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195話

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心の中で赤ちゃんに謝罪をしていると、確認が終わったみたいでペントミン伯爵が

「あ、金色です.....っ!」

という声が聞こえてきましたわ。

金色、ですか..........。

それなら確かにアルフレッド様の子供だ、と主張するのも頷けますわ。

ですが、おかしいですわね。

確かに金色の目は王族の象徴である、ということはアルフレッド様から聞いています。

ですが、髪の毛の色を考えると、金の目の子供が生まれるわけがないんです。

たかが髪色、と思うかもしれませんが、髪も目も遺伝がありますからね。

ブロンドの髪の毛の王族はこの国にはいないはず。

そしてペントミン伯爵家にも。

はぁ.........なんか嫌な予感がしますわね。

そう思った私は、ライア様に何かを言われること覚悟で赤ちゃんに近付きましたわ。

伯爵は急に私が近付いてきたので驚いた顔をしていますが、何も言わずに赤ちゃんを前に差し出してくれたので、

「ちょっと失礼しますわね」

とだけ言って目をよく見てみましたわ。

思った通り後ろではギャーギャーと騒ぐライア様の声が聞こえてきますが、それどころではありません。

目の色を変える、というものに心当たりがありますのよ。

ただ、もし私の想像しているものが使われていた場合、最悪失明している可能性もありますわ。

そう思って赤ちゃんを見ると、赤ちゃんは私の顔を見ながら

「キャッキャッ」

と笑ってくれているのできっと目は見えているんでしょう。

安心しましたが、やっぱり目に違和感がありますわね。

そう思ってスッと目に指を入れると、伯爵は

「な、なにを!?」

と赤ちゃんを私から離そうとしましたが、私の指についているものを見て固まってしまいましたわ。

まぁ、そうですわよね。

基本的に、こんなものを使う人なんていませんもの。

そう思いながら、後ろで不思議そうな顔をしているアルフレッド様に

「アルフレッド様........これを..........」

と指についたものを見せましたわ。

それをみたアルフレッド様は

「な、なんだこれは!?」

と案の定知らなかったみたいなので

「隣国で発売されている、こんたくと、というものですわ。メガネの代わりとして使われたり、色が付いたものもある、とは聞いていましたが...........」

そう説明をしてライア様を見ると、歯をギリギリ、と噛みしめているのが離れているのにしっかりと聞こえてきますわね。

はぁ........赤ちゃんにこんなものを入れるなんて、目が見えなくなったらどうしますの?

それに、確かにメガネをかけるのが面倒だ、ということで、こんたくとを付ける人はいますが、目の色を変えるためだけに使うなんて、何かしらのやましいことがない限りありえませんわ。

基本的には犯罪者や、経歴を詐称したい人が使う、とは聞いていましたが、まさかこんなにも近いところに使う人がいたとは.......。

そう思いながら赤ちゃんの目を改めて見ると、目の色は綺麗な青色でしたわ。

ライア様やペントミン伯爵と全く同じ色です。

こんなに綺麗な色を隠すなんてもったいないですわよ。


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