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44話 アルフレッドside

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最近、奴......いや、ユーフェミアとの関係が良くなったと思う。

まぁ、俺が変わると決意出来たから、というのはあるかもしれないがマリアンヌは味方なんだと思うと自然と考え方を変えることが出来た。

単純って思うかもしれないが、なんだかんだ味方なんて存在しなかった俺には、大きな出来事だ。

ユーフェミアがフェルマーに指示した、家ごとに書類を分けろ、というのも、実際にやってもらうと物凄く仕事がしやすくなったし、不正しているのもすぐに把握できるようになった。

でも流石に言い方が厳しいな、とは思ったけどな。

それから、女性に対する俺の考え方も変わったと思う。

ユーフェミアと話せば話すほど、俺が今までかかわりを持った令嬢たちの知能の低さ、常識のなさがわかるようになってきた。

そのおかげもあって、側室候補を決めるときに俺が無理やり入れ込んだ奴らに対しても自分の欲だけで動くことなく、冷静に見定めることが出来るようになった。

そんな時

「こうてぇ~い」

という甘ったるい声が廊下に響き渡った。

この声はディアナか。

そう思って声の方を向くと、思った通りディアナがニヤニヤしながら俺に近付いてきた。

そして、

「お疲れ様ですぅ~。最近、相手をしてくれなくて寂しいですわぁ~」

なんて猫撫で声を出して俺にしがみついてきた。

前まではディアナは胸が大きいし、嬉しかったものが、今の俺にとってはうっとおしくて汚らわしい、と思うようになった。

一応伯爵令嬢なのに、男性に胸を押し付けるなんて本来ならあり得ない。

娼婦じゃあるまいし.........。

そう考えると、これがユーフェミアが言っていたことか、と理解することが出来た。

なかなか返事をしない俺にディアナはキョトンとした顔をして見つめてくるものだから

「あ、あぁ....そうか.......」

とだけ返すと、ディアナは一瞬ムッとした顔をしたが、これが普通の返し方なんだよな?

今までの俺がバカだったというか、何も知らなかっただけというか........。

そう思っていると

「今夜とか、どうですかぁ?」

そう言って、再び胸を俺に押し付けてくるが、何も思わないな。

そういえば候補の間はそういうことは禁止ではなかったか?

まぁ、それを抜きにしても、ディアナと夜を共にするくらいならユーフェミアと話をしていた方が有意義な時間を過ごせる。

そう思った俺は

「いや、すまないが俺にもやることがあるんだ」

とだけ言って、ディアナから離れようとした。

すると、急にディアナは目に涙を浮かべて

「えぇ~......皇帝になったら皇妃にしてくれるって言ってたのにぃ~」

と廊下を歩いている人に聞こえる大きさで叫び始めたではないか。

確かに皇妃にしてやる、とは言ったことがあるが、それは皇妃に相応しいと思ったら、というのも伝えたはずだ。

しかもその話をしたのは1年も前の話だしな。

つい、ため息をつきそうになりながら

「それはもう前の話だ。皇妃はもう決まっている」

とだけ言って、ディアナをおいてその場を離れた。

今の俺には皇妃はユーフェミア以外に考えられないし、もし他の人に変わるとしてもディアナだけは選ばない、そう確信したからな。

大体、こんなのが側室だとしても最悪だろう。

国の信頼を落とすだけだ。

今日の夜、ユーフェミアに言って候補から外してもらおうか。

そう考えている俺の背中に

「酷ぉ~い!」

というディアナの声が聞こえてきたが、出来ることならもう関わりたくないな。

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