「いやいや、ちょっと待てよ(待ってよ)!」」

あっさりと笑顔でそれに頷く結香さんに待ったをかける先輩二人。
僕と結香さんはキョトンとしながら二人を見た。

「どうかしましたか?」

「いやいや、少しはこっちの意見を聞こうよ!」

「僕のアイディアではダメですか?」

結構無難でいいと思ったのに・・・
しゅんとしていると結香さんが「お二人とも?」と少しいつもより迫力のあるトーンの声で二人に声をかけた。

「あ、ああ・・・いや、悪くはないがな・・・皆の意見は必要だろ?」

「そ、そうそう。決して純の意見がダメとは言ってないのよ?ただ、皆で話し合おうと言っただけなの?」

なにやら怯えるような二人にフォローされる僕。
でも、確かにその通りかもしれない。

「そうですね・・・すみません。ではお二人の意見をどうぞ」

「俺のは勿論『不倫の証拠写真』だ!」

「私は『消える魔球の写真』よ!」

あんまり参考にはならなそうだ。
新吾先輩のは意味がわからないし、理恵先輩は・・・これもよくわからない。
二人の意見に結香さんは嘆息して言った。

「お二人とも酷すぎますが・・・副部長のそれは趣味でどうぞ。部長のは・・・もはや意味が分かりません」

「趣味ではやってるからこそ、皆でやろうぜ!」

「最近練習して消える魔球出来るようになったからお披露目もかねて」

「やってるんですか・・・しかも、部長のはもはや人間技ではありませんよね?」

僕もそう思う。
あの伝説の魔球を普通に投げられる高校生は理恵先輩くらいだろう。
そういえば・・・

「結香さんは何か意見ないの?」

「私ですか?そうですね・・・では、『純くんの寝顔』でどうでしょう?」

「はは、結香さんもたまに冗談言うよね」

そんなもの誰が喜ぶのだろうか。

「あれが冗談ならな・・・」

「隠し撮りとかしてそうだし、寝顔もあながち冗談ではないような・・・」

先輩二人は何やら内緒話をしているご様子だ。


結局、話はまとまらず、テーマは僕のアイディアの『桜』になった。







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