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7話 旦那の昔話
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✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
マノンside
俺は、マージェン伯爵家の第2子として生まれた。
家には出来の良い、ネロという兄がいて、何をするにも比べらる。そんな肩身の狭い生活を送っていた。
「ネロは何でも出来て偉いわ」
そう言われる兄
「マノンはネロより出来ないことが多いのだから、頑張らないとダメよ」
そう言われる弟
確かにその通りだ。俺は勉強をしても30位以内に入ればいい方、兄は常に10位以内をキープし続けていた。
勉強も、見た目も、ダンスも......全て兄様よりも劣っている。
でも、両親はそんな俺のことも、そこそこ可愛がってくれてたとは思う。
俺が出来損ないだから、ダメなだけだ。
そう思っていた。
そんな時、リリーと会った。
リリーは元平民で、男爵家に引き取られたらしい。
他の令嬢達とは違う、ぱぁっと飾りっけのない笑顔に心が惹かれた俺は、もっとリリーの笑顔が見たい。そう思った。
いつの間にか、リリーと他の子息4人と行動を共にするようになっていた頃、
「もう少し、力を抜いても良いんじゃない?マノン様は頑張ってるもの!」
と言われた。リリーは他の4人にも同じような事を言っているのは知っていた。でもそれは、俺がずっと誰かに言って欲しかった言葉だった。
もう、評価なんてどうでもいい。
リリーだけが俺をちゃんと見てくれる。
『リリーと結婚したい』
俺は本気でそう思うようになった。
だがその望みは卒業間近で打ち砕かれた。
「ハーヴェスト家の婿に入れ」
学園から帰ってきて早々に父上に呼び出されて言われた。
「......なぜですか?」
と聞くと、
「お前の為だ。身分も高く、シエラ嬢は侯爵家の次期当主だ。どこにも婿に入れなかった者達がどうなるか、知っているだろう?」
そう言われた。確かにその通りだが、絶対に嫌だ。そう思った俺は、リリーに婚約を申し込んだ。
すると、
「嫌よ!婚約なんてしたら、他の人達と話がしづらいじゃない!!絶対に嫌!」
と言われた。
頭を殴られたような気分だった。
リリーに断られた俺は、父上が言っていた結婚を承諾した。
もう、リリーのことは諦める。
そう思っていた筈だった。
結婚式の2週間前、街で偶然リリーを見つけた。
リリーは、俺が好きだったあの笑顔を他の男に向けていたのだ。
悔しかった。なぜ隣に俺じゃない人がいるんだ、と思った。
結婚式を終え、初夜だ なんだとか言うが、リリーを思いながら、シエラを抱くことは出来なかった。
それから1ヶ月後、リリーが俺に会いに来た。
「マノン様、結婚は無理だけど、私を愛人にする気、ありません?」
だってマノン様は侯爵家の当主なんでしょ?と不敵な笑みを浮かべた。
当主はシエラであって、俺ではない。
愛人なんて、婿養子の自分が作っていい訳が無い。そんなことわかっているけど、俺はその提案に乗ってしまった。
だが、こんなことをシエラに言えるわけがない。
そう思ってずっと隠し通してきた。
会うのは領地から離れたところで、帰宅はせずにリリーの住んでいる家で寝泊まりをした。
そして、気付いた時には1年も経っていた。
今日こそやめよう。別れを言おう。そう思っていても、抱いて欲しい、うちに来て、と強請られると強く断れなかった。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
「マノン様、ユーグ・ハーヴェスト様から伝言を受け取って参りました」
「義父様から...?」
「今すぐ家に帰ってこい、とのことです」
「.........わかった」
リリーとのことがバレたのか...?いや、まさか...そんな訳ないよな。
そんなことを考えながら、俺は『久しぶり』に我が家に帰る準備をした。
マノンside
俺は、マージェン伯爵家の第2子として生まれた。
家には出来の良い、ネロという兄がいて、何をするにも比べらる。そんな肩身の狭い生活を送っていた。
「ネロは何でも出来て偉いわ」
そう言われる兄
「マノンはネロより出来ないことが多いのだから、頑張らないとダメよ」
そう言われる弟
確かにその通りだ。俺は勉強をしても30位以内に入ればいい方、兄は常に10位以内をキープし続けていた。
勉強も、見た目も、ダンスも......全て兄様よりも劣っている。
でも、両親はそんな俺のことも、そこそこ可愛がってくれてたとは思う。
俺が出来損ないだから、ダメなだけだ。
そう思っていた。
そんな時、リリーと会った。
リリーは元平民で、男爵家に引き取られたらしい。
他の令嬢達とは違う、ぱぁっと飾りっけのない笑顔に心が惹かれた俺は、もっとリリーの笑顔が見たい。そう思った。
いつの間にか、リリーと他の子息4人と行動を共にするようになっていた頃、
「もう少し、力を抜いても良いんじゃない?マノン様は頑張ってるもの!」
と言われた。リリーは他の4人にも同じような事を言っているのは知っていた。でもそれは、俺がずっと誰かに言って欲しかった言葉だった。
もう、評価なんてどうでもいい。
リリーだけが俺をちゃんと見てくれる。
『リリーと結婚したい』
俺は本気でそう思うようになった。
だがその望みは卒業間近で打ち砕かれた。
「ハーヴェスト家の婿に入れ」
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「......なぜですか?」
と聞くと、
「お前の為だ。身分も高く、シエラ嬢は侯爵家の次期当主だ。どこにも婿に入れなかった者達がどうなるか、知っているだろう?」
そう言われた。確かにその通りだが、絶対に嫌だ。そう思った俺は、リリーに婚約を申し込んだ。
すると、
「嫌よ!婚約なんてしたら、他の人達と話がしづらいじゃない!!絶対に嫌!」
と言われた。
頭を殴られたような気分だった。
リリーに断られた俺は、父上が言っていた結婚を承諾した。
もう、リリーのことは諦める。
そう思っていた筈だった。
結婚式の2週間前、街で偶然リリーを見つけた。
リリーは、俺が好きだったあの笑顔を他の男に向けていたのだ。
悔しかった。なぜ隣に俺じゃない人がいるんだ、と思った。
結婚式を終え、初夜だ なんだとか言うが、リリーを思いながら、シエラを抱くことは出来なかった。
それから1ヶ月後、リリーが俺に会いに来た。
「マノン様、結婚は無理だけど、私を愛人にする気、ありません?」
だってマノン様は侯爵家の当主なんでしょ?と不敵な笑みを浮かべた。
当主はシエラであって、俺ではない。
愛人なんて、婿養子の自分が作っていい訳が無い。そんなことわかっているけど、俺はその提案に乗ってしまった。
だが、こんなことをシエラに言えるわけがない。
そう思ってずっと隠し通してきた。
会うのは領地から離れたところで、帰宅はせずにリリーの住んでいる家で寝泊まりをした。
そして、気付いた時には1年も経っていた。
今日こそやめよう。別れを言おう。そう思っていても、抱いて欲しい、うちに来て、と強請られると強く断れなかった。
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「マノン様、ユーグ・ハーヴェスト様から伝言を受け取って参りました」
「義父様から...?」
「今すぐ家に帰ってこい、とのことです」
「.........わかった」
リリーとのことがバレたのか...?いや、まさか...そんな訳ないよな。
そんなことを考えながら、俺は『久しぶり』に我が家に帰る準備をした。
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